俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

コステロ自伝 ANNEX Part 18

第18章は「アメリカ・ウィズアウト・ティアーズ (America Without Tears)」で、「King Of America」の1曲から。あっちは「American」だけど。

www.youtube.com


前章ではメジャー・デビューしてスターダムにのし上がる所が書かれていたが、この章では一転過去に遡る。
それもデクラン・マクマナスが産まれる前の曽祖父の時代から遡る。

そういえばふと思い出したけれど、高校の頃、シドニィ・シェルダンの本が異常に流行っていたということがあった。
時代的には1992〜1994年くらいかな?ハードカバーの上下巻で、自分で買ったことはなかったけれど、クラス内で回し読みしていた。
自分も何冊か夜通しで読んでいたが、この人の本は、主人公の祖先の物語から始まる。上巻が曽祖父と祖父と父の物語で、下巻が主人公の話、みたいな大雑把に言うとそんな感じ。
この章を読んでてそれを思い出しました。

ところで、ここまで書いていて何だけど、こういう自伝的な本にはたいてい脚注とか補足資料とかが付くのだが、この本には一切ない。
なので、「これ何よ?」と思った所にいちいち付箋をつけて調べている。インターネットの時代でまだ良かったが、そうでなかったら脚注がないとかなり辛い本だ。
そしてこの章に最も欲しいのは脚注だったし、家系図である。
マクマナス・ファミリーの場合、集合離散が多くてよく分からない。コステロの腹違いの弟が20歳以上離れていたり、コステロの3人の息子も30歳離れている。


ということで、簡易的なファミリーツリーを書いてみた。

コステロは最初の妻との間に一人子供がいる。ダイアナ・クラールとの間にも双子がいるので3人、「My Three Son」ですね。

www.youtube.com


コステロの両親ロスとリリアンは1967年頃には離婚していて、父ロスはサラとの間に4人作る。この4人がコステロの腹違いの弟4人、で、一人っ子だったはずが、いつの間にか5人兄弟へ。
この章は、父ロスの両親、つまりコステロの祖父母パトリックとモーリーがメインの章。さらにその上のコステロの曽祖父母の話もチラッと出てくる。

コステロ自身は戦後、この場合の戦後はWW2だけど、1954年生まれなので戦後世代。
父ロスの世代は戦中派、この場合の戦中もWW2。日本だと昭和初期の生まれ。
祖父パトリックの場合はWW1の戦中派。日本だと明治中期の生まれ。
曽祖父ジョンは、日本だとまだ江戸時代で、産業革命が始まった頃の生まれ。

祖父パトリックは兵役に付くが、1917年に同僚の誤射により死亡、したことになっていたが、実は負傷しただけで死んだわけではない。
第一次大戦は1914〜1918年までだが、パトリックは負傷してしまったのでアイルランド鎮圧部隊に配属されてしまう。

ここでアイルランドイングランドの関係を少し。

1801年からアイルランドは英国に属しており、その頃の国名は「グレートブリテン及びアイルランド連合王国」。
1845年に主食だったジャガイモの疫病で「ジャガイモ飢饉」が発生し人口が半減。
これをキッカケに独立の機運が高まり、1916年にイースター蜂起、1919年〜1921年にかけてアイルランド独立戦争
1922年に独立、という流れ。

曽祖父ジョンはアイルランド生まれだが17歳でリヴァプールイングランド)に移る。
パトリックはイングランドで生まれているがルーツはアイルランドアイルランドにルーツを持つものがアイルランドを鎮圧する軍に入る、という矛盾を「Any King's Shilling」という曲にしたとのこと。
www.youtube.com
なるほど、ケルト風なのはそういうことなのかと。

何の映画か小説か忘れましたが日米戦争にもこういうのありましたね。日系移民が米軍に入る、という話。

パトリックは王位陸軍音楽学校でコルネット、フレンチホルンを学んでいた。
そのため戦後も楽隊に入って音楽を続けたという。つまり父も祖父も音楽をやっていた、ということ。

ミュージシャンの家系なんだな。