俺の記憶ストレージ Part 1&2

寂しさは琥珀となり密やかに輝き出す

痛風について考える

いきなり痛風の話かよって感じですが。まいっか。記憶ストレージ(≒日記)なんだから。

 

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かまいたち痛風先生という動画を見ていて気になったのが、「魚卵」というフレーズ。

 

この動画でも説明されていたように、まるで定説のように痛風の原因は魚卵摂取と言われますが、本当かなと。自分の経験も踏まえて考えてみようかなと。

 

かまいたちの濱家氏は、28才で発症して、今37才とのことなので痛風歴9年とのことですが、自分の痛風歴はその倍くらい。23才で痛風になって、大体20年くらい痛風と付き合ってきてます。

 

初の発作は大学4年の夏。就職活動が思うように行かなくてストレスを溜め込む日々の中のある日、バイト仲間とバイト終わりにサッカーをしてから、飲みに行こうということで、レバ刺しとビールを飲んで、その後に富良野に温泉入りに行こうとなって、深夜に出発。次の日も朝からバイトだったので寝ないでそのままバイトに行って、夕方に家に帰ったら疲れて爆睡しました。次の日になり、なんか足が痛いな、ぶつけたかなと思ったら、どんどん腫れてどんどん痛くなっていく。しょうがないので親に整形外科に連れて行ってもらったら「血液検査の結果はまだだけど・・・たぶん痛風でしょうね」と言われたのです。

 

痛風って、うちの爺ちゃんがなった病気じゃん!」と驚いて、若い人でもなるんですか?と聞いたら人によってはなるという。

 

そう言われてみたら、大学1年の頃に発作とまではいかないまでも、足の付け根に違和感があることがあったなと思いだしたり、発作が起きる前も、「過度な運動」とか「レバーとビール」とか「疲労」とか、そもそもストレスがあった日々だったのでそういうのが重なって発作が出たんだろうと思いました。

 

当時は食べ物が良くないと聞かされていたので、プリン体が多いとされているものは控えめにしていたのですが、自分の場合、食事制限でなんとかなるレベルではなく、そもそも尿酸が外に出づらい体質なんだということが分かってからは、服薬と水分多めの生活で、なんとか発作が出ないまま12年ほど経っているという状態です。

 

ちなみに、フェブリク錠という薬に変えてからは尿酸値は劇的に改善し、大体7以下です。その前はザイロリックとウラリットというやつを処方されてましたが、それはあまり効いていなくて、薬を飲んでても8オーバーでした。一応断っておきますが、あくまでも自分の話なので、他の人にどう作用するかは知りません。

 

今は3ヶ月に一度くらい通院して、血液検査して尿酸値を測っているのですが、たまに通院が遅れて薬がなくなった状態で通院すると、7を超えることがあって、その時お医者さんに「魚卵とか食べてない?」などと聞かれることがあります。

 

ここでも出てくる「魚卵悪玉説」。

 

自分からすると、「その情報古くない?」と思うわけです。相手は医者だけど、それは違うんじゃない?という思いを捨てきれない。

 

なんか最近コロナ関連で素人が医者に口出すなみたいな風潮があるけど、専門家であっても間違ってることはありますよね。そもそも専門家の中でも見解が別れているならなおさら言っていることが正しいのかと考える必要があります。

自分もソフトウェアエンジニアなので、ソフトウェアの専門家と言ってもいいですが、間違ってることを見ることたくさんありますし、もちろん自分もはしょっちゅう間違えるわけだし。

 

魚卵は痛風の大敵と通説のように言われてきました。医者もそう言ってるし、医者じゃない人でも、「痛風って魚卵食べちゃダメなんでしょ?」と言ってくるほど。

もう世間的には「魚卵の食べ過ぎで痛風になる」という説がまかり通っているんです。

 

だけど、自分的の感覚的に魚卵がそんなに危険だという意識がないんですよ。魚卵は結構食べるけど、発作が起こるどころか発作の前の兆候すら起こったことがない。

 

痛風歴が長いと発作が起こりそうな予兆は分かります。足の関節に違和感が出ます。痛みはないんですが、思いっきり関節を曲げたりするといつもと違う引っ掛かりに気づきます。これが痛風発作の予兆。これを感じた時は、水分を取りまくって尿の排泄量を増やして、さらに違和感を感じたところに湿布を貼ります。湿布は効果があるかわからないけど、違和感があるというのは、ちょっと炎症が起こってるのかなと思い、そうします。今までそうやって発作をコントロールしてきました。

 

自分の肌感覚では、何を食べたら発作の前兆がくるかも大体把握してます。レバーは超危険ですね。レバー食べた後、数日後にかならず兆候が来ます。あと、寿司ですけど、普通の分量なら別に問題ないですが、ちょっと寿司食べすぎたかも、と思ったらやっぱり数日後に兆候が来ます。これはプリン体を外部から取った時の話ですが、実は夏の暑い日にも起こりやすいです。すごく暑い日に、水分取らずに過ごしていると兆候が出てくる。

 

カニズムとしては、尿酸は尿から排泄されますが、暑い日は汗として水分が体外に出るので尿の排泄量が減ります。結果、尿酸が体内に蓄積されるということだと思います。


魚卵の話に戻すと、スジコもタラコも私は結構な頻度で食べますが、食べたあとに兆候を感じたことがない。

 

ではプリン体はどのくらいなんだろうと有名な以下の表を見てみます。

 

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 出典:https://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf

 

「100gあたり」のプリン体含有量が書いてあります。

 

タラコ:120.7mg

明太子:159.3mg

スジコ: 15.7mg

カズノコ:21.9mg

 

 

まず、スジコ、カズノコは、そもそもタラコに比べて大分少ないので、そもそも「魚卵」という括り自体がどうかという話になってきます。魚卵じゃなくて「タラコ」の話に限って考えます。

 

表の通り、タラコはスジコに比べると、プリン体含有量が大分多いですがここにも罠があって、そもそもタラコを100gも食べますか?という話になってきます。

 

タラコ1腹(2本)で、大体100gです。普通にご飯と一緒に食べる時は大体1本の半分くらいですね(つまり1/4腹)。ということは一食で食べる分が大体25g〜多くても30g程度です。

 

これでだいたい100gくらい。

https://www.tridentseafoods.jp/products/img/roe05_img02_l.jpg

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つまり、

120.7(mg/100g) × 0.3 = 36.21 mg

程度。


たらこスパゲティで使う分量も一食分だと大体30gほどなので、この場合も同様の結果になります。

 

スジコの場合ですが、スジコも大体ご飯で食べる時は30g程度です。

自分は秋くらいになると生筋子を買ってきてイクラの醤油漬けを作りますが、この写真で大体300gですね。100gだとすると、この写真の1/3ですが、普通一気にそんなに食べまえん。このサイズだと大体10食くらいは食べれるので、大体30gくらいです。

 

https://rocketnews24.com/wp-content/uploads/sites/2/2014/09/dsc09814.jpg

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つまり、

15.7(mg/100g) × 0.3 = 4.71 mg

ほど。

 

そこで、これが実際に多いのか少ないのか、という問題ですが、自分が危険だと思っているのがレバーで、これは薬のコントロールが効いている時でも、食べた次の日は何か予兆のような違和感が出ます。この予兆は今までに数回あったので、最近は自重してます。

 レバーは種類によってまちまちですが概ね多めの含有量です。

 

鶏レバー:312.2mg
豚レバー:284.8mg
牛レバー:219.8mg

 

で、よく使うのは豚レバーだと思うので、レバニラ炒めで考えると、レバニラで使われる分量は大体100g前後です。

 

これで100g。

 

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91yzVhkFXmL._AC_SL1500_.jpg

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なので、一食分のプリン体含有量は 284.8 × 1.0 なので、そのまま 284.8mg になります。

 

284.8(mg/100g) × 1.0 = 284.8 mg

 

自分の中で、レバニラは危ないと思っているのですが、この 284 をボーダーラインとすると、たらこの 36 なんて微々たるものなんですね。あくまで自分の場合ですが、たらこで発作を起こそうとすると、284 ÷ 36.2 ≒ 8 なので、たらこをおかずに、ご飯8杯食べないとダメなんですよ。

 

で、そもそもプリン体とは何なのか、ということを考えたら、プリン体核酸を構成する成分で、核酸ってのはデオキシリボ核酸(DNA)とかリボ核酸RNA)のことです。核酸は核に存在しますが、核は基本的には細胞に一つ含まれます。

 

卵の場合、卵一つが一つの細胞なわけですね。つまり、タラコとスジコでなんでこんなに差が出るのかと言うと、同じ100g中でも、タラコは小さいから核酸が多い、スジコは大きいから核酸が少ない、ってことなんじゃないかと。

 

ちなみに鶏卵の場合は、プリン体ゼロです。おそらくゼロと言うか、微量にはあると思うんですが無視できるレベル。あの卵全部が一つの細胞だからなんだと思います。プリン体ゼロって知ってましたか?たまに知り合いに言われますよ、「卵食べて痛風に悪いんじゃないの?」と。これも魚卵=卵全部危険、という刷り込みから来ていると思われます。

 

さらに、基本的に細胞一つに核一つと書きましたが、肝臓の場合は2つあることもあるそうです。つまり倍。豚レバーの場合はどうかはよく分かりませんが、レバーがプリン体が多い理由の一つとして考えられそうな気がします。

 

ちなみに鮭の切り身の場合は

サケ:119.3mg

です。

 

切り身が大体100gだとすれば、119.3mgですが、これはタラコの大体3〜4倍です。なんでサケの切り身は何も言われずに、「魚卵は危険」ばかり言われるんだろう。謎です。

 

https://shunkashutou.com/market/wp-content/uploads/2017/05/sake-hozon-1024x682.jpg

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あと、この表を見て、「鰹節も危険!」と思うかもしれません。実際にそういうことを書いている記事もあります。

 

鰹節:493.3mg

 

確かにすごい量ですが、基本的に乾物はプリン体含有量が多くなりがちではあります。だけど、鰹節を100g食べるってどれだけの量なのかと。

削る前の硬い状態で、200gだとすると、この半分が100gになります。

 

これで200gくらい。この半分の量を一食で食べます?

https://amaru.me/trivia/wp-content/uploads/sites/2/different-obushi-mebushi.webp

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ヤマキのカツオパックの場合、一袋 1g になります。大体これくらいじゃないですかね。

https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/kumano-nakatani/cabinet/ikkatu1/yamaki/y4.jpg

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冷奴にも一袋ってちょっと多いくらいではありますが、1g だとすると、493.3 × 0.01 = 4.9mg なので、全然大したことないです。なので、お好み焼き、たこ焼き、冷奴なんかに乗っている鰹節を「痛風に悪いから」と避ける必要なんてまったくない。

 

これもレバニラくらいの量を取ろうとすると、284 ÷ 4.9 ≒ 58 です。ヤマキカツオパックを一回で58袋も食べないです、普通。

 

あと有名なのはビールですね。


自分はそもそもビール自体があまり好きではないので、勧められても「痛風なんで」という言い訳で飲まないのですが、一体どのくらい危険なんでしょうか。

 

一般的なビール:12~25mg/350mL


とのこと。まあ、一杯くらいなら大したことないですね。

 

www.tufu.or.jp

 

ただ、アルコールに関してはプリン体の含有量というよりは、アルコール自体が尿酸値を高める効果があると言われているので、単純な評価はできません。

 

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なので、

焼酎:0.0ミリグラム
ウイスキー:0.1ミリグラム
ブランデー:0.4ミリグラム
日本酒:1.2ミリグラム
ビール:3.3~6,8ミリグラム
発泡酒:2.8~3.9ミリグラム
紹興酒:11.6ミリグラム

 

とあっても、「焼酎とウイスキーはガンガン飲んでも尿酸値上がらないんだ!」とはならないとのこと。僕はそもそもお酒を頻繁に飲むわけじゃないので実感はないんですが。

 

おそらく、濱家氏が痛風になった原因はこれでしょうね。魚卵とかじゃなく。お酒やめたら尿酸値12が5に下がったと言ってましたので。

 

tanoshiiosake.jp

 

結局、「食品中プリン体含量」の表が書いてあることは間違ってはいないんだけど、かなりミスリードを誘発する書き方にはなってますね。標準的一食分で摂るプリン体含有量、という表なら良いのになと思います。カロリー摂取量って大体そういう書き方なんだから真似ればいいのに。

 

ただ、当たり前ですが、一般的な食べ方をしてても魚卵とか鰹節は問題ないというだけで、度を越した量を食べるとだめですよ、というお話です。まあそれは魚卵に限らずですが。魚卵を死ぬほど食べたら、その前に塩分摂りすぎで高血圧で死ねそうですが。