俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

コステロ自伝 ANNEX Part 1


2022年の2月頃に公開していたものですが、その後また本業が忙しくなり、自伝を読むのを中断してました、ということで仕切り直しで加筆修正。感想ではないのでタイトルを改めANNEXとし、参考資料をまとめることを主とすることにしました。
今度こそ完走できればなと!


コステロの自伝、日本語翻訳版は発売直後に買ったものの、あまりのボリュームにまず驚き、仕事もプライベートも家族のことでもそこそこ忙しかったので、なかなか読む気になれず、積み本と化してましたが、先日ついに手を出しました。

昔、ライノのリイシューがリリースされた時に、コステロが書いたライナーを一生懸命翻訳してたんですが、やっぱり慣れてないので、どうしても翻訳できないところがあります。ライノのリイシューは、輸入盤がリリースされてから数ヶ月後に国内盤、というかライナーの翻訳が別冊で付いてくる国内流通盤みたいなのがあったんですが、それの翻訳読んでもあまり分からなかった、ってことがあって、おそらくコステロの英語はネイティブでも難しい表現なのかなと思ったんですが、この本はすんなりと読めました。凄いなぁ。

自伝というと、生まれてから今に至るまでという時系列で書かれているのが普通です。

うちにある自伝だと、バート・バカラック自伝もそうだったし、XTCのもそう。マイルス・デイビスの自伝もそう。

この本はそうではなく、テーマ毎に纏められてる。例えばインペリアル・ベッドルームの章は、そこに至るまでの話題が年代を飛び越えて纏められてる、みたいな感じ。なので、大分前に出てきたこの人誰だっけ?とか、この人と何のエピソードあったっけ?みたいなのは無くて、読みやすい。まあ、コステロの大まかなストーリーが頭に入ってない人にとってみれば、年代飛びすぎて分からん!となるかも。でもそういう人はそもそもこの本買わないだろうから。


第一章は「ハマースミス宮殿の少年(A White Boy in the Hammersmith Palais)」、コステロの幼き頃、7歳頃のお話。

親戚と間違われたというミック・マクマナスというレスラーはこの人。あまりプロレス界に詳しくないけど、イギリスでも盛んなんですね。

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ハマースミス・パレスはコステロの父の職場。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/b/b4/HammersmithPalais_London_1969.jpg

コステロ(デクラン・マクマナス)の父、ロス・マクマナスもシンガーだということは有名ですが、ジョー・ロス・オーケストラというバンドで歌ってました。この辺りはアンディ・パートリッジが子供の頃にコステロのお父さんをテレビで見てた話を読んだことがあったり、「Mystery Dance」という2013年に放送されたコステロのドキュメンタリーで動く父の姿を見たことはあったのですが、より詳しく語られてます。
Discogsを見ると、1936年にシングルがリリースされていて、ジョー・ロスが亡くなった今も同じ名前で存続しているとのことで、老舗バンドですね。

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・天使のハンマー

ジョー・ロスは1909年生まれなので、日本だと太宰治と同じ年。ロス・マクマナスは1927年生まれで、植木等と同じ年。

ジョー・ロス・オーケストラのヒット曲はこれだったようです。

Must Be Madison (1962)

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この時ジョー・ロスは53歳。ロス・マクマナスは35歳。

ロス・マクマナス作曲の曲もあったようです。

March Of The Mods (1964)

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基本的にはヒット曲をアレンジして演奏する、ダンスバンドだったようで、別の章で出てきますが、毎週のように新譜も家に持ち帰って覚えていたようです。コステロはそのおこぼれ(アセテート盤)をもらっていたので大量のコレクションが家にあった模様。そりゃ音楽マニアになるわなーと。

で、自分なんかはハマースミスと聞くと、ハマースミス・アポロ(オデオン)の方がよく耳にするんですが、ハマースミス・パレスとは別のハコ。
やがてこのハマースミス・パレスはダンス・バンドではなくロック・バンドが演奏するようになっていったとのこと。クラッシュがこのハコを曲にしている。

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コステロが初めてここで演奏したのは1979年の1月。
www.elviscostello.info

ルーモアのマーティン・ベルモントデイヴ・エドモンズが参加していたようです。

1983年にも演奏していたようだが、この時はうまくいったとのこと。
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ちょうど「Punch The Clock」の頃の大所帯バンド(アトラクションズ+TKOホーンズ+コーラス3人)の頃ですね。音源ありました。

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「Trust」の写真はハマースミス・パレスで撮影したそうです。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shintaness/20220201/20220201223444.jpg

1980年、イギリスのテレビ番組「This Is Your Life」にジョー・ロスが出た時のこと。「This Is Your Life」というのは一人の人間にスポットを当てて紹介する番組で出演者はドッキリ気味に出演を依頼されるらしい。その回にコステロ父と共に出演したとのこと。
その動画はなかったが、そのことを語っていた動画はあった。

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