俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

ライブ記録:山下達郎 「Performance 2022」札幌文化芸術劇場 hitaru

日時:

2022/2/7

会場:

札幌文化芸術劇場 hitaru

メンバー:

山下達郎(Vo & G)
佐橋佳幸(G)
伊藤広規(B)
小笠原拓海(Dr)
難波弘之(Key)
柴田俊文(Key)
宮里陽太(Sax)
ハルナ(Cho)
エナ(Cho)
三谷泰弘(Cho)

セットリスト:
  1. Sparkle
  2. あまく危険な香り
  3. Recipe
  4. 人力飛行機 (inc. 愛を描いて 〜 ヘロン)
  5. Music Book
  6. 僕らの夏の夢
  7. 君は天然色 (大滝詠一カバー)
  8. Paper Doll
  9. シャンプー
  10. おやすみロージー
  11. I Only Have Eyes for You
  12. Joy to the World 〜 クリスマス・イブ
  13. 蒼氓 (inc. People Get Ready 〜 Blowin' in the Wind 〜 希望という名の光)
  14. さよなら夏の日
  15. Bomber 〜 Silent Screamer
  16. Let's Dance Baby (inc. Loveland, Island 〜 踊ろよフィッシュ 〜 高気圧ガール 〜 ヘロン 〜 Cheer Up! the Summer)
  17. ハイティーン・ブギ
  18. アトムの子 (inc. 鉄腕アトム)
  19. パレード
  20. Ride on Time
  21. いつか(Someday)
  22. Your Eyes
メモ:

全日程終了のため公開します。

前に見たのは Performance 2019 なのでおよそ3年半ぶりの山下達郎
前回はたしかファミマ先行で落選、その後の一般で当選という綱渡り状態。
前回2019と今回の何が違うかっていうと、ファンクラブに入ったということ。


※ ジャックスカード入らないとファンクラブ会員になれないので作った。Apple Payも使える。

それはつまり、チケットが取りやすくなったということ。
ということで今回のチケット、「Softly」発売とか関ジャム出演やらで露出増加により、なにやら巷ではチケット争奪戦となっていたようですが、私の場合ファンクラブ先行で、しかも北の僻地、蝦夷地、札幌という場所もあり早々にチケットをゲット。

ちなみに前回と今回の違いをもう一つ書くと、チケット代が上がってますね。前回9000円でしたが今回11000円。

ちなみに、
2015年 ¥8,800
2017年 ¥9,000
2018年 ¥9,000
2019年 ¥8,000 (アコースティックライブ)
2019年 ¥9,000
2022年 ¥11,000

という推移になっている。これ傾向的にはどうなのかな?全体的にこんな感じ?

で、自分は 2022/7/24 (日)に参戦予定だった。しかし3日前の7/21に非情な宣告・・・
「【重要】e+より『山下達郎』札幌公演 開催見送りのお知らせ」というメールが。

(ま、ホントは事前にSNSで見たのだけれど)
マジか!俺3列目だったんだよ!

まあ、しょうがないかと。振替公演を待つかと。
で、振替公演の日程がようやくアナウンスされたのが 8/25 だった。
なんと振替公演が翌年の 2/7。
うぉー、「Performance 2023」になってしまったじゃないかー。半年後までお預けか、と。
幸い、会場の変更はなく、座席もそのままだったので3列目ど真ん中は死守できた。

この間、何が大変かって、セトリを見ないように避けながら生きていくこと。
大半は紳士的なので「ネタバレあり」と書いてくれる人がほとんどだけど、極稀に「〇〇聴けて良かったー」とかそういうのが目に入ってしまうことがある。
しかも、ツアーは本当は11月で終わりなので、12月あたりからネタバレ気にせずに書いてくる人もいるかなぁと思って不安だった。
結局、「Sparkle」と「Paper Doll」は演った、という情報だけは目にしたけど、その他はシャットダウンできたのだった。


さて、2/7 当日。札幌は雪まつり開催期間真っ只中。自分の会社は雪祭り会場から割と近いのだけれど、昼はどこ行っても混んでいる。
雪まつり自体もまともに開催されるのはコロナ関連でグチャグチャになったあの頃以来。確かその頃は雪まつり会場で飲食ブースが大量にあって、「雪まつりなんだか飯まつりなんだかわからん」とか思っていたのだけれど、今回の雪まつりは飲食ブースが一切ない。既存飲食店には良いのだろうけど、なんか極端だなぁと。
そんな感じの札幌市内なのでとにかく混んでいる。hitaru に向かうが、やはり平時より人が多い。そんな人混みを潜り抜けてほぼ開場の時刻に到着。
今回は、本来の開催日の直前、7月頃に通販でツアーTシャツとパンフを買っていたので物販には行かず。ご当地プレートも後日オンライン販売ということだったし。

ただ、コーラスのハルナさんの「Hometown」は買おうと思ってたんだけど、なんか見つからなかった。売っていたのかな?
結局、「Softly」のアナログ盤を購入。アナログ盤、初版は見送ったのだけれど、追加生産になった時に買おうと思って待ってたまま忘れていたのでちょうど良かった。
直筆サインもGETできたし。
ちなみに追加生産になった時に一部の人が「完全生産限定」だったのになぜ?と怒っていたのだけれど、なんで怒っていたんでしょうね。
転売ヤーの考え方ですね、それ。それか「稀少盤持っているぞ」という優越感ですかね。

さて、それを抱えたまま、着席したわけですが、今回の席は一階席の3列目のど真ん中という素晴らしい位置。これはファンクラブ効果なのか?
ちなみに3列目、というのは実に20年ぶりで、そのときは真駒内アイスアリーナで見たメタリカの時だった。

それはともかく、開演前はずーーーっとドゥ・ワップが流れている。なんだか懐かしかった。そもそもコンサートに来たのも3年半ぶりだった。
懐かしさに浸っているとついさっきトイレに行ったばかりなのに尿意が。
自分は悩んだ。ライブの前に水分を大量に取らないというのは長丁場ライブの鉄則だ。特にオールスタンディングだと折角前に陣取っても無駄になる。
しかしここは着席ライブ。ど真ん中だったので人をかき分けてトイレに行って一安心。
ちなみに、アンコール中に最前列ど真ん中の人がいなくなり、物販でレコードを買って帰ってきたのを御大にイジられていたが、自分も三列目だったのでそのタイミングでトイレに行っていたらイジられていたかもしれない。

一番最初に山下達郎のコンサートに来たのは(ライジング・サンは除いて)2015年だったが、その頃に比べると確かに若い人も増えた気がする。自分は別に若い年ではないけどそれでも同世代は5%もいなかったんじゃないかな。
多分同世代っぽい感じの人は今回は割と見かけた。2割くらいはいた気がする。なので、近くに座っていた若い人が開演と同時に立たないかどうか心配だったけど杞憂だった。誰も立ってなかった。
なのでやっぱり前方列はファンクラブの人が多いのかなと思ったり。


オープニングのアカペラは「Shining from the Inside」で場内暗転。

バンドメンバーが続々登場。緞帳がないステージなのでメンバーの様子がはっきり見える。達郎さんはお馴染みブラウンのテレキャスでアカペラが鳴り終わるまで4本の指で「Sparkle」のイントロカッティングのAmaj7を押さえてた。3列目だとそういうところまではっきり見える。

そういえば機材も割と見えた。
佐橋さんはお馴染みShinosのギターアンプ
達郎さんのアンプはよく見えなかったが、見た目はフェンダーのツインリバーブ風だったけど、前にShinosを使っているとギターマガジンで読んだことがあるのでそれだったかも。
後ろに積んでいたマーシャルは伊藤さんのベースアンプかな?
難波さんのところにあったのはグランドピアノとフェンダー・ローズは見えたけどあとは不明。
達郎さんの使っていたキーボードはYAMAHAのやつ(機種名よくわからん)
柴田さんのところにもYAMAHAがあった。

あとゴジラね。

「Sparkle」が始まった。
自分は一度、生「Sparkle」で泣いたことがある。2014年のライジング・サンだ。あの時はホンモノを始めてみた時だったから。
今回はもう慣れたもので泣いていないが、3年ぶりの生タツローは待ちに待ったものだった。しかもめちゃくちゃ近い。

しかし、前方席は前方席で良くないこともある。

あまり音のバランスが良くないのだ。PAのスピーカーは両サイドに数段積み上がっていたが、もちろんそれは客席の真ん中あたりを向いている。
だから本当は客席の真ん中あたりが一番音が良いのだろうと思う。

自分の席は佐橋さんのギターアンプからの直音がかなり大きめに聞こえた。ドラムとベースもよく聴こえたが、ボーカル、コーラスとキーボードが小さめだった。
多分だけどモニタースピーカーの音も混ざっていたんじゃないかな。
明らかに前回4階席で聴いたときよりもバランスが良くなかった。

まあ、進行につれ、耳が慣れたのか、またはPA側で若干の音の調整があったのかバランスは改善されていったので特に気にはならなくなった。

さらに終盤はスタンディングになるけれど、そうしたらまたバランスが変わってかなり聴きやすくなった。
着席用のミックスと立った時のミックスが違うわけはないので耳の位置でバランスが変わったってこと。

今は殆どイヤホンで音楽を聴くライフスタイルだったけど、90年代は部屋のコンポで巨大スピーカーで聴いていた。
その頃は夏の暑い日に、扇風機を回すと音が変わるから暑くても止めてたり、一番良いポジションに移動して聴いていたり色々やっていたなぁと思い出した。
サウンドって機材だけじゃなくて、聴く側のポジションもそうだし体調にも左右されるんだよな・・と思いながら見てました。

2曲目はおなじみ「あまく危険な香り」。この流れは定番。
3曲めのイントロは聴き覚えがなかった。たいていの曲のライブバージョンは死ぬほど聴いているのでものの数秒のコードで何の曲かはだいたい分かるのだけれど、聴いたことのない入りだった。
その曲は「Recipe」。原曲は打ち込みだったし、この曲をライブで演るとはまったく予想していなかった。これは良いですね。サンソンでかけてくれるでしょう。

4曲目「人力飛行機」、これは「ドーナツ・ソング」枠ですね。「春よ来い」から始まるのもニューオーリンズビートも。導入の MC では観客にマスクを強いてしまっていることをお詫びしていた。
全部「〇〇〇」が悪い!とも言っていた(ツイッターに書くなと言われたので伏せ字)。

佐橋さんのスライドギターが絶品だった。ちなみに自分もスライドバー、ボトルネックを持っているけど、あれ使う時はピック使わない方が弾きやすいんだなと、初めて知った。右手は指弾き。これは発見だった。

5曲目「Music Book」でこの辺からかなりバランスが良くなって聴きやすくなった気がする。好きな曲なので聴けて良かった。中盤のドラムとコーラスだけになるブレイクが好き。そのあとベースが入ってくるところも良い。

6曲目「僕らの夏の夢」は久しぶりに聴けた。2017年以来かな。

7曲目「君は天然色」だった。ここ近年、カバー曲を入れていたけど、前回は大滝詠一さんとのエピソードに触れた上でこの曲を演奏し、これからも歌っていきます、と言っていたので今年はなんの大滝詠一カバーをやるのかと思っていた。
例えば、「夢で逢えたら」かな、「12月の雨の日」、いや「カナリヤ諸島」かなとか「幸せな結末」も知名度高いからアリかなとか。意表ついて「空とぶくじら」だったりしてとか思ったんだけど、今までやったカバーで一番受けたやつを演ると言って始めたのがこの曲でした。
別の曲も聴きたかったと思いつつ、やっぱり良いなぁと思いながら聴き入ってしまった。今回はまた曲名も言わず、絶対みんなこの曲知っているだろ?みたいな。そんなところも印象に残った。

8曲目はソロ回しの説明のあとに「Paper Doll」圧巻のソロバトル。喧嘩セッション、カクトウギセッション。自分はディープ・パープルの「Live in Japan」で育ったのでこういうバトルには目がない。
このバトル、自分は別に10分とか15分くらいやってても聴けてしまうのだが、まあ確かにMCで言っていたように誰のコンサートなんだ?ということになるのでちょい短めなのはしょうがない。

9曲目は鍵盤弾き語りで「シャンプー」。上モノは宮里さんのサックスのみ。基本的に歌っている時は鍵盤のコード弾きのみなのでボーカルの細かいニュアンスがはっきりくっきりと聞こえる。
フルバンドだとやっぱり細かいところは埋もれるけど弾き語りはこういうところが良い。本当に超絶上手い。

で、おなじみのアカペラコーナー。
10曲目「おやすみロージー」の11曲め「I Only Have Eyes For You」。割とこの辺も定番化してますね。オンストから披露してない曲も結構あるはずですが。
次12曲目が「Joy to the World」導入からの「クリスマス・イブ」。ツアーによっては「White Christmas」で導入することもあります。
この曲の時に必ずセットがクリスマスモードできらびやかになります。
前回は四階席だったけれど、今回はステージまで5メートルくらいしかないので、バンドメンバーとセットのコラボで、まるで雪まつりのオブジェクションマッピングを間近で見ているような雰囲気だった。
音楽を聴きに来ているのだけれど、この曲はやはりセットの凄さが印象に残る。

13曲目は「蒼氓」。ここはツアーによっては「希望という名の光」になることがある。その場合、途中で「蒼氓」の一節が歌われるが、今回は「希望という名の光」が歌われるというわけである。
ちなみに「People Get Ready」の一節も歌われるのも定番だけれど、佐橋さんのギターソロもジェフ・ベック版の「People Get Ready」をモチーフにしていると思われる箇所があった。
まあ、このフレーズは前からこの曲で弾いていたのを聴いたことがあったので、特にジェフ・ベック追悼というわけでもないかもしれないが、前よりもジェフ・ベック風味が強めだった気がしないでもない。

14曲目は「さよなら夏の日」。ここはツアーによっては「ゲット・バック・イン・ラブ」の時もある。唯一ハンドマイクで動きながら歌う曲。ちなみに私の席の場合、達郎さんとドラマーの小笠原さんが丸かぶりなのでそれまでは全く見えなかったが、ハンドマイクで動いていたのでようやく見えるようになった。まあでも上の階の席の方がドラムプレイはよく見えますね。

15曲目は、ここから賑やかしです、シティ・ポップやります、と言って「Bomber」。個人的にはシティ・ポップじゃなくて、アイズリー・ファンクかなと思っているけど。
前列は両サイドはスタンディングになったが自分の周りはまだ座っていた。が、ギターソロあたりで佐橋さんの「立て」というジェスチャーでオールスタンディングに。
先程も書いたがここで音のバランスが激変して聴きやすくなった。やがておなじみの御大のカッティング、間近なのではっきり見えた。
弦を押さえている時の薬指と小指が広がっている(つまりかなり強く押さえている)のもくっきりと見えた。
カッティングソロからやがて「Sirent Screamer」になだれ込む。
ちなみに「Sirent Screamer」の手拍子というのはちょっと変則的で基本的に裏打ちだが4小節目の最後だけ2発になるので間違えないように。

16曲目は当然「Let's Dance Baby」。この曲になると周りの人がゴソゴソしだす。クラッカーを取り出しているのである。ご多分に漏れず私もゴソゴソしていた。
最前列の人で、初めて山下達郎を見に来ていた人はクラッカーのことなんて知らなかったらしく、突然の爆発音に驚いて後ろを振り返っていた。

しかしクラッカーを鳴らすタイミングも結構難しい。

本当は、「心臓に」パン!「指鉄砲」のハズだが、実際は
「しんZ」パン!パパパパパパパン「びでっぽうそれでお手上げさ」「(MC)よく3年我慢した」パン!
となってしまうのである。

後半のメドレーは山下達郎メドレー。2017年も自作曲メドレーだったが、その時とは別の編成。

17曲目で「ハイティーン・ブギ」、この流れも近年で定番になりつつあります。
18曲目本編ラストは「アトムの子」でバンドメンバーは一旦バックステージへ。

で、ここで最前列の席の人がいなくなったのですが、「さっきまでそこに座ってましたよね?あの人どこ行ったんだろう?戻ったらいじってやろう」と落語家タツローの本領発揮。
MC中に戻ってきたその人は「どこ行っていたの?」と聞かれ「Softly」のアナログ盤を掲げ場内大拍手。
気持ちは分かる。その人はそもそも本編の入場も遅れて来ていて、物販に行けてなかったのだ。それでアンコール待ちの間に猛ダッシュで買いに行った。
まあ、結果的には終演後でもまだ残っていたのでそこで慌てて買う必要もなかったのだが、いじられていてちょっと羨ましかった気もする。

アンコール1曲目は「パレード」。これ、生で聴くの初めてだよなと思いながら、そういえばシュガー・ベイブのラスト・コンサートのパレードは大サビがある別バージョンで、こっちのナイアガラ・トライアングルバージョンはそれより前に録音していたよな、と余計なことを考えながら音の洪水に浸っていた。ちなみにベースをちょっと間違っていて「あ、間違った」と思ったらサックスの宮里さんと佐橋さんが笑っていたので、多分間違ったんだろう。一体何人気づいたか分かりませんが。

で2曲目に「Ride On Time」。最後のブレイクの後の生歌の前に「ここから老人虐待の数分間」と言い残して生歌パートへ。
ラストはメンバー全員前に出てきてご挨拶。これは前列特権ですね。こんなにも全メンバーの顔がはっきり見えることはありません。

挨拶後、また定位置に戻り「いつか(Someday)」。
この曲、そもそも好きな曲ではあったのだけれど、知人の境遇とこの歌詞がオーバーラップして、演奏を聴きながらいろんな思いが噴き出してきて感極まる。

そして「Your Eyes」で終演。

ちなみに、今回も「Last Step」は聴くことができませんでした。
私は一度も聴いたことがない「Last Step」難民です。是非次回は。
あと「Down Town」がなかったのも驚きでした。

今年もツアーをやるそうで、ファンクラブ会員なのでまあ取れるとは思いますが、今度は誰かを連れて行こうかなと思います。
終わった後の感想を共有できないのはなかなか辛い。

また良席があたりますように。今度はもうちょっと後ろでも良いです。音のバランスが良い席を!