俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

サンダー Part1:ナッシン・ファンシー&テラプレイン初期

DeepLという翻訳サービスが本当にすごくて、かなり自然な言語に訳してくれます。ということで、今まで買っても翻訳めんどくさいななんて思っていた洋書でもなんとか読める状態になりました。まあ、KindleDRM(コピー制限)みたいな前時代的なものがまだあって、色々ハードルはあるのですが・・・。自分で買った電子書籍のコピペに回数制限があるなんて、参考文献に使おうとしている人にとっては面倒この上ない。コピペ回数制限に達したら、スクショとってOCRなんて技もなくはないんだけど、面倒すぎて・・・。

 

さて、そんな中、サンダーの自伝がKindleで売っていたので買いました。ハードカバーだと¥3,243する本が、Kindleだと¥391。

 

Giving The Game Away: The Thunder Story (English Edition)

Giving The Game Away: The Thunder Story (English Edition)

 

 

これを読んでいたら色々と面白かったのでなんか書いてみるの巻。2016年発売の本なので、ヒストリーとしては2016年までのことが書かれてはいますが、比重はサンダー前史と2000年までの解散に比重が割かれてます。

 

特にサンダー前史なんかあまり知らなかったので興味深く読みました。

 

サンダーの中心メンバーはルーク・モーリー(メインソングライター&ギター)とダニエル・ボウズ(ボーカル)なんですが、二人共1960年生まれで、なんと今年還暦。自分が最初に生で見たのは1997年なので、あの時37歳だったんだなぁ。

 

サンダー前史はロンドン南部のホワイト・スワンというパブが舞台。そういう意味ではパブ・ロック。

ルーク&ダニーの「ナッシン・ファンシー」と、サンダーのドラムのハリー・ジェイムズの「ムーン・ティア」と、サンダーのギターのベン・マシューズとテラプレインのベースだったニック・リンデンのいた「ホワイト・ノイズ」という3バンドが、ライバル関係でいたのですね。

 

この頃のナッシン・ファンシーのレパートリーが、ジミ・ヘンドリックスとかドクター・フィールグッドとか(さすがパブ)、レイナード・スキナードだったようです。で、ジャスティ・ナスティみたいなバンド名・・・)ナッシン・ファンシーというバンド名はレイナード・スキナードのアルバムタイトルから拝借したとのこと。ちなみに、本当かどうかわからないけど、ナッシン・ファンシーになる前は「KAMIKAZE」が候補だったとのこと。この後の日本での人気を予見するようなエピソード。

 

ちなみにナッシン・ファンシーは1枚だけシングル盤が残っています。リリースは1981なので、NWOBHMのちょっとあとくらい。この、「〇〇ブームのちょっと後」ってのがルーク&ダニーには結構多い。サンダーのデビューも、1990年よりもうちょっと前だったらもう少し違っていただろうし、サンダーの再結成もダークネスのブレイクより少し前だったらもうちょっと変わっていただろうし。

 

www.discogs.com

 

heavymetalrarities.com

 

しかも、Youtubeに音源があります。こっちはA面。

 

NUTHIN' FANCY / Lookin' For A Good Time

 

www.youtube.com

これを聴くと、曲調は、メロディ、アレンジ共にルークっぽい感じで、ボーカルもダニエル・ボウズそのもので、この頃から完成されている感じ。

 

で、こっちがシングルのB面なんですが、こっちの方がハードロックしている。なんかモントローズとかそっち系のサウンドですね。サウンドは完全にガレージ。 

 

NUTHIN' FAMCY / TOO MUCH ROCK AND ROLL

 

www.youtube.com

 

テラプレインとも全然違うんですね。ナッシン・ファンシーの方が今のサンダーに近い。テラプレインはパワー・ポップみたいなジャンルですが、こっちはハードロックと言っても良い。

 

ホワイト・ノイズとムーン・ティアは音源がなさそうな雰囲気。見つけられなかった。

 

で、ここにロバート・ウェイスというかつてキンクスと一緒に仕事をしていた男が現れて、3バンドを集合離散させたらどう?みたいなアドバイスをしてテラプレインが結成されるんですね。で、初期のマネージャーはこの人。大事なことは彼に教わった、じゃないですけど、そういう感じでメンバーからはリスペクトされていたようです。

ちなみにキンクスの「A Well Respected Man」は、そのロバート・ウェイスについて歌った曲とのこと。

 

www.youtube.com

 

He's a well respected man about town
Doing the best things so conservatively

 

テラプレインの名付け親はロバート・ウェイスで、車の名前だそうです。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7f/Terraplane_Super_4-Door_Sedan_1937.jpg

 

で、1982年にはテラプレインとしてレディング・フェスティバルに出るんですね。

 

www.ukrockfestivals.com

 

http://www.ukrockfestivals.com/Reading-timeline-1982.gif

 

当時のタイムテーブルがあって、ヘッドライナーがMSGの日のオープニングアクトだったようです。

 

なんと、この時の音源もあるんですね。

 

TERRAPLANE / I Want Your Body 

 

www.youtube.com


これはレディング'82のコンピにしか収録されてなくて、未CD化のまま。Amazonマケプレにありますが1万円近くします。

 

この超初期のテラプレインは、やっぱり知っているテラプレインとは全然違う。ハードロックしてます。「She's So Fine」の原型みたいな曲。この頃からやっぱり演奏上手いなぁと。フリーとかバドカンみたい。この頃が一番似てる。

 

続く。