9年前の原発爆発の方が明らかに緊急事態だったよなぁ・・・今は全然緊急事態とは思えない感じで、なんだか自分だけパラレルワールドにいるようです。もし本当に緊急事態だったら、ドリフターズばっかり聴いてないんじゃないかなぁ。
ということで、今自分はドリフターズのアルバムを借りてきて聴いているんですが、結構面白いんですよね。
昔、いかりや長介が死んだ後、2004年頃にドリフの曲を聴きたいなと思って、CDを借りてきて音源が手元にあったはずなんだけど、いつの間にか紛失してしまってました。あの頃はiTunesが普及していなくて、Winampで管理していたのもあってテキトーに管理していたのも要因だったんですが。
ということで改めて借りて聴いてみた、という次第。以前聴いていたのである程度は知っていたんですが、今の耳で改めて聴くと結構発見がありました。
例えば「ズンドコ節」なんか、イカしたアレンジ。ビートが強いんですよね。1969年ですが、同時期のヒット曲ってピンキーとキラーズの「恋の季節」とかクール・ファイブの「長崎は今日も雨だった」とかキング・トーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」なんかがあるんですが、ビート感が強いって感じはない。洋楽だとまあビートルズの「アビーロード」の頃なんで普通ではあるんですが。
この頃のドリフって「〇〇節」とか土着的な民謡とか音頭とか軍歌のアレンジみたいな曲が多いんですが、この曲のアレンジはR&B的だったんだなぁと。サザン・ソウルみたいなアレンジ。歌が入ると〇〇節ではあるんですが、「ズンズンズンズンズンズンドコ」のところとか間奏なんか結構ファンキーです。
ドリフって志村けんがソウル好きだったので、志村以降にそうなったみたいな書かれ方をされがちなんですが、この頃でさえ充分そっちの色が濃かったんだなぁと。
ちなみに下の音源は、志村バージョンですが、ボーカルの荒井注バージョンを志村けんに差し替えただけのようです。
あと、東村山音頭ですが、これリアルタイムじゃないのでほとんど知らなかったんです。出だしの「東村山〜」のところと「いっちょめ」のところだけしか知らなかったけど、すごいっすねこれ。
本編入る前のイントロが完全にフィリー・ソウルでして、こんなだったのかよ、と驚きました。で、一丁目の譜割りもかなりファンキーですね。「ヒ・ガ・シッ、ワオ、イッチョメ、ワーオ」の真ん中のワオがかなりのファンキーっぷり。
これ1976年なんですが、同じようにファンクと音頭を融合した大滝詠一の「ナイアガラ音頭」もこの年にリリースされているんですよね。何か不思議な感じ。
「ヒゲのテーマ」は色んな所で元ネタに言及されているのであえて書くまでもないかなと思いますが、「ドリフの早口言葉」の志村パート。これは最近のサンソンでもオンエアされてましたが、フェイクがすごいんですよね。しかも上手い。タイミングもすごくて。和田アキ子みたい。で、また後半に行くにつれ楽器が増えてリフをユニゾンで重ねられてくってアレンジもまた素晴らしい。
あと「ドリフのパイのパイのパイ」とかクラビネットが効果的な「ドリフの英語塾」なんかもファンキーで面白い。
あと「ダウンタウンなう」で流れていた曲はドリフの曲「ドリフのほろ酔い小唄」だった、ってのはアルバム聴いて初めて知りました。これ1970年なんですけど、前年のズンドコ節に比べると、随分と土着的なアレンジであります。
余談ですが、サザンの「勝手にシンドバッド」というフレーズはドリフ・・・というか志村けん発だってのは初めて知りました。
「カセットテープ・ミュージック」の第一回がサザンの特集で、「勝手にシンドバッド」のことを話してて、そこでは「勝手にしやがれ」と「渚のシンドバッド」を合体させた、みたいなことだけが語られてて、それはまあ有名な話なので知ってたんだけど、それがドリフ発だったってのはこの回でも語られてないし、そんなに有名な話じゃなかったんですかね。でも映像が残っていて、Youtubeの時代ってすごいなぁと。
以下余談:
志村けんの代表ギャグの一つに「アイーン」ってありますが、あれって自分が子供の頃は全然聞いたことなくて、割と大人になってから聞くようになった。少なくとも昭和の頃は聞いたことない。いろいろ調べたら「おこっちゃやーよ」のポーズに岡村隆史がアイーンとネーミングしたらしい。リアルタイムでカトケン、だいじょうぶだぁを見ていた人は同じこと思ってるんじゃないかなぁ。「おこっちゃやーよ」は知ってるけど「アイーン」は知らないって。