"佐野元春との出会いは「ヒューヒューだよ」でお馴染みの「二十歳の約束」だった。ドラマは稲垣吾郎と牧瀬里穂が出ていたので話題性があったが如何せん、あまりおもしろくなかったので数回見てやめてしまったが、主題歌が佐野元春の「約束の橋」だったのである。佐野元春をはじめて聴いたのはこの時が最初だった"・・・・とずっと思っていたのだけれど、どうやらこれは全然違っていて、誰かが僕の記憶をコンプリケーション・シェイクダウンしてしまったようだ(意味不明)。
ドラマに合わせた「約束の橋」の再リリースが1992年の10月(もともとは「ナポレオン・フィッシュと泳ぐ日」に収録の曲)。高校1年生の秋。で、「Sweet16」が1992年の7月なのです。さらに、シングル「誰かが君のドアを叩いてる」は1992年の4月。僕はこのシングルは好きで聴いていたし、TV-CMで流れた「Sweet16」のサビがいたく気に入ってTSUTAYAに走った記憶がある。
自分の記憶では「二十歳の約束」で佐野元春を知って、その後「Sweet16」を聴いて佐野元春にハマったのだと思っていた。でも逆。「Sweet16」を聴いていたら、ドラマの主題歌になった「約束の橋」が大ヒットした、ってことだったようだ。
全部、高校1年の頃の話なので時系列がゴッチャになっていたようだ。どうも高校1年の時の記憶は曖昧だ。「いまいち、思っていた高校生活と違うな」と思って、あまり周囲と交流を持たずに、コミュニケーション・ブレイクダウンで、コンプリケーション・シェイクダウンだったからだろうか。高1は良いエピソードがなく、極個人的なものばかり。家でMSXで今で言うDTM紛いのことをやっていたり・・・。他人と絡まなかったせいで、第三者を交えた振り返りがなく、記憶が歪められていっているのかもしれない。
で、この頃少し佐野元春にハマったけど、「Sweet16」で止まってしまい、ビートルズに行ってしまったので、当時はこれ以上聴かなかったんですよね。10年くらい前にベスト盤を借りて、ちょこちょこ聴いていたけどどっぷりハマることはなく。
そしてナイアガラ・トライアングル Vol.2 で佐野元春に再会するわけです(リリース順からすると時系列グチャグチャですがリアルタイムでないのでしょうがない)。
僕の大好きな「A面で恋をして」ですが、これを聴いたのは割と最近なので、それなりに知識がある状態で聴いたのです。すると当然ながら「ああ、元ネタはバディ・ホリーのエブリデイだな」と即座に分かるわけです。作曲は大滝詠一さんですが、「バディ・ホリーをフィル・スペクター風にやりたかった」と言っているのを聞いて、「ですよね」と思いました。
バディ・ホリー自体はビートルズを通過すればおそらく聴いているはずだけど、「エブリデイ」はディープ・パープルのライブ盤「Nobody's Perfect」で知りました。「Woman From Tokyo」の間奏でワンコーラス歌うのです。ワンコーラス終わった後にリッチー・ブラックモアがすかさず「That'll Be The Day」のリフを奏でる、という。
で、バディ・ホリーの有名曲といえば、「ペギー・スー」ですが、このドラム・パターンを使った曲が「Sweet16」てな訳ですね。「ペギー・スー」もオリジナルを最初に聴いたわけではなく、ジョン・レノンのカバーを先に聴いています。このカバーバージョンの方が「Sweet16」に近い気がします。で、アルバムの方の「Sweet16」にはショーン・レノンとオノ・ヨーコが参加してるんですよね。
バディ・ホリーといえば若いころのエルヴィス・コステロのルックスがソックリです。
そのコステロも「Walking On Thin Ice」というオノ・ヨーコの曲をカバーしてるんですね。ちなみにプロデューサーは先日亡くなったアラン・トゥーサン。
で、コステロの盟友のピート・トーマスが参加したアルバムが佐野元春の「ナポレオン・フィッシュと泳ぐ日」という訳で「約束の橋」のドラムは多分、ピート・トーマス。いろいろ繋がってきました。
繋がりがイマイチ薄いのはディープ・パープルだけ!
そんな僕の最近のお気に入りの佐野元春のアルバムがThe Hobo King Bandを率いた「THE BARN」。レイドバックしたサウンドが当時あまり好評でなかったようですが、僕は最近こういうのが好きなので。コステロで言うと「The Delivery Man」とか「National Ransom」とかああいう南部的なスワンプっぽいサウンド・・・でもこれウッドストック録音なのか。全然南部じゃないけど質感的には南部な感じ。
※「BARN」が「BURN」だったらパープルとも繋がったのに・・・