知る人ぞ知る「カセットテープ・ミュージック」(BS12/BSトゥエルビ)が好きでよく見てます。
BS12って、個人的には割と見るチャンネルです。たまに野球中継やってるんですが、日ハムのビジター試合の時は副音声で近藤祐司さんが実況(というかただのお喋り大会の時もある)するので、思わず見てしまったりしてます。そのBS12でイカした番組がやっているんですが、それが「カセットテープ・ミュージック」。この番組を知ったのはまだ30分時代の「80年代山下達郎特集」の時でしたが、それから断片的に見てたりしてたんですが、最近は継続的に見てる感じです。
進行はマキタスポーツさんとスージ鈴木さん。それに元アイドリングの方々がアシスタントとして絡んでいきます。バカリズムが司会の「アイドリング!」は結構見てたので懐かしい顔ぶれ。
純粋的な音楽の話が多くて良いんですよね、この番組。
最近、自分は紙のメディアの「評論」にうんざりしているんですね。好きな雑誌は、ギター・マガジンとレコード・コレクターズだけ。この二誌は音楽的な純度が高いと思いますよ。
しかしながら、鎖国制度を使って排他性を極限まで極めてしまった結果、30年前から語彙が止まったままの某◯URRNとか。
自分語りが多過ぎるあまり居酒屋にいるオッサンとさして変わらない某〇キノンとか。
誰このミュージシャン?と思って調べてみたら、政治的党派性で推してるだけだったというオチの某◯ュージック◯ガジンとか。
音楽以外のことをごちゃごちゃ言い過ぎるライターが多くてウンザリする今日この頃。いや、たしかに、音楽以外の要素を知っておいても損はないというか、背景を知ってさらに楽しめるということもある。佐村河内騒動の時に「音楽的な要素以外は必要ない」と言っていた人もいたけど、自分はそうは思わない。そんな純粋主義ではないけれど、やっぱりバランスってものがあるでしょうと。
やっぱり音楽が主であって、周辺要素が従で有るべきではないのですかと。
「音楽的にはクソだけど、思想が好き」なら、音楽誌には要らないと思う。そんなの聴いても面白くない。
その点、この番組のこの二人は非常にバランスが良い。自分語りもあるし、社会情勢的な話とか、音楽業界的な立ち位置の話とかゴシップ的な話も無くはないんだけれど、あくまでも従であって、マキタさんはギターを抱えて、スージーさんはキーボードを置いて語ってくれるので、ガチで音楽好きな人が情熱を持って語ってるなぁと思うわけです。
で、今日はビートルズ特集の再放送。
ビートルズのエッセンスが込められている邦楽を特集するという回でしたが、いきなりユニコーンの「車も電話もないけれど」でした。
奥田民生はビートリーな曲が多いですね。日本のミュージシャンでも多いほうなのではないかと。
例えば、「ツイストで目を覚せ -Twistin' in Suits'85-」とか「デーゲーム」とか「いかんともしがたい男」、このあたりは中期〜後期のサイケデリックなビートリー。
ま、「デーゲーム」は「ガール」風のコーラスが入ってるからだけど、XTCの方が近いかも。
奥田民生的には、初期ビートルズって分かり易すぎてネタにしたくなかったんじゃないかと思わざるを得ないようなユニコーン時代。
でもやっぱり初期も好きなはずで、ユニコーン解散後には割とあります。
とは言えソロでやるのはまだ抵抗があったのか、PUFFYで趣味出しちゃいました的な感じ。デビュー作こそELOみたいだったけど、2作目の「これが私の生きる道」は完全にビートルズ。ビートルズよく知らない人でもビートルズって分かるくらいのビートルズ。マージービート&ハンドクラップ&デイ・トリッパー。
その次の「サーキットの娘」もビートルズ。これはアイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼアかな?
翌年は民生ソロの「股旅」で、「リー! リー! リー!」。これは良いですよ。「抱きしめたい」ですかね?ベースボールとビートルズと空耳アワーのフュージョン。野球ソング特集でこの曲が挙がらないのはどうかしてる。
2001年にはクルマ縛りのアルバムで「And I Love Car」というタイトルからしてビートリーな曲も発表してます。これはザ・マージービートな初期ビートルズって感じ。
あと、サザンは「東京サリーちゃん」が取り上げられていて、「I’m so tired」風と言ってたけど、全体的な雰囲気「ジョン魂」とか、「Watching The Wheels」みたいな匂いもある。あと、「Young Love」がかなりのビートリー。イントロはジョージ丸出しだけど、パーカッションのパターンは「恋のアドバイス」風、コーラスは「ひとりぼっちのあいつ」風。
BOXも出てましたが、杉真理さんと言えば、「Nobody」はこれまたかなりのビートリー。
少し前に取り上げたまりやさんの「マージービートで唄わせて」と「オン・ザ・ユニバーシティ・ストリート」もビートリー。
変わり種で言うと、フォークルの「帰ってきたヨッパライ」。この曲、なぜか中2の頃(1990)、友達との間で流行った曲で、たぶん友達の親のレコード棚にあったと思うんですが、その頃はビートルズをきちんと聴く前なので気づかなかったけど、改めて聴くと、間奏は「Good Day Sunshine」で、アウトロは「A Hard Day’s Night」。ビートルズの他にも「天国と地獄」と「エリーゼのために」が使われていて、このコラージュ感は同じ年に出た「All You Need Is Love」のような感じもします。
最後に、ちょっと趣旨は違うけど、ジョンの名前を使った二曲は僕のお気に入り。
真心ブラザーズの「拝啓、ジョン・レノン」と、ブランキー・ジェット・シティの「John Lennon」。
真心の方は、一周回ってビートルズに戻ってきた、という内容。BJCの方は、ジョンが死んだ時は興味がなかったけど今聴くとめちゃ良いじゃん、みたいな内容。細部は違うけど、なんとなくベクトルは近い感じがします。
John Lennon / Blankey Jet City