「イエスタディ」という映画が流行っているようで・・・見てないんですけど。
ビートルズがいなかったらどういう世界になるか、という映画で・・・まあ、見てないんですけど。
個人的には、BOOWYが居なかったら90年代以降の日本のロックシーンはまた一味違うものになっていたんじゃないかと思わずにはいられないのです。
BOOWYは解散してからしばらく経ってからも人気が下降せず、中学生の間での音楽の登竜門となっていた時期がある。BOOWYを聴かない人なんているの?みたいな状態。
そのせいか、時が経つと、BOOWYを聴くことが若気の至り的な感じで捉えられ、20歳前後でBOOWYを聴いてると「まだ聴いてんの?」みたいな言われ方をすることもありました。
「日本のロック」とか「ジャパニーズ・ロック」と評した本でBOOWYを一切取り上げない本が巷にありますが、敢えて無理やり避けてるようにしか自分には思えないわけです。
(そんな中、ミュージック・マガジンが数年前にBOOWYを特集したのは素直に評価したい)
そんなBOOWYですが、改めてBOOWYを聴いてみるとやはりクオリティがものすごく高い。公式にリリースされたものが、そもそもクオリティが高いのですが、驚きなのは、未発表曲のクオリティの高さですね。未発表と言っても、85年以前のメジャー再デビュー前にはライブで披露されていた曲で、単にスタジオレコーディングとして公式リリースされてない、という意味の未発表なので、ボツというのとはちょっと違いますが、それでもメジャー再デビュー以後は、レコーディングしなくても新曲だけでやっていける、と判断してリリースされていないわけで、そんな曲がハイクオリティってのがやっぱり驚きなわけですね。
解散後に公式リリースされた未発表曲は、
・OUT (MORAL+3)
・DAKARA(MORAL+3)
・LET’S THINK(MORAL+3)
・たった一度のLOVE SONG(BOOWY COMPLETE 「SPECIALS」)
の4曲がリリースされてますが、そもそもこれらがクオリティが高い。
「LET’S THINK」以外は、MORAL〜INSTANT LOVEの間っぽい音像で、パンク/ニューウェイヴの影響を受けた感じのサウンド。「LET’S THINK」はINSTANT LOVE以後のサイバーなサウンドで、アレンジもファンク色が濃くて、クオリティ高めです。
その他の未発表曲のタイトルは、「MORAL+3」のライナーノーツや、布袋寅泰の「Radio Pleasure Box」で確認できるものの、音源を聴いたのはインターネットの普及後。アングラなサイトで聴いてそのクオリティの高さ(と、音質の悪さのギャップ)に、愕然としました。その後YouTubeが普及すると簡単に聴けるようになり、隔世の感があります。
個人的に好きな未発表曲はこれ。
・MIDNIGHT RUNNERS
これは、ロンドン公演の映像がDVDとして公式リリースされてはいるんですが、スタジオ音源としては存在しないですね。この曲のビートは、「ズッズタッタズッズタッタ」みたいなアイアンメイデン…いや、KISSの「Detroit Rock City」の方が近いかもしれない。それをさらに高速にしたビートが「アフロカビリー」という解釈で良いんですかね?
この曲はブレイク前の時代の代表曲という位置づけだったようで、そのせいか、メジャー再デビュー後は封印してしまった模様。ただ、普通に良い曲なのでもったいない。でも仮にこれが封印されてなかったとして、LAST GIGSのセットリストに入るのは何か想像できない感じはします。おそらく布袋曲。
・MIDNIGHT DATE
なんとなくですが、氷室作曲じゃないかという気がします。氷室曲は、BOOWY時代は特にメジャー/マイナー問わず歌謡曲テイストが濃い曲がたまにあります。CHU-LU-LUや唇にジェラシーはマイナー調の歌謡曲。FUNNY BOYや、CLOUDY HEARTもその類。ちなみに、わがままジュリエットは、それよりもややAOR寄りで歌謡曲っぽくはないかな?メジャー寄りの歌謡曲は、ハイウェイに乗る前に、ですかね?この曲はその類なのかな?と。アイドル歌謡みたいな感じですね。
多分これがオクラになったのは、Dawnの「幸せの黄色いリボン」に似過ぎだからではないかと。それと、これが「ホンキートンキークレイジー」や「Plastic Ocean」などの曲に昇華していったからだと思われます。「Plastic Ocean」には「幸せの黄色いリボン」と同じメロディがありますね。ちなみに「幸せの黄色いリボン」は、ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」にも似てる気がします。
ちなみに「Plastic Ocean」好きなんだけど、レコードにも入らなかったし、ライブでも披露されてないし、冷遇っぷりが半端ないです。
・ATOMIC CADILLAC
これも氷室曲なんじゃないかなぁと。アイドル歌謡路線で、オクラになった中でもかなりキャッチーなメロディ。これは、オクラになった理由が本当に分からないくらいの名曲ですね。個人的にもこれが未発表の中で最も好きな曲です。Bメロの「アフロカビリー」なリズムパターンも心地よい。このリズムパターン、後期になると減少するのですが、1985年頃はやはり多く、公式リリースされた中でも「”16”」や「黒のラプソディ」などがあります。
・PUSSY LADY
氷室曲ですね。これもアイドル歌謡路線で、簡単に言うと「ハイウェイに乗る前に」のベースになった曲ですね。なので、オクラになったと言うよりは、別の曲に変わった、という感じでしょうか。でも、この前身バージョンも良いんですよね。
リフは、Squeezeの「In Quniessence」に似てます。
・IN MY HEAD
布袋作品だと思います。ライブのオープニングで演奏されることが多かったようで、オクラになった理由はおそらくエルヴィス・コステロの「No Action」に似てたから。
ただ、メロディというよりは曲構成とアレンジが似てるだけかなと。特にドラムですね。でもやっぱり名曲なので何らかの形でリリースして欲しかったですね。
しかし、「No Action」のドラムはそもそも、Deep PurpleのBURNを思い出します。(影響は受けてないでしょうが・・)
ちなみに、Helloweenの「Eagle Fly Free」は「Burn」のドラムに影響されたそうな。
その他「DO YOU WANNA DANCE」、「BOOGIE」、「MARIONETTE」などもあるんですが、それは割愛。悪くはないけど、それらはやはりオクラかな・・・。