最近良かったのはウルフルズのニューアルバムである。
一番気に入ったのは、アルバム発売日周辺にプッシュされていた「ロッキン50肩ブギウギックリ腰」である。やっぱりファンキーなウルフルズ良いなあ。上手いなあ。痛風が歌詞の中に入ってるのも良いなあ。アルバム全体が70年代ファンキーサウンドでかなり好みだ。
(それで、ここから下の文章は今年の5月くらいに下書きとして書いたまま塩漬けにしていたものである。公開にしようと思ったんだけど、ウルフルズのニューアルバムが出そうだったので、それまで待っていた。そのため、好きな曲にロッキン50肩は書かれていない。)
自分がウルフルズという存在を認識したのはブレイク寸前の1995年頃だったと思う。まだ「ガッツだぜ!!」がリリースされる前だ。
1995年頃、麻生にあった玉光堂というCDショップで、ウルフルズがプッシュされていて「大阪ストラット」「Sun Sun Sun '95」のPVが繰り返し流れていた。「借金大王」も流れてたかもしれない。
当時、僕の行きつけのCDショップだったこの店に長時間入り浸っていたため自然と曲とPVが刷り込まれていたのである。「大阪ストラット」の通天閣が出てくるPVや、「Sun Sun Sun '95」のPVには渡辺満里奈が出ていたのでよく覚えている。今になってよくよく考えるとプロデューサーの伊藤銀次さんも出演していた。
だからHey Hey Hey! Music Champのコーナー「だれやねん」でウルフルズが出た時も「あー!このバンド知ってる!」となったわけ。ただ、CDを買ったり借りたりとかはしてなかった。
その後、「ガッツだぜ!!」と「バンザイ」で一般認知が進むくらいブレイクするけど、当時若くてへそ曲りだった自分は、カラオケに行って誰もかれもが「バンザイ」を歌うのに辟易してしまって、熱心に聴く気がさらに失せていた。
別にウルフルズが嫌いではなかったし、トータス松本というボーカリストも声量が凄くて好きだったので、テレビに出てたら見てた、くらいの感じで接するバンドだった。「かわいいひと」「あそぼう」あたりになると、曲は知っていても、リアルタイムでの印象はほぼない。
こういう感じでウルフルズへの接し方が続いていたが、「あれ?けっこう好きだな。」になる転機が訪れる。
自分が最初の会社を辞めて、次の会社に入った頃の話だ。その事務所では常にFM NORTHWAVEが流れていた。そこで聴いたのが「暴れだす」。良い曲だな。誰だろうと思っていたら、なにやらトータス松本っぽい声だ。それはウルフルズの曲だった。他には「サムライソウル」が出た時もかなりの頻度でラジオから流れていたのである。ウルフルズって、こんなアツい曲を書くのかと妙に感心した記憶がある。
近頃のウルフルズ、名曲出し過ぎだろ!と思っていたら、当時新進気鋭だったアンガールズがネタの中で、ウルフルズのベスト盤が最高みたいなことを言ってて、それが妙に心に残っていて、「そうか~、やっぱりきちんと聴くべきか~」と思ってベスト盤を借りて、やっと真正面から接した、ということになります。つまり間接的なキッカケにアンガールズも関わってるわけです。ありがとうございます、アンガールズ様。
あと、当時欠かさず聴いていた「松本人志の放送室」の影響も大きく、「情熱 A Go Go」も良いなあ、と。(なぜかベスト盤からはオミットされているけど・・活動休止直前の曲だからかね?)
その「けっこう好き」な状態のまま、なぜか活動休止状態になったのだが、ウルフルズが活動休止を発表する前に、ユニコーンを再結成したばかりの奥田民生からトータス松本に「一度解散すれば楽になるよ」とか言っていたんだった。これってユニコーンの再結成特番かなんかでしたっけね?それが2009年の初頭で、活動休止が2009年夏だったので民生の発言が効いたのかなと思っていた。
そして月日は流れ、2014年にウルフルズが復活。だけど、正直言うとあまり新譜を聴く気にはなっていなくて、サザンもそうだけど活動休止から復活まで結構短いな、とか思っていたりしました。ユニコーンなんか16年経っていたし・・・。
だけどつい最近になって「One Mind」を聴いたら結構、というかかなり良いということに気づき、「けっこう好き」から「かなり好き」になった、そういうバンドになりました。
そんな感じで、僕の好きなウルフルズの十数曲。
・大阪ストラット
ご存知大滝詠一の福生ストラットのカバーですが、カバーと言っても大幅にアレンジし直してて別の曲と言われても気づかないかも。この頃のバンドの勢いを感じる一曲。後半、ドクタージョンのアイコ・アイコになってる事は、レコード・コレクターズを読んで気付きました。「あれもこれもあんで~」のトコですね。アイコ・アイコがハンド・クラッピング・ルンバの元ネタだってことでリズムに耳が行き過ぎてて気づかなかった。
・ガッツだぜ!!
言うまでもなく大ヒット曲。前述の通り、「借金大王」「大阪ストラット」「Sun Sun Sun」の後のシングルなので、「へぇ、こういう曲もあるんだ」と思った記憶あります。好きなのは途中から登場するシーケンシャルなギターリフ。この手の、バンドが演奏するディスコチューンで思い出したのが、チャットモンチーの「シャングリラ」。
・バンザイ ~ 好きでよかった ~
この曲が好きになったのは極々最近です。ガキの使いの大晦日特番でトータスの替え歌を聴いてから。これもウルフルケイスケのサビで鳴っているギターワークが好きなのです。
・サンキューフォーザミュージック
まず、タイトルが良いですよね。ダウンビートがモータウン的な香りがして、コステロのゲット・ハッピーが大好物の自分には大変好みの曲です。途中サイケ期のビートルズ(というかオアシス??)みたいですけど。
・ヤングソウルダイナマイト
この曲はリアルタイムでは知りませんでした。後になって聴きました。完全に「銃爪」ですね。よく聴くと世良公則と声が似ているなあと。あと中村雅俊の「恋人も濡れる街角」にも似ています。これは1999年発売ですね。なるほどサウンドの雰囲気は確かに1999年です。
・笑えれば
歌詞が好きです。「誰もが みないつも 満たされない思いを胸の奥に抱いたまま 歩き続けてゆく」。あと転調の箇所もいいですね。
・ええねん
ジョンBチョッパー復帰時に彼に向けて歌った(んですよね?たぶん)、循環コードの掛け合い青春パンク。いや、本当にウルフルズはジャンルが幅広い。最近結婚式でも良く使われるみたいですね。僕も5年くらい前に知り合いが余興で演ってるのを聴きました。
・愛がなくちゃ
ウルフルズのバンド名はKC&サンシャインバンドのジャケットに「ソ/ウルフル」と書いてあったのがだそうで、「ガッツだぜ!!」も「ザッツ・ザ・ウェイ」のパロディを作ったのが始まりだそうです。とは言え、ソウルっぽい曲はウルフルズのホンの一面に過ぎなく、ごった煮ジャンルのバンドだと思います。そんなウルフルズの「ソウル」風味を凝縮した曲ですね。70年代の匂いを感じます。で、これずっとシングルだと思ってたんですけど、シングルじゃないんですね。でもPVはあるという。
ウルフルズらしいバカ・ファンクナンバー。語りも含めてカラオケで完コピしたくなる。最近、バイバーのCMで使われてましたが、それほど知名度のある曲でもないので、元ネタわからない人いるのでは?と少し心配になりました。
・暴れだす
シリアス路線の最高峰の曲だと思います。こんな曲あるんだ!すげえ!って感じです。
・サムライソウル
これも青春クサクサ系の名曲。ラジオで聴いてすぐに好きになった。これ、ちなみにチャットモンチーの橋本さんが「あさひるばん」という一人ユニットでコピーしてたりします(チャットモンチーのDVDに収録)。この曲演ってるのを聴いて、ちょっとビックリ。バンザイもコピーしてました。
・情熱 A Go Go
ストレートな熱々ソング。これ、ライブでも当時はやっていたけど、それっきりだし、ベスト盤からも漏れているし、あまり気に入ってないのかもしれませんが、僕は好きです。この曲のしばらく後に活動休止しているってのもあるのかな?「赤盤」のラストは「サムライソウル」ってのもなんか気になりますね。
・あーだこーだそーだ!
再結成後のアルバムの1曲目。サビラストのコード進行が好き。復活後の曲ということで、まだまだ良い曲書けるんだ!と嬉しくなった一曲。
・あついのがすき
活動休止直前のDVDに収録されていて「One Mind」はRe-Recordingになりますが、この曲好きですね。かなり好きです。再録された方が好きです。
おわり。