俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

ただの雑記 2020.1

yoasobi の 「夜に駆ける」は去年の夏くらいからうちの子供たちが普通に歌ってて(小3と幼稚園児)、確かにヒットしてるなぁという感じでした。

 

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確かその一年前は「パプリカ」とかその前は「USA」とかが子供の間では流行ってて、それらに比べても、子供たちの間で流行る曲がこの1年でかなり高度になってきたなぁという実感があります。「パプリカ」はいかにも子供向けにヒットを狙いました、って感じで譜割りが童謡みたいな感じですが、「夜に駆ける」は、それとは真逆な感じで、こんな早口で複雑な曲、子供が普通に歌いこなせてるのが不思議でしょうがないです。子供たちが歌詞とメロディを覚えてるのを見ると、なんかゲームやってるみたいに覚えてるんですよ。複雑な曲を覚えるゲーム。

 

ちなみに僕はテンポの速いオリジナルよりもFirst Takeのちょっとスローな方が好みではあります。

 

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最近は yama の「春に告げる」を覚えてるみたいです。これも難しい曲ですね。ちなみに父である自分は「ずっと真夜中でいいのに。」にハマってる。

 

最近流行ってるこれらの曲の傾向としては、全体的にコード進行も7th多用したような感じだし、アレンジもカッティング主体で、5年くらい前からのネオシティポップの密かなムーブメントがマスに流れてきたってのは確実にあると思ってます。

例えば、Awesome City Clubとか、Lucky Tapes、nulbarich、Yogee New Waves、Shiggy Jr. などなど。あ、髭ダンもそうですかね。「Pretender」のヒットでこういう音楽が復活したってのもあるかも。ceroとかNever Young Beach とはまたちょっと違う感じではありますが。

 

個人的には好きな路線なので良い傾向だとは思ってはいます。湘○乃風とか、ファ○モンみたいなのとか、やけにBPMが速い和風メロディの曲とか、ハイスタの劣化コピーみたいなメロコアが流行ってた頃よりは大分自分の好みに近い(ハイスタ自体は好きだが)。

 

で、マキシマムザ亮君と、yoasobi の ayase が対談している動画を見つけまして、なんでも ayase は、ホルモンに影響を受けたんだとか。ナヲの子供は「夜に駆ける」が好きで聴いているんだとか。やっぱり子供にアピールする何かがあるんですね、あの曲には。ちなみに、yoasobi の二人は、aiko のファンでもあるそうでそこも自分と気が合います。

 

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で、亮君のバックボーンについて ayase が聞くんですが、「アニソン」と答えます。「「アニソン」って具体的に何のですか?」と聞くと「ハイスクール!奇面組の・・・」と答えます(感嘆)。

予襲復讐」のマンガでも「うしろゆびさされ組」が凄い、と書いてましたが、本当に好きなんだなと。一番最初に上がってくるのが「奇面組」なのかよと。

 

亮君って自分より二つ年下なんですね。奇面組のアニメが一世風靡していたのって、ちょうどおニャン子クラブの頃と同じくらいなので1985年〜1987年あたりなんです。亮君が小学校低学年の頃かな。自分が小学校の頃に最も好きだったマンガは奇面組でした。JCも全部持ってたし、アニメも見ていました(途中からだけど)。

 

ま、「うしろゆびさされ組」「うしろ髪ひかれ隊」がアニソンと言われると厳密に言うとなかなか微妙なところで、そもそも「うしろゆびさされ組」は、奇面組の女性キャラ二人をイメージして組んだユニットで、デビュー曲から奇面組とタイアップしていたのでアニメありきのユニットではあるんですが、歌詞の中に「奇面組」というワードが出てくるわけでもないので、アニソンかと言われると、半アニソンみたいなところがあって。「とっても大好きドラえーもん」は完全アニソンですけど、こっちはなかなか微妙。

この頃に並行して好きだったのがシティハンターで、TMネットワークの「Get Wild」がエンディングで流れるんですけど、これもアニメありきでのオファーなので、エンディングに合うようにイントロを作ったそうです。ただ、これをアニソンって言う人は殆どいないと思います。

(今度、アニソンがアニソンで無くなった時期を調べてみよう)

 

ちなみに私はイヤホンのサウンドチェックに「渚の『』」を使ってます。12弦ギターがきれいに聴こえたらOK。

 

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で、亮君はその後、中学に入って、ガンズ、スキッド・ロウボン・ジョヴィなどが流行ってたので聴いていて、グランジが出てきてニルヴァーナを聴いて、メロコアが出てきたのでそれも聴いてて、みたいなことを言っていて、完全に同世代だなと。

 

同世代じゃないとこういうの分からないんですよ。雑誌で読んだ知識で喋ったりするんですね。

90年代中頃、同じ年の人が「俺は70年代までの音楽しか聴かない。80年代の音楽は商業主義に走ってダメだ。」とか言ってたんですけど、幼稚園〜小学生の人がリアルタイムで洋楽聴いてたんかなーと疑問に思ったことがあります。大貫憲章の受け売りだなとその時思ったんですが。

あと、自分とほぼ同じ年のある学者が、「荒井由実のまま夭折すべきだった」とか言った人が弁解で「荒井由実時代が心底好きだったからがっかりした」とか言っていたけど、本当かなーと思うんですよね。「恋人がサンタクロース」「リフレインが叫んでる」が僕らの時代のユーミン松任谷由実)であって、実はもともと荒井由実だったって知ったのは「魔女の宅急便」の「ルージュの伝言」ってのが僕らのスタンダードだと思う。もちろん、そこから遡って聴いた人もいただろうし、家庭環境的にユーミンが流れていた人もいるだろうから、別にウソだと言う気はないけど、なんか高尚な感じがするから言ってるんじゃないの、と思ってしまう。みんな捏造するんですよ。今評価されているものを、あたかも昔から聴いてきたかのように言う。その方が箔が付くから。

 

例えば60〜70年代の音楽シーンなんかは、ブリティッシュ・インベンションがあって、モッズカルチャーが台頭して、ヒッピーカルチャーが出てサイケになって、ハードロックとグラムロックが出てきて、70年代中盤にはパンク/オルタナが出てきて・・・とか文献では知っているんだけど、これは机上で得た知識。これをあたかもリアルタイムで見てきたかのように言っても絶対どこかでボロが出るはず。音楽はロックだけじゃない。ロック史だけで語ると80年代頭にロックとディスコビートが融合したような曲がどうして出てきたか分からないわけですよ。


90年代って特に各ジャンルの仲間意識と排他性が強くて、各ジャンル内でしか歴史が語られない気がします。どのジャンルも歪んだギターでバンドやってるのは同じなのに妙に仲悪い…。ま、B誌やロキノン誌あたりが他ジャンルへのリスペクトが無さすぎるのが原因だと思うけど。他ジャンルを見下してるのが誌面から透けて見える。で、そういう本を読んでると思想的に影響受けて、他ジャンルを見下してしまう。

 

(これを書いてる間にも元ロキノンの某ライターが yoasobi 貶してて、タイムリーツーベース)

 

なので、ハードロックだったらハードロックだけの歴史として後世に残ってしまう。でも実体験としては、ハードロックもグランジメロコアも聴いている人もいたわけで(そもそも自分がそうだし)、こういう話ができる人ってのは実体験がある人ならではだなと思います。

 

僕がいた大学の軽音楽部はメタル色が強く、メタル以外認めないみたいな人もいたんですが、自分はコステロも聴いていたし、グランジメロコア聴いてた人もいたし、カーティス・メイフィールドとかアイズレーが好きな人とか、ブランキー・ジェット・シティが好きな人もいたし、そんな人達と交流していたら、ごった煮になりました。

 

なので、ホルモンを初めて聴いた時(2006〜2007年頃)に、同じ位の年の人なんだろうなと即座に思ったんです。モダン・ヘヴィネスメロコア融合するなんて、同世代に違いないなと。そもそもモダン・ヘヴィネスって単語がリアタイ世代しか使わない。

 

まとまりがない文章になってしまった。ただの雑記です。

 

まあ簡単に書くと「夜を駆ける」はうしろゆびさされ組がいないと産まれてなかったかも、というお話です。

 

で、後藤次利は何を聴いてミュージシャンになったんだろう… (ウィキペディアによるとビートルズベンチャーズと書いてあるが・・・)