俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

氷室京介の20曲

小室哲哉のベストを決めたのに、小室哲哉以上に影響を受けた氷室京介のベストを決めていなかった。

 

氷室京介は名前だけ知っていたけど、リアルタイムで氷室京介の曲を聴いたのは「Jealousyを眠らせて」でした。1990年、中2の頃。でもこの時はまだ氷室京介というソロミュージシャンがいる、という認識であって、元BOOWYということは全く知らなかった。つまり、氷室京介はソロになって2年程で元BOOWYということすら全く感じさせないくらいの活躍をしていたというわけなんですね。当時はウィキペディアどころか、ネットすらない時代なので、バイオグラフィーなんてのは、たまたま雑誌に載っていれば見れるけどいつでも見れるものでもない。BOOWYの人だと知ったのはそれから半年が経った辺りで、「夜のヒットスタジオ」の最終回SPで流れたBOOWYの映像を見た時でした。そこからTMネットワーク一辺倒だった僕の音楽生活がBOOWY中心になる訳で、そこから洋楽に触手が伸びていくので、どう考えても未だに音楽を聴き続けている要因にBOOWYがあったのは間違いありません。

 

2018年時点でのベスト20曲を選びました。おそらく20年前に選んでいたら全く違う選曲になっていたと思います。年食って自分の趣味が変わった上でのベストです。

 

1. Lover’s Day (1990) [Single - Jealousyを眠らせて C/W]

「Jealousyを眠らせて」というシングルは奇跡的なシングルで、ビート・ロックの最高傑作とバラードの最高傑作が1枚の8cmシングルに同居していたんですね。このシングルを聴いて人生が変わったと言っても良いくらいです。ちょっとしたトリビアですが、実はこの曲1コーラス目のAメロ「雨に煙るダウンタウンロード~」と2コーラス目のAメロ「遠回りのマイライフ~」のキーが違うんですね。2コーラス目がなんと1音下がってるんです。しかしサビはつねに同じキーなんですね。結構珍しい構成なんですが、あまりにも綺麗に流れるんで最近までまったく気付いてませんでした。

 

 

JEALOUSYを眠らせて

JEALOUSYを眠らせて

 

 

2. Jealousyを眠らせて (1990) [Single]

そしてこれが表題曲。BOOWY時代の曲、布袋曲含めてもビート・ロック系だと最高傑作だと思います。サビ裏で鳴っているシーケンシャルなギターリフが好みでギター覚えたての頃、耳コピして弾いてました。最近気付いたのですが、ギターソロが佐橋佳幸さんだったんですね。じゃあ僕が夢中になって弾いていたサビ裏リフも佐橋さんなのか?というのが研究テーマです。

 

3. Crime Of Love (1991) [Single]

氷室京介ぴあの本人インタビューによると人気ないらしいんですが、僕は好きだったんですね。未だにかっこいいと思います。特に好きだったのがドラム。タムを絡めたミドルテンポの16ビートがかっこよかった。中2の時、この曲で初めて生ドラムの16ビートのリズムパターンを意識したんですね、僕は。それまで8ビートしか聴いたことなかった。なんてカッコイイんだと感動した記憶があります。

 

4. Rhapsody In Red (1989) [Neo Fascio]

同じ曲でタイトル歌詞アレンジ違いの「Rhapsody In Blue」という曲もありますが、そちらはシャッフルリズムのロックアレンジですが、こちらは裏打ちのレゲエ風アレンジ。僕の友人はスチールドラムが入っているからカリプソじゃない?と言っていました。上モノはカリプソで、リズムはレゲエが強いなと思います。それはともかく、氷室京介でこういう可愛らしい曲は結構珍しい。氷室版の「オブラディ・オブラダ」と言っても良いんじゃないでしょうか。ソロ・デビューから1996年頃まで割と実験的な曲があってだからその頃の曲が僕は好きなんですね。それ以降は結構ジャンルを絞った感があって、悪くはないんだけどちょっと道を踏み外しても良いんじゃないかなと思ったりもします。

 

5. わがままジュリエット (1986/BOOWY) [Single]

知人がよく「Cloudy Heart派かわがままジュリエット派かどっちだ?」と詰め寄ってくるんですが、毎回「ジュリエット」と答えてます。コード進行が好きだし、布袋寅泰のギターソロも最高の出来です。で、ライブの度にギターソロが全然違うんですね。2コーラス目のAメロで出て来る氷室のファルセットも最高です(ただ、ライブでファルセットしているバージョンは聴いたことない)。バラードと言うほどバラードでもないし、かと言ってビート・ロックではない、不思議な浮遊感を持った曲。かなり有名な曲ですが、この不思議な曲がヒットしたというのはなかなか謎ですね。

 

6. Summer Game (1989) [Single]

アンコールの定番。シンプルでわかりやすいビート・ロック。ただそれだけ、それだけでも良いんです。

 

7. Good Luck My Love (1992) [Single]

これ結構不遇な曲で、僕は名曲だと思うんですが、人気がないのか本人がやりたがらないのかライブで殆どやってない。シングルとアルバムではピッチが違います。それも半音とかじゃなくて、1/4とか1/8とかそういう細かいレベルで。謎です。

 

8. Pleasure Skin (1996) [Single - Squall C/W]

昔なら選んでなかったでしょう。おそらく世間的な人気もないんじゃないでしょうか。でもイントロのブレイクビーツから大量のホーンを交えたアレンジが格好良すぎる。佐橋さん最高っす。

 

9. Velvet Rose (1991) [Higher Self]

リアルタイムで聴いてた時はダルくて飛ばしていたんですが、ある時急激に好きになった曲です。多分、当時は奥行きが深く、モヤがかかったようなアレンジのせいで曲の骨格が分かりづらくて難しいなと思って飛ばしてたんでしょうね。

 

10. Urban Dance (1992) [Single]

これもシングルでリリースされた時に「サビどこだよ」と思って不満があった曲ですが、ある時から急激に好きになります。AOR的なものに抵抗がなくなったからですね。そもそも氷室ファンの95%くらいはAORに興味がないだろうからしょうがないと思いますが、当時の僕もそれで、この曲を駄曲扱いしてました。氷室自身は1996年にほぼAORなアルバムをリリースしますが、その布石がこの曲だったんじゃないかという気がします。

 

11. 黒のラプソディ (1985/BOOWY) [BOOWY]

BOOWYで忘れられた名曲というばコレです(笑)。ちょっと猥褻な雰囲気が素晴らしい。

 

12. CHARISMA (1989) [Neo Fascio]

Neo Fascioというアルバムも、ちょっとステロタイプな氷室像からはかけ離れてるんですね。アルバム全体的が実験的です。なので当時はあまり好きじゃなかったんですが、色々聴いて戻ってきて聴いてみるとかなり良い。布袋寅泰にあったファンクネスが氷室京介にはあまりないんですね。このアルバムは例外で結構ファンクよりなアレンジが多かったりします。だから好きなのかもしれない。

 

13. ESCAPE (1989) [Neo Fascio]

CHARISMAで書いたのと同じです。ドラムパターンが好きですね。

 

14. Don’t Ask Me (1986/BOOWY) [Beat Emotion]

氷室京介布袋寅泰を結びつけるルーツにデヴィッド・ボウイエルヴィス・コステロというのがあると思うのですが、そのコステロ趣味が出たのがこの曲。ちなみに布袋寅泰コステロ趣味が出てるのが「Only You」「サレンダー」「Destiny Rose」あたりだと思います。あと「In My Head」なんてのもありますが公式リリースはされていません。

 

15. Still The One (2000) [Mellow]

これも個人的にコステロ趣味が出てると思ってます。それも初期コステロではなく、ワーナー以降のコステロって感じがします。

 

16. Stay (1996) [Single]

これ氷室京介本人が作った瞬間に売れると思った、と言っていたんですよね。でもそんなに爆発的なヒットというわけでもなく。「Kiss Me」はメチャクチャ売れましたけどそこまででもないんです。でも僕もCMでサビだけ聴いて、これは「Kiss Me」超えるかもと思ったんですが、全然でしたね。僕は未だに好きです。

 

17. 唇にジェラシー (1985/BOOWY) [BOOWY]

初期氷室の曲は歌謡曲要素が多分にあって、それがBOOWY後期あたりから急激に薄まるんですが、歌謡曲路線では一番好きなのがコレ。

 

18. Virus (2003) [Follow The WInd]

パンテラとまでは行かないけど、グルーヴィーなヘヴィロックを志向したのはこの曲が初めてだったんじゃないでしょうか。一聴してカッコイイと思いました。

 

19. Black-List (1991) [Higher Self]

とにかく演奏がカッコイイ。サックスに本田雅人氏。「Higher Self」好きだなぁ。その中でも少しだけ黒っぽいのがこの曲。

 

20. Give It To Me (1982/BOOWY) [Moral] 

これねぇ。氷室狂介時代の歌詞はかなり過激でまさにパンク時代なんですが、この曲が特に印象的で「体がなきゃ誰がお前を 愛さえなきゃうまくゆくのに」とか、個人的には「MORAL」以上にすごい歌詞だと思ってたんですが、いま改めて再解釈した僕の結論としては、後腐れないようにというか、未練残したままで別れるとお互いつらいので敢えて酷いこと言ってるんじゃないかと思うと、素敵な歌詞ですね。「嫌いと言うしかなかったよBaby」(I Love You, SAYONARA/チェッカーズ)ってとこでしょうか。