我が人生にサブスクは不要である


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これを読んでかなりモヤモヤしてしまった。

 「売れりゃいいとか、客来ればいいとか、盛り上がってるかとか、それは集団騒擾。音楽は音楽でしかないのに。音楽として何を伝えるか。それがないと、誰のためにやるか、誰に何を伝えたいのかが、自分で分からなくなる。表現というのはあくまで人へと伝えるものなので」

 ひとつの解釈としては充分に成り立つし、好きなアーティストがそう感じているのであれば、私たちもそれを理解する必要がある。だが、大前提としてそれはひとりでも多くの人に伝わらなくてはならない。

ここがちょっと分からない。
「ひとりでも多くの人に伝わらなくてはならない」っていう結論にどうしてなるのかなと。その前に「誰のためにやるか」と言っているので、ターゲットはできるだけ広く、ではなく、聴かせたいターゲットがきちんといるわけです。

自分は達郎ウォッチャーなので分かっているつもりですが、少なくとも自分の音楽を広く聴いてほしいとはあまり思ってないことは明白。売れたかった理由はスタジオでもうワンテイク取りたかったから、ということですし。

本人は「誰のためにやるか、誰に何を伝えたいのか」が重要であって、そこを明確にしないとブレる、ということを言っている。
ま、これは大昔からインタビューで言っていることで、(80年代のサウンド&レコーディングをこの前読みましたが、そこでも言っていた)この前の関ジャムでも言っていたけれど、彼は同世代の人に向けて作っている。
ラジオなんかではメインリスナーなんて呼び方をしていたと思います。

最近も言ってました。
news.yahoo.co.jp

「僕は“同世代音楽”でやってきて。吉田拓郎さんがお客さんに『あんたたちも年取ったよね』と言っていたけど、僕のお客さんも割と近くて。90年代からいつやめようかとやってきて。幸運なことにまだ現役でやれているのは、お客さんが来てくれるから。お客さんは、呼ぶんじゃなくて来てくれるんです」


なので、おそらく自分の音楽を「ひとりでも多くの人に伝わらなくてはならない」なんて微塵も思っていないでしょう。海外進出の話が来たときもそういう理由で断ったと言うし。

しかし、現実問題として山下達郎のリスナー層は同世代に留まっていないのも事実。過去の曲が古さを感じず、ほとんど時代を感じさせない作りになっていることに加え、昨今のシティ・ポップブームで若い人にも裾野が広がっている。サブスク解禁してなくてもこうなんですよ。もうあえてそんなことしなくても勝手に広がっている。現にシュガー・ベイブがデビューした後に生まれた私は二回りくらい下の世代なのだけれど、それでも勝手に刺さってサブスクなんかなくたって勝手に聴いているわけでして。ま、それでも引っかからないならそれは縁がなかっただけのことで取り立てて騒ぐほどのことでもないかなと。

ちなみに、山下達郎のコンサートは確かに年配の人ばかりです。若い人はかなり少ない。パッと見た感じ3%くらいじゃないかな?ライジング・サンに来た時はもうちょっと多くて20%くらい。でも深夜のライジング・サンでも年配の方で埋め尽くされてました。山下達郎はこういう人の為に音楽を作っているんだなと。SNSで達郎ファンの方と付き合いはありますが、全員私より年上です。同年代、年下の人はいません。

ちなみに、私はサブスクやってないです。少しやってたこともあるけど使わなかった。月額980円だけど、全く使わないのに年間11,760円は高い。学生さんなら半額なので自分が学生なら契約していたかもしれないですが。
僕が使っているのは iTunes Match というやつで、まあ Apple Music についてくる iCloud ミュージックライブラリだけ切り出されたやつです。
ただ、サービス提供された時期は iTunes Match の方が早かったんですが。 iTunes Match は10万曲登録可能なんですが、今のところ7万弱。まあこれから年に1万曲増えるとかそんなことはないでしょうからこれで足りるはず。
昔は25,000曲上限だったのでキツかったですが、10万あれば十分です。これで年間3,980円。
CDを取り込んで iCloud ミュージックライブラリにアップするだけ。なので基本的にMBAに外付けCDRドライブを付けて取り込むだけの簡単な作業です。
この記事のライターさんはすごく大変だと書いていたけど何が大変なのか私にはサッパリです。

そもそも自分のライフスタイルと合わないんですよ。サブスクって。色々理由はあるんですが。

まず、サービス側が提供しているソースと、自分が聴きたいソースが合わない、というか、圧倒的に足りないと思っている。
Spotifyは7000万曲あるのに足りないってか?」
そういうことじゃないんですよ。自分が日常的に聴いている曲がそこにはないということですね。
例えば、山下達郎がないことはもちろんそうなんですが、他にもホルモンがないとかSMAPがないとかブルーハーツがないとか・・・。
山下達郎でも僕が聴いているのはサンソンのエアチェックで流れたライブソースだったりするので、そんなものは、山下達郎がたとえサブスク解禁したってあるはずがない音源なわけです。
あと、大滝詠一はサブスク解禁されてますが、あれって発売当時のメイントラックのみで、リイシューで大量に入ったボーナストラックはオミット。
エルヴィス・コステロのリイシューも同じですね。全オミット。
あと、なんかカバー・アルバムなんかでも、許諾が下りてないのかなんなのか分かりませんが、謎に配信されてない曲ありますよね?ああいうのも解せない。

海外ミュージシャンのアーティスト名がカタカナだったりああいうのも気持ち悪いし、レコード会社によってルートが分かれてるのとかありますね、野狐禅とか…。こういうテキトーなのもイヤ。

で、中央コントロールなので、配信停止措置なんかもサービス側次第なところがあって・・・。
例えばなんかの不祥事を起こすと配信停止になったりしますね。その度に、音楽に罪はないとかそういう論争が起こりますが、日本の会社は配信停止にしてしまう。
それがイヤ。
CDだって出荷停止になるじゃないか、とか言う人がいるかもしれませんが、そもそもファンなら音源なんてすでに持ってますよ。
CDもってなくても、レンタルやらiTunesストアやらでデータで持ってるはず。
不祥事起こした途端にCD欲しくなる人なんて激レアマイノリティもいいところです。

そもそも、CD→サブスクの間にダウンロード配信ってのがあったと思いますが、あれ最近忘れられてますね。
別にそれで配信しても良いのかなという気はしますが。
僕の場合、物理的なパッケージが手に入らなかった場合は、やむなくダウンロードで買うことはあります。
あと、アルバム全部じゃなくてその1曲で良いや、という場合とかですね。
でもパッケージとダウンロード同時で出るなら、パッケージを買いますね。
ジャケットが欲しいのもそうですが、作詞作曲クレジットや、演奏者を確認したいとかライナーノーツを読みたいとか。
そういうニーズをダウンロードとかサブスクは解決してくれない。

まあでも、全く聴いたことがないアーティストがどんなもんか聴いてみる点では良いところもあります。
ただ、それに年間12,000円も払うのか、というところですね。

それにしてもサブスク配信しなかっただけで、「聴けない、伝わらない」とまで言い出す人がいるとは想像を超えてました。
CDプレイヤーなかったら?なんて書いてるけど、PCがなかったら、スマホがなかったら?お金が自由に使える身じゃなくてサブスク登録できなかったら?なんて反論はたくさん出てくるなぁ。
どうしても聴きたかったらなんとかするしかないでしょう。しかもCD再生機器だってリッピング機器だって生産中止になっているわけじゃないんですから。
オープンリールのみでリリース、とかだったら、ちょっとそれは・・・?となりますが、CDでゴチャゴチャ言うとは。
だいたいCDよりもアナログレコード聴くほうが遥かに面倒なのに、アナログ盤が欲しかった、とか書いていることがよく分からなさすぎる。