俺の記憶ストレージ Part 1&2

寂しさは琥珀となり密やかに輝き出す

21th Elvis Costello (Part VII) -「My Flame Burns Blue」

 「My Flame Burns Blue」は、2006年の1月に発売。当時Amazonで買いました。

 

マイ・フレイム・バーンズ・ブルー

マイ・フレイム・バーンズ・ブルー

  • アーティスト:エルヴィス・コステロ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/01/13
  • メディア: CD
 

「North Sea Jazz Festival」というオランダのフェスでの実況録音盤。ロッテルダムでやってるフェスらしいです。

 

 

 ちなみにオランダは正式名称ではなく、ネーデルラントと呼べ、というお達しがあるようです。ダッチと呼んだり、ネザーランドと呼んだり、はたまたネーデルランドだったりオランダだったり・・・全部同じ国です。日本ではオランダが一般的ですね。

バックを務めるのは、メトロポール・オーケストラという、オーケストラとビッグバンドが合体した世界でも大規模な楽団とのこと。52人いるらしいです。1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、ハープ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、サックス/クラリネット、フレンチ・ホルン、トランペット、トロンボーンバストロンボーン、パーカッション、ドラム、ギター、ベース、キーボード。

これに盟友スティーヴ・ナイーブも参加してます。

 

この頃、コステロにジャズ作品が多く、ジャズに舵を切ったように思われてしまいそうですが、この人の場合舵を切ったというよりは、色々やってるうちの一つがこの時期に集中した、みたいな感じなのかなと。

 

ビッグバンドって自分にはあまり馴染みないと思ってたんですが、よーく考えたら小学生の頃の発表会でそんなようなことはやってたなーと。

発表会の割当ては、劇をやりたい人と音楽をやりたい人で希望制で分かれるんですが、自分は6年間全部音楽。楽器編成は、リコーダーと鍵盤ハーモニカが大半。あとはピアノ、打楽器系、木琴、鉄琴、パーカッション。これ、ビッグバンドみたいなもんでしょ?弦楽器、管楽器こそないけど。

1年生の時は、ウッドブロックという楽器でパーカッション担当。その担当になる前に、ちょっとしたテストがあって、ある音楽を聴いて、自由に机を叩いてみて、と言われて、周りの子はメロディに合わせて叩くんですが、母親がメトロノームを使ってピアノを弾く様子を見てた自分は「こういうのは一定のテンポで叩くんだよな」と思って、8ビートで刻んでたら、パーカッション担当になったという経緯。ちなみに母親はピアノが上手いわけじゃないし、家も裕福ではないのに、何故か狭い六畳間にアップライトピアノがあった。

本当は小太鼓(スネア)がやりたかったんですけど、6年間でやったのは、ボンゴ(またもやパーカッション)とか、木琴とか・・・。発表会以外にも、上級生の卒業式で演奏するときにも自らやりたいと言って参加した記憶もある。

 

自分の話はこれくらいにしておいて、このアルバム新譜にしては珍しくコステロのライナーノーツが長々と書いてあって、それを読むのもまた楽しい。書き出しが「ロックのレコードを作っていない間に、自分が何をやっていたか、これを聴けば分かる」みたいな内容。

2013年にBBCで制作されたコステロのドキュメンタリー作品の「Mystery Dance」というのがあるんですが、ここで自分のルーツについて語ってます。コステロのお父さんは、ロス・マクマナスという人で、ジョー・ロス&ヒズ・オーケストラという楽団で、シンガー兼トランペッター。

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最初はトランペット専門だったけど、歌も歌えるんでテレビでポピュラーミュージックのカバー曲を歌っていたらしく、そのため、毎週の様に練習用に新譜が家にあったらしい。お母さんもジャズが好きで、要するに音楽一家。パンク/ニューウェイヴの文脈でデビューしたけど、音楽的なルーツはこういう感じで多彩なバックボーンがあったわけです。

で、この作品は、カバーもあれば、オリジナルにオーケストラ/ビッグバンドならではのアレンジを加えたものもあり、多彩です。

・Hora Decubitus

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チャールズ・ミンガスの曲にコステロが歌詞を付けたもの。ミンガスって全然聴いたことなかったんですが(セロニアス・モンクもそうですが、難解なイメージがあって避けてた)、これ聴いて「良いじゃん」と思った。

・Favorite Hour

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本来、こういう編成でやりたかったんじゃないかなーと。コステロの曲には、ポピュラーミュージックの範疇で作られた曲と、そこから逸脱した曲がある。例えば、「Juliet Letters」、「North」の大半の曲、「Il Sogno」などなど。ワーナー・ブラザース時代は、単発でそういう曲もあって、普通のオリジナル・アルバムにしれっと入れられていた。「Favorite Hour」なんかもそういう曲で、バンド編成でやるような曲じゃなくて、本来こういうアレンジでやるような曲なんじゃないかなと。

・That's How You Got Killed Before

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オリジナルはデイブ・バーソロミューで1949年の曲。
「King Of America」の頃もやってますが、あっちのバージョンはロカビリー寄りで、こっちのバージョンはジャズ・ビッグバンド寄りのアレンジ。ちなみにダーディ・ダズン・ブラス・バンドとも一緒にやってる音源もあり、そちらはR&Bっぽい。

そもそも、この曲自体、ジャズなのかR&Bなのかロカビリーなのかジャンルの境目が曖昧だったころの曲で、なんかこういう曲に魅力を感じるんですよね。今のクロスオーバー/ミクスチャーは、あのジャンルとあのジャンルを融合させてみよう、みたいな感じですが、これは音楽の進化の過程のスナップショットを取ってみた、みたいな曲。

 

・Clubland

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「Trust」の曲だけど、まるでアメリカかどっかのテレビドラマの主題歌のようにアレンジ。と思ったら、アレンジがころころチェンジしていくんですよ。プログレみたいに。ただ、プログレと少し違うのは同じメロディなんだけど、バックの演奏だけが変わっていくってところ。この後、アラン・トゥーサンとのツアーでもこの曲は演奏されますが、発売から25年以上経って息を吹き返した楽曲です。

・Almost Ideal Eyes

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コステロには言いたくなるタイトルの曲が結構あって、この「Almost Ideal Eyes」とか、「The Other End Of The Telescope」とか、古くは「Watching The Detectives」とかなんか言いたくなる。もともとラテンっぽいけど、ジャズアレンジにより、ラテン・ジャズとなりました。

・Episode of Blonde

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冒頭からコステロのボーカルのテンションが高い。最近の曲だからなのか、そもそもラテンアレンジだからなのか、それほど大幅なアレンジの変化はないんですが、装飾が豪華になってます。

・Watching the Detectives

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レゲエアレンジは完全に影を潜め、スパイ映画の主題歌のようなアレンジ。これはかっこいい。

・God Give Me Strength

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バカラックとの共作曲のこのゴージャスなポピュラーミュージックにはオーケストラが似合う。ほぼオリジナルアレンジそのまま。この曲、生で聴いたこともあるんですが、ボーカルが本当に凄い。特にラスト。

 

次はアラン・トゥーサンとの「River In Reverse」。