俺の記憶ストレージ Part 1&2

寂しさは琥珀となり密やかに輝き出す

21th Elvis Costello (Part II) -「When I Was Cruel」

2002年の「When I Was Cruel」ですが、個人的には結構思い入れの深い作品になります。

 

ホエン・アイ・ワズ・クルーエル

ホエン・アイ・ワズ・クルーエル

  • アーティスト:エルヴィス・コステロ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2002/04/17
  • メディア: CD
 

 

コステロを聴き始めた時期は1993年のRykodiscのリイシュー辺りで、そこから8年ほどは好きなんだけど、今ほど熱を入れていた訳じゃない時期。2001年から2度目のリイシューが始まり、聴いていくうちでやっぱりコステロって凄いなと思い始めた頃で、聴いてなかった過去作を漁って一通り聴いた後でリリースされた新作で、これはリリース日に買いに行きました。ここから先は毎回リリース日かその周辺(Amazonで頼むと北海道はリリース日に届かないんです・・・)に買ってますが、その最初となった個人的には記念になった作品。

社会的には、「空から降る一億の星」というキムタク主演のドラマでチャップリンのカバー曲「Smile」が使われて、日本盤にはその「Smile」がボーナス・トラックで収録されていたせいか、結構売れたようです。(ただし「Smile」みたいな曲は「Smile」しかない)

 

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本当は「Smile」はこのアルバムよりも、次の「North」とか「Painted From Memory」あたりの方がしっくり来るんですが。

この「Smile」に釣られたのか来日公演も大盛況で東京国際フォーラムでのコンサートは自分もわざわざそのためだけに上京して見に行きました。お客さんの数割は「Smile」を期待して行ったのかもなぁと思いながら・・・。この頃が日本における、今の所最後のコステロブーム(と言っても小規模だけど)だったんじゃないかなと思います。

さて、このアルバムですが、クレジット自体は「エルヴィス・コステロ」単独名義ですが実質的にはインポスターズのデビュー作であり、本当は「エルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズ」で有るべきなのではないかと思うこともあるんですが、何曲かはコンピュータを使っていたりするので、インポスターズ名義にはしなかったのかな?

 

インポスターズはアトラクションズからブルース・トーマスが抜けてデイヴィ・ファラガーが参加したバンド。アトラクションズは誰ひとりとしてプロ並みに歌えませんが、デイヴィ・ファラガーは歌が上手い。コステロの作るポップソングは本来的にはコーラスがあって然るべき音楽なので、ようやくピースが揃った、という感じです。大分後になりますが、このコーラスが出来るというメリットを生かして、「Imperial Bedroom」の曲をライブで再現できるんじゃない?ということで、2017年には「Imperial Bedroom & Other Chambers Tour 2017」というツアーが行われて、それが最新作の「Look Now」に繋がるわけで、デイヴィ・ファラガーさまさま、という訳です。つまり、最新作へ至る第一歩となったのがこのアルバムだと思ってます。まあ、最新作のこのアルバムは音楽性がまったく違いますが。

 

このアルバムはコステロの中でもラウド寄りなアルバムです。
コステロは8年周期でラウドなアルバムを作るというのは昔はよく言われていて、4作に渡ってこのジンクスは続きました。
ただ、テイストは結構異なっていて大雑把に明るい/暗いで言うと、
1978年 「This Year's Model」→ 明るい
1986年 「Blood & Chocolate」→ やや暗い
1994年 「Brutal Youth」→ 明るい
2002年 「When I Was Cruel」→ やや暗い
みたいな感じ。

2010年 「National Ransom」でこのジンクスは崩れますが、その2年前の「Momofuku」が2010年リリースだったらジンクスが続いてました。ちなみに「Momofuku」は明るい方の部類になります。

・45

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オープニングナンバーはロックサイドのコステロ生還を高らかに宣言するような曲で、お気に入りです。このアルバムを象徴するようなナンバー。45rpmと45歳と1945年のトリプルミーニングらしい。大瀧詠一の FUSSA 45 STUDIO もそうですが、マニアは45という数字に特別な思い入れがあるような気がしてなりません。

・Spooky Girlfriend

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45でバンドサウンドかと思いきや、2曲めで早くもコンピュータ・ミュージック。ベースはファラガーが弾いてます。

・Tear Off Your Own Head (It's A Doll Revolution)

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アトラクションズ風のロックナンバー。チープなオルガンが2ndの頃を思い起こさせます。

・15 Petal

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無国籍風な感じもするし、ニューオリンズな感じもするロックナンバー。

・Tart

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このアルバムにバラードは少ないですが、これはバラードと言っていいかもしれない。ただ、「Smile」みたいな澄んだバラードではなく、ザラついたバラード。

・Alibi

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これはバラードというよりは、スローなブルースナンバーと言ったら良いのかな。

・Daddy Can I Turn This ?

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これもアトラクションズ風ですね。1996年のアトラクションズのライブで同名の曲が披露されてましたが、それは曲のテイストが同じだけどタイトルを連呼するだけのものでした。こちらはまともな曲になって収録されました。

・Episode Of Blonde

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このアルバムで一番好きなのがこの曲で、なんて言うのか、出だしはラテン・ロックなんだけど、サビで一転コステロ風メロディック・メロディが炸裂する傑作。ただねぇ、これ来日公演で聴けなかったんですよ。ライブバージョンが「My Flame Burns Blue」で聴けます。

 

・When I Was Cruel

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When I Was Cruel No.2 よりこっちのほうが良いと思うんだけど、なぜかアルバムからは外れました。「Cruel Smile」などで聴けます。

 

次回は「North」。