俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

21th Elvis Costello (Part I) -「For The Stars」

「最近はすっかりバラードシンガーになってしまったコステロだが」なんて言い回しが蔓延る昨今ですが、本当にそうでしょうか?そんなことを言う人は「She」以降、何も聴いてないんじゃないかと思うことしばしば。

 

「She」が1999年リリースなので、およそ20年経ちましたが、未だに「She」のイメージが強いってのは驚きですが、そんな20年間のアルバムを1枚づつ思い出と共に書いていこうと思うに至りました。続くのかどうか不明ですがやってみます。ただ「イル・ソーニョ」あたりは自分に評価できるだけのアレがないのでオミットする可能性大。

 

まずは、2001年リリースのアンネ・ゾフィー・フォン・オッターとの共演盤「For The Stars」から。

 

フォー・ザ・スターズ

フォー・ザ・スターズ

 

 

これはいつ買ったんだっけな・・・ 。発売から半年くらい経ったころに近所のCDショップ(もう潰れた)で買った記憶があります。社会人になって金銭的に余裕が出来たので、未聴のアルバム(「Goodbye Cruel World」とか「King Of America」など)をまず先に聴こうと思って、これは後回しにしてました。

 

共演盤と言いつつ、メインはアンネ・ゾフィー・フォン・オッターであり、コステロが歌わない曲もたくさんあるし、歌ったとしてもセカンド・ボーカルのような位置づけ。コステロのザラついたテナーボイスとアンネの澄んだメゾソプラノボイスの対比が面白い。

 

1998年のバート・バカラックとのコラボ盤「Painted From Memory」、1999年の「She」のカバーといった一連の流れに連なる作品で、基本的に全てアコースティックで、美しさを追求した作品という印象。

 

やっぱり、バラードばかりじゃんと言われそうですが、でも美しい作品ですよ。音も良いしデカいスピーカーで聴きたくなります。

 

 コステロ人脈で言うと、スティーブ・ナイーブが参加していますが、どういうわけかビリー・ブレムナー(※ Rockpileの「Heart」が個人的に大好き)が参加したりしてます。

 

収録曲は有名どころだと、ビーチ・ボーイズビートルズトム・ウェイツなどのポップスのカバーやコステロの過去曲の再録が多いですが、新曲もあります。

 

個人的に好きなトラックを列挙。

 

・No Wonder

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トップバッターは書き下ろしのコステロ作曲のポップソング。本人も気に入っているのか、ライブで披露されることもあるようです。

・Baby Plays Around

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コステロの元嫁ケイト・オリオーダンとの共作で、なんとなくアイリッシュな雰囲気が漂う小品バラード。しかし、ダイアナ・クラールと再婚してからはこの曲はご無沙汰ですね。やっぱり歌いづらいんだろうか・・・。

・Broken Bicycle / Junk

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トム・ウェイツのカバーとポール・マッカートニーのカバーのメドレー。Broken Bicycleはアンネが、Junkはコステロが歌ってますが、メドレーとは思えないほど綺麗につながっていきます。

・You Still Believe In Me

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ビーチ・ボーイズの「Pet Sounds」に収録されている曲で、そもそもこの曲が好きなので。「God Only Knows」あたりも聴きたかったかも。

・I Want To Vanish

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コステロ作「All This Useless Beauty」に収録されていた曲のカバー。こういう雰囲気の曲・・なんて言えばいいのか「Favorite Hour」とか「Couldn't Call It Unexpected No. 4」なんかもすごくアンネに合いそうだな、と思います。

サビに行く前のメロディですが、コステロバージョンはオクターブ下ですが、アンネバージョンはオクターブ上、を歌ってます。本当はコステロはこの音程で歌いたかったのかも。 

・For No One

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これ、ビートルズ時代のポール・マッカートニーの曲ですが、ポール・マッカートニーの中でも好きな曲10本の指に入る、そもそも好きな曲。余談ですが、エミルー・ハリスのカバーバージョンもかなり良い。

・Shamed Into Love

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このジャジーな曲はなんとコステロの曲。ルーベン・ブラデスという人との共作で、ルーベン・ブラデス本人が歌ったバージョンはコステロのコンピに収録されてますね。

・This House Is Empty Now

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バート・バカラックとの「Painted From Memory」の収録曲のカバー。

・For The Stars

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本編ラストはコステロ作曲の懇親の書き下ろし。これも出色の出来。これも多分本人のお気に入りでライブで披露されたことがあります。これと「No Wonder」を聴くだけでもこのアルバムを聴く価値はあると思います。

 

テレビ番組でも披露されてますね。

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・You Go To My Head

ボーナス・トラックはジャズ・スタンダード。ボーナス・トラックなんだけど素晴らしい出来。

 

次回は「When I Was Cruel」。