俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

ブラック・サバスの20曲

あまりブラックサバスのことを書いたことなかったけど割と好きなんですよね。

 

ジーのことは、友達がオジーのファンで何度も「Crazy Train」を聴かされたので知ってたけど、サバスのことは知らず、聴いたことがない時期が結構続いていたのですが、ある日、サバスを見て衝撃を受けます。

 

ブラックサバスを初めて聴いたのは音源ではなくテレビでした。まる音デラックスのハードロック特集の中で見た怪しげな映像。後から知ったのだけれど、1970年代にドイツのビートクラブという番組で流れていたスタジオライブですね。この頃最先端だったと思われる映像エフェクトを駆使した・・・なんかウルトラQみたいだなと思いながら見てましたけど。ウルトラQももちろんリアルタイムではありません。

 

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この時に一緒に流れたのがディープ・パープルとかマウンテンとかアリス・クーパーとかMC5、ステッペンウルフとかもあった気がする。パープルは Highway Star の出来たてホヤホヤのバージョンで歌メロもソロもテキトーなやつですね。このままだと売れないなぁという感じのプロトタイプみたいなアレンジ。

 

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この頃は高3だったんですが、サバスの「Iron Man」に心を奪われました。ビートクラブの映像から25年の月日を経て高校生に衝撃を与えたのでした。

 

このおどろおどろしいリフだが少しコミカルというか、かわいくキャッチーなメロディ、このミスマッチがファーストインプレッション的には良かったみたいです。キャッチーだけど単調な「Paranoid」とか、あまりにもおどろいどろしいホラーな「Black Sabbath (曲)」だと好きになってないと思う。「Iron Man」はホラーとコミカルがフュージョン、ミクスチャー、クロスオーバー、マッシュアップしてるわけですよ。さらに途中のリズムチェンジがとにかくかっこ良くて、カジュアルなプログレが好きな僕には大好物な曲なんですね。

 

ちなみに、オジーのことは知っていても、ここで歌っていたのがオジーだったと後で知ってまた衝撃を受けるわけです。オジーってブラックサバスだったのかよ、と。

 

その頃インターネットなんてない時代なので、本屋でパラパラ音楽系の本をめくっていると、何やらロニー・ジェイムス・ディオがサバスにいたことを知るわけですね。それで、「Heaven & Hell」を聴くことになり、この前聴いたサバスと違うけどこれはこれでいいんじゃないの?と思うわけです。

 

で、大学に進学して、軽音楽部に入り、一番始めに組んだコピバンで、サバスをやりました。その時が「Neon Knights」とか「Mob Rules」とか・・・あと「TYR」から数曲。

 

ただまあ、正直言うとアルバム全部聴いたわけじゃないし有名な曲しか知りません。そんなライトなサバスファンの自分が選ぶ20曲。

 

1. Symptom of the Universe (from Sabotage 1975)

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これいいですよ。オールドサバスで速い曲はあまり無いんだけど、イントロからヘヴィで速いリフから始まり、リフチェンジ、リズムチェンジの応酬。そしてラストはサザンロックのようなはたまた、アイズレー・ブラザーズのようなバッキング・・・これはかなりオシャレな展開。そうサバスってのはオシャレなんですよ。これは一周回ってオシャレ、とかそういう話ではなく、本気で書いてます。サバスはオシャレ。3大バンド、パープル、ZEP、サバス。全部好きなバンドですが、オシャレなのはどれかと言われれば、サバス。

 

2. Iron Man (from Paranoid 1970)

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前述した通り。名曲です。

 

3. Computer God (from Dehumanizer 1992)

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「こんなのロニーサバスじゃない」

「ダークな感じの流行りに乗った駄作」

「サバスもモダンヘヴィネスですか

「こんなに重たいのはサバスじゃないでしょ」

「様式美はどこへ?」

「期待してたのと違う」

「魔法とか城とかドラゴン出ないの~?駄作!」

「駄作駄作!とにかく駄作」

BURRN が駄作って言ってたから駄作だろ」

「駄作って言っちゃったから今更撤回できない!駄作だ」

 

のような、Burrn的な世論とは裏腹に自分の周りでは大人気だったこのアルバム。そもそもこういうスタイルの元祖はサバスだったわけで、それに戻っただけ。本当は昔のロニー・サバスの方が異端だったわけです。(なんか大滝詠一の分母分子論のようですが。)

 

っても初期のロニー・サバス様式美っぽいのは「Die Young」と「Falling Off the Edge of the World」くらいしかないような。

 

時代的な流れを見ると、ロニー・サバスの頃からおどろおどろしさは減り(イアン・ギランの時は除く)、10年ほど様式美路線を続けて、満を持してロニー復帰で、音楽性も70年代に戻ったせいで違和感から反発があったようです。でもいきなりこのアルバムから聴いたらめちゃくちゃ良いですからね。オールドサバスがルーツとも言えるPANTERAが出てきてからは少なくとも若いメタルファンには抵抗のない音楽性だったはず。

 

個人史からくる私的な低評価と、アルバム単体で聴いた時の客観的な評価というのは違って然るべきで、その辺がごっちゃになって点数化されていたわけです。私情を完全にシャットアウトするのは難しいとは思うけど、果たしてこれがサバス名義じゃなかったら?と思うと不憫。でもこういうロジックこそ、BURRN はそれこそレインボーのラストアルバムとかパープルの「Slaves And Masters」とかで主張してたことだと思うのですが。

 

長々と書いてしまったけど、「Computer God」、オールドサバス的なヘヴィリフと粘りつくようなヴォーカル、リズムチェンジ後はロニーサバス的な様式美と、これ以上ないくらいの名曲なんだけど。なぜ叩かれてたのか本当に意味不明。

 

4. Sweet Leaf (from Master of Reality 1971)

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イントロの咳払いがサイケデリック。これがパンニングし終わると重たいリフが。系統的には「Iron Man」の流れにある曲だけど、よりパワワップした感じ。聴きどころはやっぱりインタープレイかな。ギーザー・バトラーすごい。

 

5. Sabbath Bloody Sabbath (from Sabbath Bloody Sabbath 1973)

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スウェディッシュ・ポップの雄カーディガンズがカバーしたことでも有名な(有名か?)この曲。北欧発の渋谷系バンド、カーディガンズがサバス好きだったことから分かるようにサバスはやっぱりオシャレなんです。サビなのかBメロか分かりませんがアコースティックになるとこなんてオシャレだし、後半の如何にもサバスっぽいリフに移行するのもオシャレ。

 

カーディガンズにかかると、憂いのある60’s ガールズポップに変貌!カーディガンズ良いよね、カーディガンズ最高。

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6. Turn Up The Night (from Mob Rules 1981)

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オールドサバスに明るい曲が全くないわけじゃないけど(「Never Say Die」とか)、ロニー・サバスは明るい曲が多い気がします。もちろんサバス比ですけど。その中でも最も明るいのがこれかなと。前作のリードトラックの「Neon Knights」も明るいけど、これは明るさに加えさらに爽やかな感じさえします。ま、爽やかと言ってもロニーの声は暑苦しいわけですが・・・。

トニー・アイオミも珍しくワウペダル踏みまくり弾きまくりで、80年代ロニー・サバスのベストトラックなのでは?と思ってしまった。リフはよく聴くと、Eの連打で、途中まで「Symptom of the Universe」と同じなんだけど、アッチはヘヴィな音使いだけど、コッチはオーソドックスなHRスタイルなリフ。この明るさもオールドサバスのファンからするとかなり違和感あっただろうなと思いますが、どうだったんでしょうか。

 

7. Heaven And Hell (from Heaven And Hell 1980)

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ミディアムテンポからのハイテンポへのチェンジがいかにもサバスだけど、リフの質もメロディの質もオジーの頃とは全然違う。1stロニー期はリフというリフがない感じ。パワーコードの連打が多い感じですよね。変態的なリフが少ない、というか全く無い。メロディもロニーっぽいし。ただ、ギーザー・バトラーがいるからサバスだなぁとは思うんだけど。まー、それでもこの曲はかなり好きです。後半のテンポチェンジが聴きたくて我慢して聴く曲。誰かがマイルス・デイヴィスの「Round bout Midnight」の「チャッチャッチャラーチャッ!チャッチャラーチャッ!」が聴きたくて我慢して聴いてると書いてるのを読んだことあるけど、それに近い。

 

8. Zero the Hero (from Born Again 1983)

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ジャケットが怖すぎるぜ・・・。

イアン・ギランがサバスにいたことがあると知った時の衝撃はすごかった。パープルファミリーはパープルファミリーだけで完結しているかと思っていたのに、まさかサバスと絡んでいたとは思わなかった。でもロニーに始まり、イアン・ギラン、そしてグレン・ヒューズとまで組むとは。グレン・ヒューズと組んだアルバムは僕の好きなオシャレサバスからは程遠く、一度聴いてしまったまま。たぶん、BURRNが好きなサバスと僕の好きなサバスはそもそも全然違うみたい。トニー・マーティン時代もグレン・ヒューズも、サバスらしさが減った普通のメタルという感じでオシャレサバスじゃないんです。

しかしこの曲。ひたすらグルーヴィーでオシャレ。「Born Again」は当時確かLP100円くらいで買ったと思うんですが、このおどろおどろしさは、オジーサバスを超えてるんじゃないかというサバス感。サバスってこんな感じだよね、みたいな曲です。単純な曲ではあるんだけどとにかくウネリがすごい。

 

9. War Pigs (from Paranoid 1970)

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これが一番プログレ感ありますね。ブレイクの感じとかツェッペリンを意識しているのかな。「Good Times Bad Times」っぽい。ブレイク後のパターンはジミヘンを意識しているのかな。「Purple Haze」みたいな。メタルの元祖といわれがちなサバスだけど、なんかいろいろと語弊があるような。メタルの人ってこんな16ビートのオシャレな展開の曲作らないですよね。初期のブレイク作の1曲めがこれですよ。凄い。

 

10. TV Crimes (from Dehumanizer 1992)

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これなんか全然「モダンヘヴィネス」じゃないし、DIOでやっててもおかしくない。王道のHR/HMって感じです。それにしてもロニーはすごい。声が太いからか音域低いのかなと思ってしまうけど、実際歌ってみようとすると歌えないくらいキーが高い。

 

ここから下はコメントなしですが、こんな感じ。

11. Snowblind (from Black Sabbath Vol.4 1972)
12. Lady Evil (from Heaven And Hell 1980)
13. Neon Knights (from Heaven And Hell 1980)
14. Paranoid (from Paranoid 1970)
15. Children of the Grave (from Paranoid 1970)

16. Digital Bitch (from Born Again 1983)

17. Die Young (from Heaven And Hell 1980)
18. Master Of Insanity (from Dehumanizer 1992)

19. Black Sabbath (from Black Sabbath 1970)
20. I Witness (from Cross Purposes 1994)

Zeppelin編とパープル編もやってみようかな。