俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

Rip It Up

 

サンダー『リップ・イット・アップ』【完全生産限定盤CD+2枚組ライヴCD+『ブロークン・ミラー』EP(歌詞対訳付き/日本語解説書封入)】

サンダー『リップ・イット・アップ』【完全生産限定盤CD+2枚組ライヴCD+『ブロークン・ミラー』EP(歌詞対訳付き/日本語解説書封入)】

  • アーティスト: サンダー,ダニー・ボウズ,ルーク・モーリー,ハリー・ジェイムズ,ベン・マシューズ,クリス・チャイルズ
  • 出版社/メーカー: ワードレコーズ
  • 発売日: 2017/02/10
  • メディア: CD
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サンダーのニューアルバム「Rip It Up」がリリースされましたが、誰も感想書いてないんですかね。「Wonder Days」の感想も自分のサイトがGoogle検索の上位に出てくる始末。こんな1日あたり80pv程度のブログがですよ!

 

 

shintaness.hatenablog.com

 

 頼みの綱はBURRNくらいなんですが、インタビューなしのシングルレビューのみ。昔は4人クロスレビュー、もしくはクロスレビューの右横の目立つ欄にレビューがあったもんですが、今や凡百のバンドと同じ扱いアルファベット順に並べられる始末。しかも文字数が限られてるレビューなのに、ボーナスディスクのライブ盤にシン・リジーの「The Rocker」のカバーがあります、だって。そんなに書くことないのかよ、と寂しい気持ちになりました。しかもそれ、前作で音源化済みだし。でも得点は90点なんですけどね。そんなに高いのにこの位置?

 

というわけで感想書きますけど、はっきり言って、絶賛する内容ではないので悪しからず。しかし、希望は少しあるかな、という感じです。

 

「Rip It Up」というタイトルを見るとジョン・レノンもカバーしてたリトル・リチャードの曲を思い出すんですが、別に関係なさそうですね。

 

さて、サンダーはかつてファンク、R&B色が濃くなり、ソフト路線にシフトしたことがありますが、そのまま解散してしまいます(2000年)。そのソフト路線はソロ、ユニットへ受け継がれ、それが自分の好きな路線とマッチしていたのですが、2003年のサンダーの再結成以後、そのソフト路線は鳴りを潜めたまま、サンダーというバンド名にマッチするような、ハードな音楽性を志向しているように感じられます(本人たちはかつてバンド名と音楽性の乖離に悩んでいたのですがね)。2009年頃は少し音楽性を広げたんですが、またもや解散。で、2015年の再々結成になり、前作の「Wonder Days」ですが、またもやハード路線に回帰、ハードロック然とした作品になってました。ブリティッシュ・ハードロックを聴きたいなら良いアルバムだったかもしれません。僕はブリティッシュ・ハードロックは決して嫌いではありませんが、ブリティッシュ・ハードロックとR&B/ファンクが程よく混じった唯一無二のサンダーが好きでした。前作はそうではなかった上、メインソングライターのルークの作曲の上での手グセがかなり目立つ事もあり、かなりガッカリしたわけですが、そんな僕の気持ちとは裏腹に、実は本国イギリスでは久々にスマッシュヒットしたらしく、アルバムチャートの9位まで上り詰めたそうです(スゴイ!)。前作で成功したということは、新作で冒険するとは考えづらく、十中八九同じ路線だろうということで、正直なところあまり期待せずに聴きました。で、まあ前作よりは好きな曲があるなあというところです。

 

以下、感想。

本編

1. No One Gets Out Alive

レッド・ツェッペリンの「Song Remains the Same」を意識したのかな?曲としては明るめで新機軸のような気がしますが、サビが弱い気がします。もっとメリハリ効いてたら良いのになぁ。最近のLoser路線よりは良いけど、曲としてはもう少しひねって欲しかった。これが一曲目だとちょっとキツイかなという印象。

 

2. Rip It Up

タイトルトラック。サビの一部、「Devil Made Me Do It」との聴きわけが困難。あまり好きじゃないかも。冒頭2曲で不安にさせてくれます。

 

3. She Likes the Cocaine

グランジ風というか、はたまたキンクスの「All Day and All of the Night」かと思いきや、サビに入ると70年代のストーンズ、はたまたR&B的でもある。ルークの近年の定形とは全く違う感じ。コーラスが良い。これは本作でのベストトラック。単純にかっこいい。この一曲はアリ!

 

4. Right from the Start

明るいのか暗いのかよく分からないバラード。Aメロは今までになかった不思議なコード進行。Bメロからメジャーになるが、最後はマイナー。曲は悪くない。例えが正しいのか分からないけどバッドフィンガーみたい。

 

5. Shakedown

軽めのロック。冒頭、T-REXっぽかったと思ったらサビがまたもや「Devil Made Me Do It」と聴きわけが困難。うーんどうなのこれ?

 

6. Heartbreak Hurricane

変則ビートの「Fade Into The Sun」みたいなちょっと暗い曲。そんなに好きではないかな。

 

7. In Another Life

ホワイトスネイクの「Give Me All Your Love」風だけどアレンジがかなりソフト。こういうスローシャッフルは珍しいかも。

 

8. The Chosen One

これは「River of Pain」を狙ったんでしょうかね?うーん。

 

9. The Enemy Inside

うーん。「Time to Get Tough」っぽいリフのゴリ押し。

 

10. Tumbling Down

うーん。グルーヴ感のある聴き慣れたリフからの「Loser」パターン。もうこういうのは食傷気味かな。うーんの三連発。

 

11. There's Always a Loser

レイドバックしたバラード。これは良い。前作もそうだけど、バラードは良いです。ギターソロなかなか弾きまくりだけど、ルークが弾いてるのかな?3曲目と並ぶ本作のベストトラック。


Broken Mirror Ep

1. Fire On The Mountain

これは、さすがWho好きなだけあるなと。イントロは「Won't Get Fooled Again」ですね。曲としてはそんなに悪くはないが、何度も聴きたいかというとそんなこともなく。

 

2. Blue Eyed Girl

これは2008年頃に得意だったアーシーなカントリー&ブルース。意外とこういう曲の時の方がイキイキしてる気がします。

 

3. Beyond The Stars

バラード。悪くはないがつかみどころがない気もしないでもない。

 

4. I Will Return

4thから5thにあった感じの、フォーキーでポッピーなバラード。良い曲なんだけど、やっぱりギターソロ前のコードとか、サビ終わりの雰囲気なんかにルークの手癖が出てしまってますけどね。

 

 

以上、とまあ、ハードルが下がりまくって聴きましたが、決して個人的に上位に来るものでは無いですね。ちなみにUKアルバムチャート11位だったそうです。

 

この記事を書くために、このアルバムを数回聴きました。すると、自分が好きだったサンダーというのは自分の脳内幻想であって、実は昔から何も変わってなかったんじゃないかとか思ってしまうんですよね。それでまた、古いアルバムを引っ張り出して聴くと、やっぱりものすごく良いんだな、これが。今のサンダーと一体何が違うんだろう。

 

やっぱり手グセみたいのは昔から少なからずあったと思うんですが、そんなことを感じさせない有無を言わせぬ若さという勢いがあったのは否めない。さらに、昔はホーンを使ってみたり、シタールが入ってたり、ポリリズム的なアレンジがあったりと、編曲面でもかなり凝ってたと思うんですよね。

 

最近の曲はツェッペリンのアレみたい、とかストーンズのアレみたいとか、そういうのが多くなってしまってる気がしないでもないです。ちょっと安易に聴こえてしまうんですよね。完全オリジナルなんてものはないとは思ってますが、にしてももう少しカモフラージュするとか、あの曲のアレっぽいけど、でもそんなの関係なくかっこいいよね、みたいな感想が書きたい。

 

本人たちは気に入ってないみたいですが、是非今一度「Behind Closed Doors」を聴きなおして、かつてどうだったかを再確認して頂ければと!

 

 

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