俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

ザ・フーの10曲

一個挟んで第三段はザ・フーにしてみました。

 

 

マイ・ジェネレイション(モノ&ステレオ)

マイ・ジェネレイション(モノ&ステレオ)

 

 

 

 
フーも割と早い段階で聴いてたと思います。ただしベスト盤のみ。アルバムをきちんと聴いたのは割と最近。その時に演奏力の高い人たちだなぁと再確認しました。ピート・タウンゼントの6弦フルに使ったツッコミ気味の切れ味鋭いストロークジョン・エントウィッスルのベースはほとんどリードギターキース・ムーンは感情の赴くままに手数重視で叩きまくる。ロジャー・ダルトリーは、・・・まあ普通です。
 
というわけで、個々の演奏力は凄く高いんですが、キースとピートはノリ方が正反対なんですよね。ライブテイクで顕著なんですが、キースは後ノリでピートは前ノリ。キースの後ノリは、どうしてもオカズ入れたくて、ツッツッタットコダカドコドコドコとか詰め込んだら、アクセントが遅れて結果的に後ノリになっちゃったみたいな。ピートは腕ブン回したり、スイッチングで遊んだりやりたい放題。ジョン・エントウィッスルは俺こんなの弾けるんだぜとばかりに弾きまくる。まあメチャクチャ上手いからぐうの音も出ないんだけど。
 
これでバンドのアンサンブルが成り立つのかと思うんですが、正直なところ昔は苦手でした。バラバラじゃんと思ってました。
 
RPGで言うと、ディープ・パープルなんかはターン制バトルなんですよね。ボーカル→ギター→オルガンで、お前弾けよ、おれ伴奏するから、みたいな感じ。パープルがジャズ的なのはそういうことです。フーはリアルタイム制バトル。相手のことは待ちません。今は俺のターン!と三人同時に思ってる。だからなのか、周りの音あまり聴いてないんじゃないかという気がするのです。で、曲によっては頭とお尻でテンポ変わってたりします。パープルはターン制なので、誰かがソロ取ってる時はバッキングに徹するわけで、そこでスウィンギンなドラムを中心としてグルーヴを作るのに集中出来るわけです。フーはロジャー以外やりたい放題。そんな感じなので、フーのようなギクシャクしたような独特なグルーヴはとっつきづらかったのです。だけど最近それこそがフーの個性なんだと思うようになりました。フーにはフーにしか出せないグルーヴがあるんですよね。数小節聴けばフーだな、と分かる。これはこれで凄いことです。
 
 
1. I Can't Explain (1964)
デビュー曲。デビュー曲でこのクオリティは凄すぎる。キンクスの「You Really Got Me」をリファレンスにして作ったらしい。が、サビメロやらリフやらを総合するとこっちの方が断然名曲に思えます。デヴィッド・ボウイスコーピオンズもカバーしてますがオリジナルが一番良い。
 
2. The Real Me (1973)
四重人格」より。初期のモッズイメージはない(ま、モッズの語源はモダニズムなので時代によって変質するのが本来の姿ではあるんですが)。聴きどころはジョン・エントウィッスルのベースライン。
 
3. My Generation (1965)
大学時代の音楽に興味なさそうな知人がフーのベスト盤を持っていて、「へぇ、フーなんか聴くんだね」と言ったら、「うん、My Generationは好きじゃないけどね」と言ってきたエピソードを思い出しました。このように有名曲なんでマニアっぷりを主張するためのスケープゴートにされることはありますが、でもやっぱり凄いんですよこの曲は。メロディなんてないようなものではあるんですが、やっぱり演奏がクレイジーです。テクニカルなパンクというか。あと聴くならモノミックスしかありえません。ステレオミックスにはギターソロがありませんので(モノミックス作成時にギターソロをオーバーダビングしてマスター作ったらしい)。
 
4. Substitute (1966)
ポップなリフとメロディと激しい演奏がミスマッチな凄い曲。
 
5. The Kids Are Alright (1965)
もっともブリティッシュ・インベンション感が強い楽曲。グリーンデイやハイスタがカバーしてるのに象徴されるように、コード進行&メロディにメロコアとの親和性高し。
 
6. I Can See For Miles (1967)
時代的にはサイケ全盛期ですけどあんまりサイケな感じがしないです。ハードロックとポップスの折衷的な音像。
 
7. Pinball Wizard (1969)
なかなかに不思議な構成の曲ですよね。アコギの高速ストロークで始まり、リフが入り、キャッチーなコーラスが入る。ミニプログレみたいな。ピート・タウンゼントが作曲した直後はメンバーに酷評されたそうな。あとタイトルがキャッチー。ピンボール・ウィザード。ピンボールの魔術師。
 
8. Won't Get Fooled Again (1971)
フーを代表する名曲ですが、初めて聴いたのはVan Halenによるカバーでした。
 
9. Baba O'Riley (1971)
これもフーを代表する名曲ですが、初めて聴いたのはMr. Bigによるカバーでした。
 
10. Bell Boy (1973)
Bargainとどっちにしようか迷ったけど、これにしました。キース・ムーンのための楽曲。
 
 
一応、10曲シリーズはカバー除外と決めてるんだけど、この無慈悲なドラミングは是非紹介したいところ。フーのカバーと言えばエディ・コクランの「Summer Time Blues」なんだろうけど、僕が好きなのはモーズ・アリスンの「Young Man Blues」。