俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

NEO FASCIOと余談と・・・

佐久間正英さんが先月亡くなってしまいました。NHKの佐久間さんのドキュメンタリーが放送されるのを知っていて、見ようと思ってたのに、放送されていることに途中で気付いて、中盤から見ました。TAKUYAと佐久間氏の姪っ子の乃木坂46の生田ちゃんがピアノを弾いてて、たしかTEPPENかなんかでも結構な腕前を披露してて、音楽家一族なんだな、と思いました。

 
僕にとって佐久間正英と言えば、氷室京介の「NEO FASCIO」。このアルバムは最初は取っ付きづらくてあまり聴いてなかったんだけど、ある時から急激に好きになり、今ではヒムロックのアルバムで1、2位を争う好きなアルバムになりました。(ちなみにもう一つは「Higher Self」)。音としてはグチャッとしてるんだけど、なんかそれがカオスな感じで迫力がある。ちなみにうちにあるのは2003年にリマスターされたCCCDで、CCCDではあるが、旧CDよりは音は良くなっていると思う。このアルバムはギター、ベース、シンセは佐久間氏の演奏である。リズムが複雑怪奇で曲構成も変態チック、数曲コンセプトに合わないシングル曲もあるが基本的にはコンセプト・アルバム。こんな感じの氷室のアルバムは後にも先にもこれしかない。
 
氷室京介は中学生の頃に「Jealousyを眠らせて」をリアルタイムで聴いて知った。ドラマの主題歌だったけど、そのドラマは見ていない。その頃、毎日聴いていた「ベストテンほっかいどう」でこの曲を知り、良い曲だなぁと思っていた。中2の夏である。僕にとって中2の夏と言えば、「壊れかけのRadio」と、「真夏の果実」とこの曲である。そして、嫌々ながら行かされた塾の夏期講習と、「ベストテンほっかいどう」と「うまいっしょクラブ」と「加勢大周のワイルドで行こう」と「明石栄一郎のアタックヤング」と、ワクワクした夏祭り・・・。(※ 中2ってやっぱり良いですよね!マキシマムザ亮君が中学のクラス会に行って中学モードになって「予襲復讐」というアルバムを作ったらしい。中学モードになるというのは凄く分かる)
 
当時、実は氷室京介が元BOOWYだってのは知らなくて、夜ヒットの最終回SPでBOOWYの映像が流れ(確かONLY YOUだったと思う)、その作詞クレジットに氷室京介と書いてあって、「あっ!」と驚いた。あの人とあの人が同一人物なのか!と。それから僕はTM NETWORK派から転向してBOOWY派になった(TMも聴いていたけど「EXPO」はあまり良いと思えず)。当時既に解散から数年経っていたにもかかわらず、僕の中学校ではBOOWYかXか、みたいな対立軸があった。どっちも好きって人もいたが。
 
それで、「Higher Self」ジャンボシアターっていうレンタルCDショップだったと思うけど、そこで借りてすごく気に入った。オープニングトラックの「Crime Of Love」なんかとっても好きな曲なんだけど、去年出た、ぴあの氷室京介特集によると、氷室自身はすごく好きな曲だけど、一般的には人気がないみたい。なぜなんだろ?「Higher Self」を聴いた後、1stの「Flowers For Algernon」を聴いた。1stはとっても分かりやすいですよね。BOOWYのボーカルがソロアルバムだした、っていう。曲それぞれがとてもキャッチー。その次に聴いたのが2ndの「Neo Fascio」。最初聴いた印象は難解だなーと。でも一回で気に入った「Rhapsody In Red」っていう、忘れ去られた名曲もあったり、シングルの「Summer Game」もあったりと、決して嫌いでは無かったけどそこまででも無かった。こういう評価がずっと続いてたんだけど、いろんな音楽を経由したあとでこれを聴いたら凄く良かった、という感じです。
 
ここから余談が続きます。
 
「Neo Fascio」と同じ頃に録音された「Misty 〜微妙に〜」のカップリングに「Accidents Will Happen」のカバーバージョンがあります。手元にある8cmシングルを見ると佐久間正英氷室京介の共同プロデュースと書いてあるので、おそらく「Neo Fascio」と同じ布陣で録音されたものでしょう。前も書いたとおり、これを聴いてコステロにハマったので感謝してもしきれないカバーなのであります。
 
 
ちなみにこの曲のアレンジはオリジナルに忠実ではありません。オリジナルはイントロなしで「おーああ」から入りますが、氷室Verは、1番と2番の間のコード進行をアレンジしてシンセをかぶせてイントロにしています。このアレンジがなんとなく、スクイーズの「Cool For Cats」の2曲目「Revue」に似ている気がします。スクイーズBOOWYデビュー当時、メンバー間で流行っていたそうで、たまにアレンジが似ている曲があったりします。
 
 
「Argybargy」の「Vicky Verky」なんて「Moral」の「School Out」に似ています。
 
 
グレン・ティルブルックの流麗でメロディックなギターソロなんかは、何の曲とは言えないけど、かなり布袋さん的です。個人的には、トイ・ドールズのオルガのギターソロにも影響受けたんじゃないかなとも思うのですが。
 
もう余談ばかりになっていますが、ぴあ刊行の布袋本「Radio Pleasure Box」には載ってなかった気がしますが、2トーンのザ・ビート(イングリッシュ・ビート)の曲はサックスも入ってるせいか、とってもMoral期のBOOWYに似てる気がします。「Sole Salvation」なんか、「Moral+3」に入ってた「Dakara」に雰囲気似てませんかね。