幼少期に家の中で常に流れていたのは五輪真弓の「恋人よ」ともんた&ブラザーズの「ダンシングオールナイト」だけだった。
2曲とも母親のお気に入りの曲だったが、趣味が音楽というわけでもないので、その2曲ばかりカセットテープでリピートされていた。
調べてみたら「恋人よ」は1980年夏のリリースで、「ダンシングオールナイト」は1980年春のリリース。つまり、自分は4歳か5歳くらいの頃にこの曲を聴いていたんだと思う。
そんな自分は歌番組で見た沢田研二の「TOKIO」が好きだったようで、というか、あの衣装が好きだったんだと思うけど、TVにジュリーが出ると喜んでいたようだ。
「TOKIO」は1980年の正月リリースなので、これまた4歳頃の話だ。
我が家にはレコードプレーヤーはかろうじてあったが、レコード自体は黒ネコのタンゴと童謡のレコードしかなかった。
「黒ネコ」は1969年リリースだそうで、自分はまだ生まれていない。だから誰かのお下がりかなんかだろう。
「恋人よ」も「ダンシングオールナイト」も家にはレコードがなかったので、歌番組を録音したものだったんだろう。
「あまちゃん」の中にもあったが、TVの前にラジカセを近づけて、マイクで録ることをやったんじゃないだろうか。
ただ、いつからあったのかは分からないが、自分の物心がついた頃には既にカセットテープのデッキが付いたTVが居間にあったので、ひょっとするとそれで録音したのかもしれない。
カセットテープと言えば、カセットテープに「ダンシングオールナイト」と書かれた手書きのシールが貼ってあったので、自分もカセットテープで「TOKIO」を聴きたいと思った。そこでシールに何も書かれていないカセットテープを母親のところに持って行って、「TOKIO」と書いてくれ、と頼んで書いてもらった。だが意気揚々とデッキに入れても何も再生されない。
「カセットテープは録音しないと再生されない」ということをこの時に覚えたのである。