INABA/SALAS ですが、2枚めのアルバムを作るそうですよ!ちょっと驚きです。
以前のインタビューで、2枚めの曲は出来てるみたいなことを言っていたんですが、本当に作るとは!
サラスさんサイドとしては、INABA/SALAS は結構おいしかったのかなーと思わずにはいられませんが、ともかく、もう一枚作ってくれるということで素直に喜ぼうと思います。
さて、私の思いとしては、2017年の INABA/SALAS リリース後、サラスのファンが増えたかどうか、ってところなんですが、あまりそんな感じはしません。サラスでググっても、このブログが結構早めに出てくる始末。
今まで断片的に何度もサラスのことは書いていたんですが、ちょっと好きな曲をまとめて書いてみようかなーということで「棚から一掴み」。
詳しいバイオなどは、本人が英語でざっくりと書いてます。まー、ざっくりと書くとP-FUNK畑から出てきて、スタジオミュージシャンやりつつ、90年になってからソロ・アルバム作って、90年代は結構売れてましたって感じです。
・Tell Your Story Walkin' (from 「Stevie Salas Colorcode / Back From The Living」1994)
「スティーヴィー・サラス・カラーコード」という名前は、ずっと知っていたんだけど聴かずにいたある日。
大学2年目、1997年の春先だったと思います。軽音楽部だった自分は、大学構内をプラプラ歩いていたところ、6年目のコワモテの先輩に呼び止められ、「お前、スティーヴィー・サラスって聴いたことある?」「いや、名前だけ知ってるけど聴いたことはないです」「お前、多分好きそうだから聴いたほうが良いよ」と言われたのです。
「スティーヴィー・サラス・カラーコード」って名前はなんで知っていたか定かではありませんが、「ヤングギター」なんかでは結構特集されていたので名前はインプットされていたのかなと。イメージ的には勝手にスティーブ・スティーブンス・アトミック・プレイボーイズとか、ジョー・サトリアーニとかスティーブ・モーズとか、あの辺のサウンドかなーとか、いや実はレニー・クラヴィッツみたいな感じかな、とか、リッチー・コッツェンみたいな感じ?とか予想してました(リッチー・コッツェンはこの中では割と近いけど)。
それまでの我が軽音楽部といえば、主に同期で入った部員なんかは、メタリカ、メガデスなどのスラッシュメタル系、レインボー、サバスなどの様式美系とか、ガンズ、モトリーみたいなアメリカンハードロックとか、そういうのが好きな人が多くて、自分も別に嫌いではないんだけど、決して好みのど真ん中でもないんだよなぁという状況でした。邦楽とかメロコアとかボン・ジョヴィみたいな売れ線は軟弱みたいなイメージで捉えられることが多く、ハードロック系以外は認めないみたいな排他的な空気が自分の周りにはあって、そんな空気感の中で、Thunderというブリティッシュハードロックバンドが好きになり、ハードロックなんだけどファンクを混ぜた曲が良いなと思い始めていた頃でした。Thunderですら、軟弱と呼ばれてましたけど。
Thunderの「Behind Closed Doors」に収録されている「Fly On The Wall」なんかは、ファンクロックで、かなり気に入っていました。しかし、その曲を知人は「ゴダイゴのモンキーマジックみたい」と表現してたりと、ファンクな曲が全部「モンキーマジック」で片付けられるくらい、ファンク臭がない集団だったんですね。
そんな中、6年目のコワモテ先輩の言われるがままに聴いたわけです。
その時聴いたのが「Back From The Living」でその1曲目がこの曲で、あまりのカッコよさにブッ飛んだわけです。その時の気分にドンピシャなサウンド。
ファンキーなドラムと、バキバキ言っているスラップベースと、ワウを使った耳に残るリフと、キャッチーなメロディで「俺はこういうの求めてたんだなぁ」と思ったのです。
この曲をコピーしたいと思ったんですが、結構時間がかかって、この曲を知って2年半後にようやく取り上げることができました。こういうドラムを叩ける人がほとんどいなかったってのが大きい。
ちなみに歌い出しは「I was born my daddy's son」なんですけど、そりゃそうだろと思わずにはいられません。
・Break It Out (The Legend of Johnny Puerco) (from 「Stevie Salas Colorcode / Alter Native」1996)
スティーヴィー・サラスが気に入って、他のアルバムも、というところで手に入れた2枚目のアルバムで、これまためちゃくちゃ良いじゃん!ということで、これまた聴きまくった曲。これもコピーしましたね。
冒頭のトリッキーなギターフレーズから始まって、ファンク一直線のサウンド。途中のブレークで「Please」をいろんな国の言葉で言うんですが、そこに「どうぞ」と日本語も入ってるんですね。「Back From The Living」が結構日本でも売れたので入れてくれたのかなーとか。
エンディングも良いなぁ。リフがどんどんハモりながら突進してくるんですよ。「Twist And Shout」のエンディングみたいに(分かる?)。
この曲はいろんなバージョンがあって、一番有名なのが「Alter Native Gold」のインダストリアル・テクノみたいなアレンジも、嫌いじゃないんだけど、やっぱり生音で跳ねてるオリジナルの方が好きだし、一番聴いたバージョン。
そういえば、軽音楽部に入った当初でまだサラスに出会う前に、違う先輩が「サラスのニューアルバム良いなぁ」と言ってたのを思い出した。時期的にこのアルバムだったんだろう。
・High Road Easy (「Sass Jordan / Rats」 1994)
大学の軽音楽部の隣に、なぜか同じような音楽を演奏している部活があって、そこのバンドがコピーしているのを聴いて「良いなぁこの曲」と思っていたら、それがサス・ジョーダンというカナダ人女性シンガーの曲だと分かり、買ってジャケット見てみたら、それもサラスのプロデュースだったということで、驚きました。
結局、隣の部活ではサラスが流行っていて、その流れが自分の部活にも来たってことなのかなと。サラスはこの頃、日本で結構売れていて(BURRNにはほぼ無視されていたが)、特に音楽やっていた人の中ではかなり評価が高かったみたい。
この曲ですが、最初に音源聴いた時は、「これ男の声?」と錯覚したほど。
サラスは組む人によって音楽性が変わるんですが、サスと組んだ時は、オーソドックスなロックでファンク色は鳴りを潜めています。ブルーステイストもあるかな?
ちなみに、「Tell Your Story Walkin'」のラストで、やたら高いコーラスが入ってますが、そのコーラスがこのサス・ジョーダンの声です。
・Start Again (from 「Stevie Salas Colorcode / Back From The Living」1994)
「Start Again」というタイトルどおり、Colorcode の再始動第一弾の曲で「Back From The Living」の中では、「Tell Your Story Walkin'」と双璧を成す有名曲で、切なくキャッチーかつポップなファンクロックで、そのせいなのかシングルカットもされてます。ファーストが玄人受けというか、そういう曲が多かったので、大分変わったなぁという印象を持った人が多かったんじゃないかな。
なんか、評論家筋みたいなところでは1stばかり取り上げられることが多く、この2ndは無視されがちで、そのせいか1stだけ聴いて分かった気になっている人が多くて嫌になりますが、サラスは2ndが至高。これは間違いない。
自分は持ってないですけどシングルになってて、裏には「Stevie Salas Colorcode II」がまもなくリリースと書いてありますが、この時はそういうタイトルだったんでしょう。後の「Back From The Living」ですね。それにしてもこのシングルが1994年の6月リリースで、「Back From The Living」が7月リリースってことは1ヶ月でアルバムタイトルが決まったってことか。
ヤングギターでも譜面が取り上げられるってのは、この曲が割と人気だった証拠ですね。
この曲から急激に音が良くなってます。この前が「Electric Pow Wow」 、その前はサード・アイの「Hardware」なんですが、突然変異のように音圧・分離ともに向上して、今聴いても遜色ないレベルになりました。「Electric Pow Wow」は前年リリースですが、グチャッとした音像で、1stよりはマシですが、あまり音が良いとは言えなかった。まあ普通のハードロック的な音質みたいな。それが突然垢抜けたサウンドになった気がします。
・Crack Killed Applejack (from 「Stevie Salas Colorcode / Back From The Living」1994)
これは「Back From The Living」の2曲目なので、2番目に聴いたサラスの曲なんですが、リフを聴いて「あ、これ知ってるわ」となった曲。無意識に聴いていたので、本当の意味で最初に聴いた曲かもしれません。これローカルの音楽番組の今週のチャートを紹介するコーナーのBGMで流れていたんですね。冒頭の極悪スラッピングはT.M.スティーブンス。今気づいたんですが、US盤にはこの部分がない?もったいない。貼ったYoutubeにもないんですよね。
ヘヴィなナンバーですが、P-FUNKとも違う。ヘヴィ・ファンクみたいな感じ。
ギターソロ序盤の謎転調がイカしてます。そしてすぐ転調戻るところも!
・Harder They Come (from 「Stevie Salas Colorcode / Stevie Salas Colorcode」1990)
80年代は、セッションミュージシャンとしてしばらく活動してましたが、1990年に自分の名前のアルバムをリリースします。それが「Stevie Salas Colorcode」というバンドで、そのファーストアルバムに収録されてる曲です。曲も演奏も良いんですけど、音がねぇ・・・音があまり好きじゃなくてスタジオバージョンはあまり聴く気になれない。殆どライブバージョンで聴いてます。
主にドラムの音なんですが、ゲートリバーブ・・・猫も杓子もゲートリバーブ。パワーステーションみたいなサウンドです。(ちなみにサラス自身はアンディ・テイラーのバンドをクビになった事を根に持っている模様)
ゲートリバーブってやっぱりかなり時代感を感じますね。サザンの「KAMAKURA」とか。
これが1994年の音になると全然違う。音圧も分離も良くなりますね。ちなみに1993年のElectric Po Wow だと、音圧は良いんですが分離は良くない。
この曲は代表作なのでベスト盤に入ることが多いんですが、リマスタリングで音圧は増してますが、ドラムのエコーはそのままなんですよね。リミックスしてくれないかなーと。
音の話ばかり書いたけど、これはTell Your Story Walkin のようにJBとロックの融合を目指したらしいです。某パクリ告発サイトによるとB'zの「Gimme Your Love」に似てると言われてますが似てないと思う。跳ねててファンキーってだけなら似てるけどそんな曲ごまんとありますから。
あとハードバップ風のイントロも良いんです。
※ 冒頭に萩原健太さんが出てる。
・Moving Through Sound (A Dedicated Jam To James Marshall) (from 「Stevie Salas Colorcode / Alter Native E.P.」1996)
これの元ネタはジミヘンの「Cross Town Traffic」ですね。サブタイトルの James Marshall はジミヘンのこと。イントロはトーキングモジュレーターなのかな?
この曲、めちゃくちゃ好きなんだけど、なんとなく影薄い感じありますね。アルバムに入ってないからかな?ベスト盤には入ってるんですけどね。
これはTOYOTAのチェイサーのCMソング。サラスの曲がCMに使われてたこともあるんですねぇ。今では考えられないけど。
チェイサーは既に無くなってしまいましたが。マークIIもないですね。栄枯盛衰。CMソングですが、シングルカットはされてないはず。
・Kickback (from 「Stevie Salas Colorcode / The Sometime Almost Never Was」1998)
この曲のリリース前の話ですが、深夜にラジオ(多分ノースウェーブ)を聴きながら車を運転していたら、この曲が流れて、「これは・・・サラスっぽいぞ?サラスの新曲なのか?」と思いながら聴いていたら、本当にそうだった、という思い出。サラスにハマってから、初めて手に入れた新譜で、当時はデジロック的な紹介をされてましたが、今あらためてよーく聴いてみると、ワウで強めのディレイかけたり、ハーモナイザー使ったりと、トリッキーなプレイが多くて、それがデジロック風に聴こえるのかなと。半分人力のデジロックなのかな?サラスには珍しくエイトビートの曲。
・Love Song (All Up In My World) (from 「Nicklebag / 12 Hits And Bump」1995)
バーナード・ファーラーをボーカルに迎えたユニットの曲。サラスはユニットによって音楽性が変わると書きましたが、こちらはヘヴィ・ロックというか、ヘヴィ・ブルース・ロックと言っても良いかもしれない。ツェッペリンを現代的にしたというか。
このユニットでは、ツェッペリンのカバーとかデヴィッド・ボウイのカバーがあったり、ビートルズの「I Am The Warlus」をやってたりと、ややブリティッシュ色が強いかも。バーナード・ファーラーのソロ・アルバムもサラスのソロ・アルバムもここまで重たいサウンドの曲はないので、パンテラとかニルヴァーナが出てきた時代故の、突然変異でこういうサウンドが生まれたのかなと。
スキッド・ロウも「My Enemy」とかやりだした頃ですし。こういうサウンド、BURRNではなんでもかんでも「グランジの影響」というワードで片付けられて忌み嫌われていたんだけど、確かに格好は良かったんですよね。ブラック・サバスも、「Dehumanizer」である意味「ブラック・サバス」に戻ったんですがそれも批判されてて、ちょっと意味わからない。
この時代の個人的ヘヴィ・ロックとしては、スキッド・ロウの「My Enemy」、ブラック・サバスの「Computer God」とこの曲がベスト3です。
・Soul Ecstasy (from 「Stevie Salas / The Soulbrasters Of The Universe」2004)
これはガチなスウィート・ソウルで、上のニッケルバッグとの振り幅はすごい。
こういう曲は意外にもそれまでなかったので新鮮でした。浮遊感溢れるバラードはあったんですが。 ファルセットで歌っている上手いボーカリストは誰なの?と思ったらサラス自身でそれも驚き。おまえ上手いじゃないかよ!
・Head On Collision (from 「Stevie Salas Colorcode / Be What It Is」2006)
稲葉浩志のアルバムに提供した「正面衝突」のセルフカバー。とは言え、サビは稲葉さんが歌ってますね。サビ来ると、やっぱり稲葉さんは歌上手いなぁと思います(笑)。本職はやっぱり上手い。サラスも決して下手ではないけど。
・Damaged (「Sass Jordan / Rats」 1994)
サス・ジョーダンのアルバムの一曲目ですね。イメージ的には、ジャニス・ジョプリンの「Move Over」に近いんですが、歌い出しなんかはZEPの「Black dog」っぽくもあったり。
・Cover Me In Noise (from 「Stevie Salas Colorcode / Alter Native Gold」1997)
これもチェイサーのCMソングだったんですが、しかしリアルタイムで一度も見なかった。一体いつどこで流れてたんだろう?という感じでした。これはシングルカットされて、今も持ってます。ちなみにそのシングルのC/WはCharのカバー。
・Stand Up (from 「Stevie Salas Colorcode / Stevie Salas Colorcode」1990)
良いんだけどゲートリバーブがねぇ・・・。やっぱりスネアはカンカン言っている方が好きなんだよなぁ。
デビューアルバムの一曲目。スタジオバージョンと90年代後半のライブバージョンではリフがまるっきり変わってます。後年のバージョンの方が好き。
パリのライブバージョンで聴けますね。
・Soulblaster (from 「Stevie Salas / The Soulbrasters Of The Universe」2004)
こういうのなんていうジャンルなのかな?好きですけど。ファンキーなハードロックがサラスの音楽性なんですが、ロックを取り除いてて、かと言って純粋なファンクかと言えばそんなこともなく、なんかコラージュが多くてサイケデリックな感じもするので、サイケファンクってことで良いでしょうか?
あとは「AISHI AISARE」でも聴きながらニューアルバムを待つことにします。
金かかってるPV、さすがB'z。