数週間前はBOOWYを聴いてたんですが、ここ最近は TM NETWORK を聴いてます。
この2組は同時代なんですが、ファン層は被らなそうだしあまり接点がなさそうなんですが、実は小室哲哉がBOOWY をギンギンに意識してたり(で、BOOWY サイドは何も意識してなさそう)と、なかなか面白い2組なんですね。詳しくは「小室哲哉ぴあ TM編」にて。
TM NETWORK 30th Anniversary Special Issue 小室哲哉ぴあ TM編 (ぴあMOOK)
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2014/04/21
- メディア: ムック
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自分がTM NETWORKを一番聴いていたのは、1990年頃(中2)なんですが、その頃はバラードとかかったるいな、と思ってたりしてたので、比重でいうとバラードはそんなに聴いてなかったと思うんですが、改めて聴いてみたらやっぱり結構メロディは知ってるんですよね。当時は聴くものの選択肢が少なかったからおなじアルバムをリピートして聴いていたってのがあるからかと思います。
むしろ「Love Train」を久しぶりに聴いたら、こんなメロディだったっけ?みたいな感じ。「Expo」あたりになるとそこまで聴いてなかったからかな?
そこで、以前、小室哲哉の20曲ってのを書いたんですが、その時は木根さんの曲をあえて外していたので今回は木根さんも含めてTMバラードで私的ランキング。
1. Fool On The Planet (木根尚登/1987)
なんといってもこの曲がナンバーワンだと思います。木根さんの曲なんですが、小室さんが24トラック使って多重コーラスを入れたそうな。
小室哲哉の談(2014年頃)
木根さんのバラードですね。先程話した山下達郎さんのコーラスのように(※)、自分の声をコーラスとして多重録音するという実験をさせてもらった曲なんですけど、多分24回くらいは重ねていると思いますね。24ch。全部ぼく一人の声でコーラスをやってるんですけど。10ccとか、ケイト・ブッシュ、マイク・オールドフィールドとか、多重録音に長けていた人たちみたいなことをやってみたかった。その中にはもちろん達郎さんの影響も入ってました。
※ 「Twinkle Night」の項で、「クリスマス・イブ」に衝撃を受けた話を受けて。
とのことで、「Self Control」に入っているオリジナル・バージョンはコーラスがふんだんに入っていて、それはそれで素晴らしいのですが、いかんせん80年代中期のサウンドを引きずっているせいか、リバーブが多めのサウンドで、音が籠もっているのがちょっと古い感じがするんですよね。エレクトリックシタールなんかはいい感じなんですが。
1989年にリプロダクション(≠リミックス)シングルの「Get Wild ’89」のカップリングとして、アレンジを大幅に変えて再リリースするんですが、こっちはかなり現代的で今でも古く感じないアレンジになってます。その代わり、拘っていた多重コーラスはオミットされてますけど・・・。特にこっちのバージョンはサビ裏で奏でられるエレキギターの下降オブリガートがすごく好きです。イントロも、オリジナルは時代を感じるシンセサウンドがこっちは生ギターのアルペジオで・・・やっぱりアコースティックなものってのは音像が古くならない。いや、そもそも古いんだけど、ずーーーっと変わらないので逆に古くならない。
オリジナルが1987年で、リプロダクションが1989年なので2年しか変わらないんですけどね。1990年頃にオリジナルを聴いたと思いますが、その時も既に古い音像だなーと思いましたから。「1974」とかも、レトロなシンセサウンドだなーと1990年当時に思いましたが、当時からするとたった6年前の曲。
ちなみに、「DRESS」はナイル・ロジャースとかバーナード・エドワーズのCHIC勢(だけじゃないけど・・)が、バックトラックを大幅に作り変えた「リプロダクション」で、この時のこの言葉の使い方は正しいのですが、いつの間にか、こういう大幅作り変えまでリミックスと呼ばれるようになってしまいました。1980年代中頃の12inchブームの時も、リミックスとは呼んでなくて「Extended Mix」とか「Extended Version」とか言ってたんですけど、それもリミックス。リミックスって本来的な意味だと、ミックスをやり直すだけだと思うんですけどね・・・。
2. Girl (小室哲哉/1986)
TMのバラードは、メジャーキーの曲が多いんですが、これはマイナーキー。不思議と小室哲哉作曲のバラードにマイナーキーが多いような。このはBメロが秀逸。
ちなみにこれが収録された「Gorilla」は1986年発表で、「Self Control」より前なので、こっちの方が古いんですが、なぜか「Gorilla」の方は全体的に音が古く感じないんですよね。全体的に「Gorilla」の方がFUNK寄りで、P-FUNKなんかもそうですけどチープなキーボードでもFUNKなら古く感じないってのもあるかもしれません。
3. Time (小室哲哉/1985)
SPEEDWAYの頃からある古い曲、とのことなので、1980年頃から温めてたんでしょうか?
これもリプロダクションの方がサウンドは好きなのですが、「Childhood’s End」自体、アコースティック寄りなサウンドなので、オリジナルがそこまで古いとは感じません。
4. Still Love Her (小室哲哉&木根尚登/1988)
割とアップテンポでビートも効いているのでバラードか?と言われると外れるかもしれないけど、曲調的にはバラードかなーと思い、入れてしまいました。「Carol」のサウンドもアコースティック寄りなので、全然古く感じない。ハーモニカソロとピアノも良い。「ラララ」コーラスがいかにもTM的ではありますが。
5. Winter Comes Around (木根尚登/1988)
これも「Carol」からで、完全にアコースティック。数年前にNHK BSプレミアムで「Carol」のマスターテープを聴き直す番組があったんですが、それでこの曲が流れていて改めて良いなと。作詞者の小室みつ子さんもロンドンでのレコーディングに同行して歌詞を書いたらしく、「ロンドンの冬」感が強い曲。個人的にも中2の冬を思い出す曲です。
6. Telephone Line (木根尚登/1987)
「ミルキーウェイがー降りてくるー」が聴きたくて聴く、そんな曲です。
7. Confession (木根尚登/1986)
これはリプロダクションよりもオリジナルの方が好きかも。と思ったらやっぱり「Gorilla」のサウンド。
8. Electric Prophet (小室哲哉&木根尚登/1985)
これは異色作。小室哲哉が逮捕された時に「消費音楽の象徴」みたいな雑なレッテルを貼っていた学者がいましたが、小室ブームの頃のイメージしかないんだろうなーと。この曲を消費してみろよ、と言いたい。
ちなみになんかわからないんですけど、僕はこの曲を聴くと、ブランキー・ジェット・シティの「悪い人たち」を思い出してしまうんですよね。あと井上陽水の「最後のニュース」も。
9. Sad Emotion (木根尚登/1986)
キーボードとフィンガースナップだけの装飾を極力省いた静的なアレンジで素晴らしい出来。
なんか山下達郎を思い出す感じで。時代はこれより後ですが、「シャンプー」とか「セールスマンズ・ロンリネス」とか。
10. 1/2の助走 (木根尚登/1984)
音が時代を感じるんですが、曲自体は良いです。AOR。
以上。