LAST GIGS -THE ORIGINAL-(完全限定盤スペシャルボックス)(4CD+トートバッグ他封入)
- アーティスト: BOΦWY
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/06/12
- メディア: CD
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BOOWY の LAST GIGS - THE ORIGINAL - というのがリリースされておりまして、僕はこの情報を殆どキャッチしていなかったのですが、つい先日 TSUTAYA で見かけて思わず借りてしまいました。
LAST GIGSは僕は最初どこで聴いたのかな・・・?
まず、氷室京介の「JEALOUSYを眠らせて」がドラマの主題歌で、この曲を友達が持っていたので、TM NETWORKと徳永英明と同じカセットテープにダビングしてもらって、家でひたすら聴いていたのが中2の春。その後、夜ヒットの懐かし映像で、BOOWYの演奏シーンを見て、「作詞:氷室京介」という文字を見て、「ああ、あのよく名前を聞くBOOWYって氷室京介がいたバンドなのか〜」とBOOWYを認識したのが中2の秋。
その時流れていた「わがままジュリエット」と「ONLY YOU」が聴きたいと思って、近所のレンタルCD店に行ったら、中古落ちの「SINGLES」を見つけて1000円で買ったのが中2の冬。そのレンタル落ちがバレバレのCDはに貼られたバーコードが嫌で、カッターを使って剥がそうとしたらCDを傷つけてしまって、1曲めから4曲目まで聴けなくなったのは未だに後悔している思い出。
オリジナル・アルバムも聴きたいと思って、「BEAT EMOTION」を借りたのが、多分中3の春。その頃にはアルバムはほぼ聴いていて、5月には、BOOWYの曲をぎっしり入れたカセットテープと”なんちゃって”ウォークマンを携えて修学旅行に行った覚えがある。なので、おそらくLAST GIGSを聴いたのは中3の春くらいだろう。初めて聴いた時は、「もっとサビ歌ってくれないかなー」と思ったのものだ(氷室京介あるある)。
で、この時の12曲の印象が、あまりに強い。本当はもっとたくさんの曲を演奏したってことは知っていたんだけど、LAST GIGSと言われて思い浮かぶのは12曲。
で、高校に入って、知り合いに、LAST GIGSのビデオを持っている人がいると聴いて、「何?そんなのあるの?」と驚いた記憶がある。ビートルズとかパープルの海賊版はよく見るけど、邦楽の海賊版って僕は札幌では見たことなかったんですが、一体みんなどこで手に入れていたんでしょう?当時はYouTubeどころか、インターネットさえない時代なので、そういう映像を見るのは一苦労でした。僕は、BOOWYマニアの友達の家で、見たこともない数の海賊版を見せてもらったんだけど、「ここで聴くのは良いけど、これを貸すこともできないし、どこで買ったかも絶対に言えないので勘弁して」と言われて「ぐぬぬ」と。彼が一体どこで買っていたか、未だに知りません。
大学に入ると、そのLAST GIGSのビデオを持っている人がいて、その人は普通に貸してくれました(笑)。ただ、テープ自体はもう数回ダビングされていたのか、粗いもので普通に見れたものじゃなかった。
で、2001年にLAST GIGSのVHSとDVDがついに公式に発売されるんですね。ただし、この時はCDと同じ12曲。海賊版で見ていたはずの「ON MY BEAT」は入ってない。でもキレイな映像で最後のライブを見れるのは格別でした。ただ、釈然としないものはありますよね。
で、2008年に、20周年ということでLAST GIGS COMPLETEという名の、全編収録のものが発売されるのですが、本当は2DAYS だったことは知っているので完全版ではない。
今回の THE ORIGINAL は、以前 GIGS NAKED でリリースされたような仕様で、つまり、ミスもそのまま収録したものというもの。特に出来が悪いと言われていた初日はたしかにミス連発で、結構新鮮な作品です。しかも今回こそ正真正銘の完全版ですね。で、改めて聴いていて思ったことですが、最初の LAST GIGS は全部二日目のテイクだったということ。何曲かは初日かと思って、初日のテイクを聴いていたら全然違うんだな。パープルのLIVE IN JAPANも、東京と大阪から選ばれていて、ちょっと大阪が多めだったりしてて、BOOWYもそういう選び方かなと思ったんですが。あとCASE OF BOOWYも横浜と神戸でMIXされていたのでそういう感じかなと思ったんですが、全部2日目。
ミックスも結構違ってますね。細部がグチャッとしていた音像ですが、エコーが控えめになってバックコーラスもくっきり聴こえる気がします。
で、その過程で思ったのは、布袋寅泰がそうとうに神がかっているということですね。
もう本当にすごいとしか言いようがない。
布袋寅泰のギタースタイルとしては、アドリブタイプではなくて、ある程度の決まったメロディを奏でるスタイル、という感じで思われがちですが、2日間のギターソロを比べてみると、これは外せないという決めフレーズはオリジナルのまま弾くけど、それ以外の箇所は2日間で全然違うものを弾いているということに気付かされました。たしかに、これより前のライブ作品を聴けば、同じ曲でも異なったギターソロを弾いているものはありますが、たった二日間で全然違うことをやろうとしているのに驚きます。特に「わがままジュリエット」のギターソロは圧巻。手癖みたいなギターソロじゃない。口ずさめるようなメロディのギターソロを2日、別のスタイルで行うという凄み。また僕はこの曲が好きなんです。
BOOWYって8ビートロックみたいなイメージが強いんですが、これはAORといっても良いんじゃないかな。ジャンルも多彩で、ヤンキー的ビートロックみたいな感じで言われるとなんだかなーと思うのですが。レゲエもあるし、カリプソもあるし、アフロビートもあるし、デジタル・ロックとか退廃的なヨーロピアンな雰囲気の曲もあるし・・・LEBEL OF COMPLEXとか、BAD FEELINGはファンクですし。(※ 鈴木雅之の最新作で布袋寅泰が参加してますが、「BAD FEELING」みたいなギターを弾いてくれと頼んだと言います)
GIG を重ねる毎にアレンジが変わっていくという意味では、MORAL の頃の「Image Down」と最後の「Image Down」は全然違うってのもあって、この最後の最後の「Image Down」はこれ以上ないくらいのベストテイクですね。アルペジオ的なバッキングフレーズも良いし、最後のサビの上昇バッキングも最高に良い。
僕がギターを始めたのは布袋寅泰の影響なのですが、改めてすごいギタリストだなと。こりゃ真似して弾きたくなるなぁと久しぶりに聴いて、改めて思った次第であります。