達郎さん気管支炎ということで、コンサートもラジオもお休み。全快を祈っております。
さて、サンデー・ソングブックのピンチヒッターは宮治淳一氏でした。
※ いつも思うのだけれど、野球の場合、ピンチじゃない時も代打が出ることがあるので、チャンスヒッターの方が合っているのではないだろうか・・・。
その宮治淳一さんの選曲でブリンズリー・シュワルツ(※ ブリンズリー・シュウォーツは言いづらいのでシュワルツに統一します)の「Peace, Love, and Understanding」がオンエアされました。サンソンでブリンズリー流れたの初ですかね?サンソンでパブ・ロック系って殆ど流れない感じです。
さて、僕はこの曲、ブリンズリー・シュワルツのバージョンよりもエルヴィス・コステロのバージョンの方が馴染みが深いわけで、このバージョンとの出会いは、かれこれ25年前に遡ります。
1990年、中2の頃、TMネットワークに夢中だった札幌の片田舎に住んでいた少年(私)は、夜のヒットスタジオデラックスの最終回特番で流れた、既に解散から3年ほど経過していたBOOWYに衝撃を受け、その後、BOOWYに傾倒するようになりました。
BOOWYのアルバムを聴き込んだ後は、氷室ソロ、布袋ソロへとなだれ込みます。その頃はソロアルバム2~3枚目あたりの頃。シングルCDもレンタルショップに合ったので聴き漁ってました。そして出会ったのが、「Misty」の8cm CDシングル。これのカップリングに入っていた「Accidents Will Happen」という謎のカバーソングに衝撃を受けます。
「なんて気持ちの悪いコード進行なんだ・・・」
「でも妙に何度も聴きたくなる」
「作者がエルヴィス・コステロ?誰やねん!」
それから数年経ったある日、街の中古CD店でエルヴィス・コステロのアルバムが大量に売られているのを見つけます。「あのエルヴィス・コステロか!」と思わず購入してしまいます。その時に買ったのが2ndと3rd。
これはCD化された最初期のColumbia盤で、当時ちょうどライコディスクのリイシューが始まった頃で、手元にあった古い盤を売りに出した人がいたのでしょう(見知らぬ人に感謝)。
3rd「Armed Forces」には「Accidents Will Happen」が入っていたので、このアルバムを中心に聴いていましたが、これの最後に収録されてた「Peace, Love, and Understanding」も大層気に入って、自宅でヘビロテしていました。ただ、これ、作曲者にコステロのクレジットではなく「Lowe」と書かれていました。プロデューサーがどうやらニック・ロウという人なので、その人の曲?カバー曲なのかな?と思いながら、当時インターネットもない時代。当時すでに発売から14年経過しているし、コステロについて書いた本などほぼない時代。そのままスルーして過ごしていました。
この頃、周りにはコステロを聴いている人などいなく、高校で一人布教活動をしていました。
※ 布袋寅泰のマニアな人は結構いたんですが、割とデヴィッド・ボウイ、T-REXあたりで掘り下げが止まっている人が多かったイメージ。コステロ、スクイーズ辺りまで聴いている人は少なかったんじゃないかな?
※ ちなみに(物心ついてからですが)コステロが日本で盛り上がったタイミングが2回ほどあって、一度目がミスチルがシーソーゲームをリリースした時(1995年)と、二度目がチャップリンの「Smile」をカバーしてキムタクのドラマの主題歌になった時(2002年)ですが、この時は来日公演も大盛況でした。
そんなある日、街角の小さいレコード店で「Peace, Love, and Understanding」が流れてくるではありませんか。これがカバーだったのかオリジナルなのかはもう思い出せませんが、少なくとも、聴き馴染んだコステロのバージョンではなかった。
いつもはビーイング系とか虎舞竜とかが流れていたその店で、何故か頻繁に聴いていたPLUが流れてくる。それほど有名な曲でもないのになぜ?という思いで聴いていました。この時は、凄い奇跡だなぁと思ったんですが、ひょっとすると、その店ではボディガードのサントラを流していたのかもしれません。
※ ただ、こんなサザン・ソウルみたいなアレンジだったかなー?ブリンズリーのバージョンを聴いた可能性も無きにしもあらず。
そんなこともあり、この曲には何か運命的なものを感じていて、新婚旅行での旅行先でオリジナルTシャツを作るアクティビティに参加したのですが、そのときも「Peace, Love, and Understanding」という文字にしたくらい。
この曲がブリンズリー・シュワルツの曲だと知ったのは割と後で、昔、狸小路のアルシュにゴチャゴチャのCDショップがあり、そこの店主と「コステロ好きなんですよね」というと、「ブリンズリーなんてどう?ニック・ロウの Peace, Love, and Understanding入ってるよ」なんて教えてもらったんだっけ。
ということで、ニック・ロウが作ったこの曲には結構思い入れがあるわけですね。
ブリンズリー・シュワルツのオリジナルバージョンは、フーのババ・オライリーみたいなリフで始まり、フォーク・ロックというかカントリー・ロックみたいなアレンジですが、コステロのバージョンは、ババ・オライリー的なリフも改変され、タムで刻んだリズムと歪んだギターが印象的なロックチューンに生まれ変わってます。
この曲のカバーバージョンは結構ありますが、印象がかなり違うのでどっちをベースにカバーしたかは聴けばすぐ分かります。ストライプスはブリンズリー・シュワルツのバージョン。ブルース・スプリングスティーンとシェリル・クロウはコステロのバージョン、みたいに。
僕は断然コステロバージョンが好きですが。ライブバージョンが特に良い。
ちなみにエルヴィス・コステロのバージョンは、当初ニック・ロウの「American Squirm」のB面としてリリースされました。
このときの名義が「ニック・ロウ&ヒズ・フレンズ」で、コステロの名前はなし。なので覆面バンドみたいな感じですね。つい最近、BiSHが「CARROTS & STiCKS」でフェイク盤をリリースしましたが、そんな感じ。
時期としては1978年の10月で、2ndと3rdの間くらい。後に3rdのアメリカ盤に収録されますが、実は音像としては3rdっぽいキーボード強めのアレンジよりではなく、2ndっぽいギター強めのアレンジ。
声を聴けば、「これコステロだろ?」とすぐ分かるし、ジャケットを見れば「Costello」と書かれたジャズマスターを持っているし、そもそも当時、ニック・ロウはエルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズのプロデューサーだったので、バレバレではあります。