俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

こち亀と私

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僕は両津勘吉が言うような、「昔は読んでた」「続いて欲しかった」という典型的なファンなのでスミマセンとしか言いようがないのですが、それでも自分の幼少期〜青年期にかけてかなり影響を受けた漫画が「こちら葛飾区亀有公園前派出所」であることは間違いないです。

昔、同じ週刊少年ジャンプで「県立海高校野球部員山下たろーくん」というのがあったが、秋本治先生リスペクトだったんだろうか。その秋本治先生はかつて「山止たつひこ」というペンネームでこち亀を書いていました。「ガキでか」の山上たつひこペンネームのパロディになります。超初期のこち亀ジャンプコミックスは「山止たつひこ」名義。これが従兄弟の家にあって興奮した記憶があります。尊敬する漫画家の名前ももじってペンネームにすることはよくあるんでしょうか?藤子不二雄手塚治虫をもじって足塚不二雄としていたことがあります。

その藤子不二雄A先生の「まんが道」では仕事を受け過ぎて原稿を落とす、という事件が描かれてます。A先生にとってはトラウマになっているのか、同じエピソードが何度も何度も描かれます。まんが道ではその後、週刊少年サンデーの仕事を受けるのですが、漫画の原稿をあげるまでに四苦八苦するシーンや、前述した原稿を落とすシーンを読んでいたら毎週原稿をあげることなんてできるのかいなと思ってしまうわけですが、秋本治先生は40年間一度も落とさずにやり遂げたということで、それは物凄いことだなと感服します。

実はこち亀の連載開始と僕の誕生日はかなり近く、一ヶ月程度しか差がありません。そんな理由で勝手に親近感を持ってた漫画でした。ちょうど大学生のころ、20歳の時に100巻が発売されて、講義が終わって帰る時に銭函のコンビニで買ったのはハッキリと覚えてます。20歳で100巻ということは、40歳で200巻。まだまだ続くのかな?と近頃ぼんやりと思ってた矢先の出来事でした。

そもそも、こち亀とどうやって出会ったかというと、あれは1987年、小学校5年生の時。「ハイスクール!奇面組」という漫画が読みたくて、週刊少年ジャンプを買った時に、こち亀を読んだという感じです。それまでもこち亀の存在は知っていたけれど、おじさん警察官が主役の漫画がどうにも触手が伸びず読まず嫌いだったのですが、ジャンプで読んだら途端に一変し、一瞬でファンになりました。

当時は藤子不二雄のファンでもあって、ドラえもんは小学生にとって、「やろうとしてもできないこと」を実現してくれる漫画として、ワクワクしながら見てたのですが、こち亀も結構そういう回が多く、僕にとってはドラえもんの代替として、ワクワクする漫画だったのです。

とは言え小学生のお小遣いは限られているので、当時は50巻くらいまで発売されてましたが(この時点で既に長寿漫画と言われてました)、全部買えるはずもなく、20巻あたりから50巻までの間を疎らに買う、みたいな感じでした。初期は絵柄が怖かったのであまり買おうとは思わなかったです。

中学生を経て、再びこち亀に興味を持ったのが高校2年生の頃。1993年になります。キッカケは単行本の82巻。両津勘吉がおにぎり屋を始めて、向かいのハンバーガーショップと対決して、ハンバーガーショップはやがて手を広げすぎて訳のわからない店になり、やがて駐車場になるという話が収録されてます。これをラパーク篠路の本屋で立ち読みしてたら一人で爆笑してしまったのです。周りには気持ち悪がられたことでしょう。同時期にカメダス(※名前の元ネタは当時有名だったイミダスという百科事典)というこち亀百科事典が発売され、それもあってこち亀熱が復活し、全巻揃えようと決意し、当時の最新巻まで集めだしました。それで20歳までに100巻集めてましたね。こち亀以外の作品も全部揃えてました。・・・読みたくなってきた。家の中探せばあるはず。

その後は興味が他の事に移ったり社会人になったこともあり、思い出した時に読むという感じのオールドこち亀ファンなのです。

こち亀を通して買った時に面白かったのは、こち亀というのは昔から当時の流行をいち早くキャッチアップしていたため、自分の幼少期の世相がこち亀を通して分かるという点でした。特に僕の場合、こち亀と全く同じ年齢ですので、昭和51年、0歳からの世相をこち亀で学びました。ファミコンが流行る前に、「テレビゲームなんて今時流行らないだろ」みたいなセリフがあったり(アタリショック?)、大学生はサザンとユーミンを聴く、みたいなセリフとか、色々と興味深いです。

あと、今の単行本では消されてますが、コマの空きスペースに私信みたいなのが書いてあってそれを読むのが楽しかったり・・・所ジョージサバイバルゲームやってたのか〜とか。懐かしい。

幼心に印象に残ってる話としては、23巻の派出所に爆発物がなぜかどんどん集まり、最後は爆破してしまう話とか、12巻の三億円事件の話とか、まあ色々あります。色々あり過ぎて、しかも巻数も多いので読み返すのも大変なのでこのくらいにしておきますが、とにかく、こち亀は僕の幼少期に多大なる影響を与えた漫画なのです。

秋本治先生、お疲れ様でした。