俺の記憶ストレージ Part 1&2

色事を担当する色男

ライブ記録:井上陽水 RSR 2007

日時:

2007/8/17

会場:

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2007 in EZO 1日目
石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
SUN STAGE

メンバー:

井上陽水(Vo&G)
小島良喜(Key)
今堀恒雄(G)
今剛(G)
美久月千晴(B)
山木秀夫(Ds)

セットリスト:

 1.アジアの純真
 2.東へ西へ
 3.Make-Up Shadow
 4.リバーサイドホテル
 5.三日月(絢香カバー)
 6.少年時代
 7.長い猫
 8.氷の世界
 9.最後のニュース
10.夢の中へ
11.傘がない

 

メモ:

ホルモンの後に井上陽水。ホルモン目当てで行って陽水に魅了されたルポルタージュを、当時の拙い記録から転載します。

 

ホルモンを見た後、汗だくになりながら脱出。お次はSun Stageの Beat Crusaders と行きたい所だが、疲労困憊により遠巻きに見る。正直に告白すると、Beat Crusaders はそんなに好きではない。このRSRに行くために予習しようと思い、何枚か借りたのだがあまり好きにはなれなかった。どうしても曲が単調で。明るい耳障りの良いメロディーとパンキッシュな演奏を英語詩で演奏するって感じのバンド、滅茶苦茶多いですね。

僕はGreen DayとかOffspringはそこそこ好きでした。彼らが出てきた当初(1994~1995年頃)はメロコアなんて言葉はなくて、パンクのジャンルで紹介されていました。だけどパンクファンからは「あんなのはパンクじゃない」と一蹴されていました。僕は Beat Crusaders にはこう言いたい、「あれはメロコアだ」と。「あんなのはパンクじゃない」ってのは、よく考えると、褒め言葉なんです。新しいジャンルを作ったということ。メロコアみたいのを当時にやっているバンドは少なかった。今やメロコア風バンドが大勢を占めていてRSRに来ているバンドにもそういうのが多かった。もしくはBlankey Jet City や Thee Michiel Gun Elephant 辺りに影響された、もしくはBJCとTMGEの元メンバーがシャッフルして作ったバンドとか(まるでパープルファミリー)、RSRに来ているロックなバンドはそんなのばっかり。

ちなみにELLEGARDENも遠巻きに見ましたが、彼らも洋楽風の曲をやっているなあという感じで、ファンの方には申し訳ないが、オリジナリティみたいのはあまり感じられない。言っちゃ悪いが90年代の洋楽を模倣したラブ・サイケデリコなんじゃないの?という感じだ。こういうことを書くと、「そんなことを言い出すと全部パクリになるじゃん」と言われる。そうなんです。パクリなんです。でもパクリと言うとあれなので、敢えてフォロワーと言わせてもらいましょう。今の世の中はフォロワーだらけである。これはもうしょうがない。何の影響も受けない人なんているわけがないのだから。だからそのフォロワーの中でもどれだけオリジナルなものを注入できるかにかかっている。マキシマム ザ ホルモンだって全てがオリジナルなわけではない。ギターサウンドやリフはPanteraに影響されてるし、曲はメロコアとMetalバンドからの影響だし、ベースはレッチリだ。彼らが凄いのはそうでありながらも物凄い個性を発揮しているところ。奴らは只者ではない。正直ホルモンを聞いた後に、ビークルELLEGARDENを聴いても聴きおとりしてしまうのだ。

RSRはRock Festivalと銘打ちながらRockじゃないHip Hopみたいな人達も来る。それは構わないが、だったらRockのジャンルをもうちょっと増やせと言いたい。具体的に言うとHR/HMだ。ギターソロをやらないバンドが増えている中、ギターソロの凄さを見せ付けないといけないのではないか?ここは一つ、日本人アーティストだけに拘らないで海外からも召集してはどうだろう。例えば再結成Van Halenとか、Zakk Wyldeを連れてOzzy Osbourneとか、Dave Mustaineを引き連れて初期Metallica1日限りの復活とか、そういうこともやって欲しいなぁ。別に邦楽が嫌いな訳じゃないんだけど、メロコア/スカバンドとかBJC・TMGE系バンドが多すぎて食傷気味です。

さて、長々と書いてきましたが、今回一番感動したのはなんと言っても井上陽水だった。木村カエラと時間がかぶっていたのでどっち見ようか迷ったが、陽水を見て正解でした。会場に行ったら思ったよりも結構空いていて割りと近くで見えました。近いといっても30メートルくらい離れてましたが。セットリストは順不同ですが、アジアの純真、東へ西へ、Make-Up Shadow、リバーサイドホテル、氷の世界、少年時代、最後のニュース、夢の中へ、傘がない、で1曲だけ知らない曲が。猫がなんたらって歌詞の曲です。あとサプライズな曲がありましたね。三日月。絢香さんの曲ですが凄く良かった。それにしても演奏が上手い熟練のメンバーを揃えてきました。よく聞き取れなかったんですが、陽水が「井上陽水と・・・・・・カムチャッカのマフィアです」と紹介していた(違っていたらすみません)。でも「スパシーバ」と言っていたのでカムチャッカは正しいと思う。

アジアの純真」は、ほぼ原曲アレンジそのまま。いきなりこれかと思ったがライブで盛り上がるには良いかも。「Make-Up Shadow」も原曲アレンジ。これらの陽水作曲でない曲よりも、やはり陽水作曲の曲が良い。リバーサイドホテルはイントロのラテン風パーカッションを聴いた瞬間、リバーサイド来た~!と思ったのに客が全然盛り上がらない。その後有名な「ダッッダッッダ」というベースライン聴いてちょっと盛り上がって、「誰も知らない~」と歌いだしてからは観客から物凄い歓声。胸を撫で下ろしたが、みんなイントロのパーカッションだけで気づけよと思いました。あと猫がなんたらって曲はわからなくて、その次にファンキーアレンジになった氷の世界は途中まで何の曲か全く分からなかった。これはアレンジが変わっていたのでしょうがない。「毎日吹雪吹雪」のところでようやく気づいた。絢香さんの「三日月」はレゲエアレンジで最初何の曲だか分からなかった。歌いだし聴いて、あれこの曲なんだっけ、聴いたことあるなと思ったがサビがくるまで思い出せずにいた。これもなかなかいい曲ですね。絢香さんの曲は実は結構好きです。最近のJewelry dayとか。是非Elvis Costelloとコラボしてもらいたい。話が脱線しましたが、「最後のニュース」も良かった。ギターソロをキチッと聴かせる。RSRで初めてキチンと聴いた泣きのギター。こういう泣きのギターをもっとRSRで聴きたかったな。「夢の中へ」はちょっとビックリ。初めて陽水のライブを見たんですが、毎回やるんですかね。「夢の中へ」ってライブではあまりやらないのかと勝手に思っていました。最後の曲は「傘がない」でした。いやー陽水のオーラが凄かった。陽水見れただけでもRSRに来た価値があった。

そんなわけで陽水に感動したあとはステージを見ずに、遠巻きに聴いただけで22:00頃帰りました。陽水には心底感動したが、やはり出演するメンバーには不満。もっと俺が好きなアーティスト揃えてほしいです。洋楽アーティストが無理ならですね、Love Like Rock のフォーマットでaikoを呼んだりとかですね、東京事変を呼んだりとかですね、ウルフルズとか、氷室と布袋のコラボとか、その辺もお願いしたいですね。特に今年は矢沢を呼んだなら来年はヒムロックを希望。絶対に行きます。「ライブハウス ライジングサンロックフェスティバルにようこそ」って言ってくれます。多分。 

 

10年前の僕はやや余計なことをたくさん書いてしまっていた模様です。

あれからビークルはラジオを聞いて、この時よりはちょっとだけ好きになりました。エルレに対しての印象は変わりません。ま、ビークルもそうなんですが日本のバンドでわざわざ全部英語詞にするってのがどうもねぇ・・・。スコーピオンズとかハロウィンのようなドイツのバンドですが、英語で歌ってるんですよね。でもそれが日本人の僕でも分かるくらいの簡単な英単語の羅列なんですよね。つまり英語ネイティヴの人が聞くとどう聞こえるのか。童謡のように聞こえてしまわないだろうか、と。

僕は日本のバンドは日本語で歌ってほしいと思ってます。英語がネイティヴな人なら英語で良いと思います。要するに母国語が良いということです。

以前、めちゃイケヨモギダ君って人がいて、その人がメロコアパンクバンドをやってて、オリジナル曲をお父さんに聴かせるという企画があったんですが、それが英語詞だったことがあります。当然、歌を聴かせたいと思ったお父さんには、メロディしか届かないわけで、せっかくの歌詞とメロディの複合体で伝えたい相手に表現できるチャンスなのに、ボーカルがただの楽器になってしまってるわけですよ。それが勿体無い気がするのです。

ロックに日本語が乗りにくいなんて話は、はっぴぃえんどを始めとした先達の発明から、桑田佳祐の登場で最終的には死んだ話だと僕は思ってますので。

世界進出を目論んでるにしても、はっぴぃえんど(細野晴臣/松本隆)の「風をあつめて」なんかは、今や日本語のまま海外で人気曲となりましたし、マキシマム・ザ・ホルモンだってデタラメ英語風の実は日本語の歌詞で海外でも人気です。日本人が英語で歌っても「チョト・マテ・クダサーイ」みたいに聞こえちゃって逆に良くないんじゃないだろうかと思うことしばしば。

 

本題の井上陽水の話に補足すると、僕は音楽はじっくり聴きたいタイプです。陽水が良かったのは、陽水の類稀なる個性的な声と上手い歌、サポートメンバーの上質な演奏をじっくり聴けたからです。この時全然知らなかったのですが、ギタリストは今剛さんです。上手くて当たり前ですね。テレビで見るたびに上手いなあと思います。

 

www.youtube.com

※RSR2007の動画発見

 

最近(2016年現在)行ったものだと、山下達郎のコンサートが理想的でした。いきなりスタンディングするわけでなく、騒ぐわけでもなく。

よく「騒がないと演者に失礼」みたいなことを言い人がいますけど、僕はそう思いません。ビートルズだって客が騒ぎすぎで全く演奏を聴いてないのが嫌でライブをやめてます。

観客席が演者の演奏を掻き消すくらい大声で歌ったり、ダイブしてモッシュして音聴いてなかったり、バーベキューのBGMとしてバンド演奏を聴いたり、そういうのは全く好きじゃないのです。

あと、普段大して音楽を聴かない人がライジングサンに行ってフェス最高!みたいな、そんなフェスのノリが嫌だったってのもあります。一緒にされたくないみたいな。傲慢ですかね。でもやっぱり深層心理では今でも思ってしまいます。だけど、そういう人を取り込めるパワーがあるからこそ、こういうイベントは成功してるわけです。でもやっぱり僕はなんかはこれが音楽鑑賞の姿勢としてはピュアじゃない気がしてるんですね。しょうがないです。

 

ちなみにこの年のライジングサンは過去最高の入場者数で、仮設トイレには延々と人が並んでました。イベント終了後のBBS(※twitterはまだ普及してなかった)がめちゃくちゃ荒れていたのを思い出します。

 

GOLDEN BEST

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