俺の記憶ストレージ (Part 1 & 2)

溢れ出る 色の渦 巻き込む パレード デイドリーム

佐村河内とオジーと俺の仕事と。

レコード・コレクターズ 2014年2月号は、ビートルズ特集。他の雑誌のビートルズ特集なら買わないが、レココレのビートルズ特集なら買ってしまうのは何故なのか。やっぱり面白いからだな!「ビートルズvsローリングストーンズ」とか、「レノンvsマッカートニー」みたいな某雑誌の今更感のある特集は見出しからして全く読む気がしないけど「ザ・ビートルズ 1964:日米デビュー元年の実像」みたいな見出しを付けられたら興味津々ですね。

何が興味深かったかというと、「衝撃的なビートルズの音楽は瞬く間に日本の若者の心をとらえた」なんてのは嘘っぱち!と書いてあるところ。ビートルズ来日時にベートルなんとかというのはいったい何者だ?そんな連中に武道館を使わせるわけにはいかない」と当時既に爺さんだった正力松太郎が言ったのは有名な話ですが、若者の中にも「長髪は不潔」「あれは騒音であって音楽ではない」「ブームに乗せられて軽薄極まりない」などと言っていた人もいたとか。

そういえば別冊宝島の「1960年大百科」に載っていた平凡パンチもなかなか強烈。

「切手になるほど君達は偉いのか?」とか、ポールを模したシルエットの横に「おやおや日本人がみんなお金に見えてきたぞ」とか書かれてたりして、かなり反発されてたんだなーってことが伺えます。

日本で始めてビートルズにインタビューした(らしい)星加ルミ子さんも、最初にビートルズを聴いた時にそんなに良いと思わなかったと言っていたし(日本ロック雑誌クロニクルに書いていた)、いつの時代も新しいものが出てくるとこういうことを言われるんですね。

ところで、レノン=マッカートニーのソングライティングチームについて、ビートルズ結成の初期こそ本当に共作していたけど、中盤くらいからべつべつに書いていたことは、そんなにファンでなくても知っている話。藤子不二雄みたいなものですな。ジョンが歌ってればジョンの書いた曲、ポールが歌っていればポールの曲。Give Peace A Chanceなんかジョンのソロ曲なのにクレジットはLenon-McCartney。あれ?でもこれって今話題のゴーストライター騒動に似ている?「実はポールは書いてないのに、ジョンとヨーコのバラードを手伝った見返りに共同クレジットなんて、詐欺じゃないか?」的な。

かつて自分が2つ前の会社にいた頃、日本の某有名電機メーカーの下請けとして、ある家電機器のソフトウエアの製造をやっていたことがある。ソースコードには著作権表記を行う必要があり、その時の表記は自分の名前でもなく、当時自分がいた会社の名前でもなく、委託元の会社の表記にしていた。つまり、自分と自分の会社はソースコード作成の対価を金で受け取る代わりに委託元に著作権を譲渡していた。つまり、「委託元の電機メーカーはあたかも自分たちの作品であるかのように一般諸費者を欺いていたのである!」的な。

上の二つは、ま、そういうもんだから、的な話で片付く気がする。

今回のゴーストライター騒動で真っ先に思い出したのはオジー・オズボーンの「月に吠える(Bark At The Moon)」の作曲クレジットについての話。このアルバムの作曲クレジットは全曲「オジー・オズボーン」名義なんだけど、オジーのアルバムは大抵、その時々のギタリストによって曲調が変わるので、オジー単独名義ってのは普通ありえない。ランディー・ローズの時とジェイク・E・リーの時とザック・ワイルドの時の曲はやっぱり違うのだ。いつかのBURRNかなんかで読んだことがあるのだが、確かマネージャーで妻のシャロン・オズボーンに「リスナーの夢を壊さないでほしい。どういうことかわかるでしょう?」みたいなことを言われて、作曲クレジットを「オジー・オズボーン」単独名義にされたらしい。でもメインで作ってたのは多分ジェイクとボブ・ディズリーだと思う。(この文を書いた後で今月号のBURRNを読んだらタイムリーにもジェイクのインタビューが載ってて、この話に言及してました。作曲はジェイクとボブ、作詞はオジーだったとか。)

まあ、だから佐村河内守騒動に関して、ゴーストライターってのはよくあることなのかな?とは思うので、まあそんなことはありえるよな、と思うんだけど、それよりも何がマズイかと言うと「耳が聞こえない」設定(本当は聞こえている)を販売促進に利用したってことなんじゃないだろうか。

ただ、それでも「アイドルは清純」というイメージで売り出しながらプライベートでは実は清純じゃないアイドルもいるじゃないか!という声もあるかもしれない。ただし、アイドルとファンの関係は、盲目的な人は別として、ある種ヤラセ的なのを許容する空気がある前提なんじゃないだろうか。つまり、騙されてたとしても夢見させてくれればそれで良い的な関係性だと思うので、問題にならないんじゃないかと思うわけです。

佐村河内守に関しては「そうは言っても聞こえてるんでしょ?」みたいな感じにはなっておらず、あくまでも本当に全聾というキャラクター設定で欺いていたことがまずかったのだと思います。それにしても、真実がわかってから頭を壁に打ち付ける映像には、苦笑いしてしまいますね。

もう修正されてしまったけど、少し前の佐村河内守Wikipediaのプロフィールも、なんかマンガのキャラクターにありそうな設定で、思わず笑ってしまった。