日時:
2018/7/4
会場:
日本武道館(ライブビューイング:札幌シネマフロンティア)
メンバー:
橋本絵莉子 (Vo & Gt)
福岡晃子 (Ba & Ds & Cho)
ゲスト:
DJみそしるとMCごはん (MC)
恒岡章 (Ds)
佐藤帆乃佳 (1st Violin)
藤縄陽子 (1st Violin)
亀田夏江 (2nd Violin)
須原杏 (2nd Violin)
菊地幹代 (Viora)
結城貴弘 (Cello)
セットリスト:
1. Chatmonchy Mecha
2. たったさっきから3000年までの話
3. the key
4. 裸足の街のスター
5. 砂鉄
6. クッキング・ララ(with DJみそしるとMCごはん)
7. 惚たる蛍
8. 染まるよ
VTR (2005-2018)
9. majority blues(with チャットモンチー・アンサンブル)
10. ウィークエンドのまぼろし(with チャットモンチー・アンサンブル)
11. 例えば、(with チャットモンチー・アンサンブル)
12. 東京ハチミツオーケストラ(with 恒岡章&チャットモンチー・アンサンブル)
13. さよならGoodbye(with 恒岡章)
14. どなる、でんわ、どしゃぶり(with 恒岡章)
15. Last Love Letter(with 恒岡章)
16. 真夜中遊園地(with 恒岡章)
17. ハナノユメ(with 恒岡章&チャットモンチー・アンサンブル)
アンコール
18. シャングリラ(with 恒岡章)
19. 風吹けば恋(with 恒岡章)
20. サラバ青春
メモ:
「解散」のエイリアス。YMOは「散開」、TMNは「終了」、チャットモンチーのケースは「完結」でした。
本当なら武道館まで遠征したいところですが、仕事の事情とか家庭の事情など諸々あり、WOWOWで見ても良かったのですが、せっかくなのでライブビューイングにて参戦。場所は札幌ステラプレイスのシネマフロンティア。平日だし、そんなに混んでないかなと思ったら、結構入ってました。座席は9割近く埋まってた。僕の席は二番目の通路の真ん前なので場所としてはかなり良い席。直前まで仕事してたので時間はギリギリに到着。
「CHATMONCHY LAST ONEMAN LIVE ~I Love CHATMONCHY~」 at 日本武道館、終演しました。
— チャットモンチー スタッフ (@chat_staff) July 4, 2018
セットリストはこちらです。#チャットモンチー#チャットモンチー武道館 pic.twitter.com/PmMX1HTJjA
セットリストは終演後、すぐに公式が出してましたが、細かいところで言うと、「さよならGood Bye」の前に「とび魚のバタフライ」のフェイント。後ろの人が「とび魚」やると思って一瞬もりあがってました。あと、「シャングリラ」の途中でメンバー紹介から「長い目で見て」のベースラインがスーパーインポーズ、からのボーカル突入、ってのがあったりしました。ニューアルバムから唯一演奏しなかった(子供の声が肝なのでできなかった?)「びろうど」は終演時に流れてました。
オープニングは何で来るかな?と予想するのが僕のライブの楽しみ方の一つ。「坂本美雨のディアフレンズ」にチャットモンチーが先週出てたんですよね。その時に、10周年ライブの時は、ヒストリー的な選曲だったからそれとは違う感じになる、と言ってたので、ここはやっぱり新作から来るなと。
で、予想通りでした。前半戦は「チャットモンチー・メカ」構成。
去年見たこの編成のライブは、ライブハウスの狭いステージに機材がギッシリと詰め込まれて、たしかツアータイトルに「秘密基地」というワードがあったけど、まさにそんな基地的なセットだったけど、武道館のステージは大きい。ステージの真ん中あたりにギュッと詰まっていて結構印象が違う。
その去年の編成のライブを見た人は慣れてたと思うけど、解散という事で初めて来た人、はたまた久し振りに来た人は、やっぱり戸惑ったんじゃないかな?特に最初の2曲は、お久しぶりの人たちに「ついてこれるか?」というメッセージのようにも感じました。途中、DJみそしるとMCごはんをゲストに招いて「クッキング・ララ」を披露。その後、アコギを持ってワンコード。流石に聴き込んだ好きな曲だと出だしのワンコードで何やるか分かりますね。「惚たる蛍」。そして「染まるよ」の後、一幕が落ちて、ヒストリーVTR が流れる。
2005年のデビュー直後のイマイチ垢抜けない雰囲気から、2008年ごろはもう「メジャー」の風格に変わり、たった3年でこうも変わるかねと。ヴィジュアル目当てでファンになったわけじゃないけど、2008年の頃のビジュアルも神々しい。音楽的なヒットもあり一時的にではあっても人気出るわなーと思いながら見てました。
そして、それからたった3年でドラマーが脱退する。まだ高橋久美子の脱退が公になってないツアーのラストで「余韻」を演奏しながら橋本絵莉子が泣いてしまうシーンがあるんですよね。後ろ向いて誤魔化すんですけど、客席からは見えなくてもカメラは撮っている。このシーンは「鳴るほど」で何度も見ましたね。「余韻」は歌詞がもう脱退を決めた高橋久美子に向けて書いたとしか思えない歌詞で、この時はまだ「新しいものはきらいだし」と言ってるのも面白いですね。
VTRのバックで流れていたのは「ツマサキ」「雲走る」「草原に立つ二本の木のように」「満月に吠えろ」「歩くオブジェ」でした。そして、このVTRは結構長くて、どう考えてもかなり大掛かりなセットチェンジが行われていることは想像に難くありません。
そして、第2部。幕が開くと、なんと二人の後ろにストリングスがいるではありませんか。名付けて「チャットモンチー・アンサンブル」。メカから一転アコースティックへ。デジタルからアナログへ。
僕は、エルヴィス・コステロ&ブロドスキー・カルテットの「ジュリエット・レターズ」を思い出しました。
最初の「majority blues」「ウィークエンドのまぼろし」は弦がリズムのメインに据えた弦主体のアレンジ。これが「ジュリエット・レターズ」風。
「例えば、」はバンド(っていうか)主体で弦は上物というか、アレンジをゴージャスにする役回り。レインボーの1984年ライブでの「Difficult to Cure」だ、と思ったのは僕だけだと思います。奇しくも同じ解散ライブだし。
この「チャットモンチー・アンサンブル」がチャットモンチーの最終形態。この日のライブまで温存していた最終形態でした。でもやっぱり客席はなんか不思議な空気感。攻めてる感を肯定するコアな人と、ノスタルジーを求めるお久しぶりな人との間の妙な緊張感が漂ってると感じたのは気のせいかな?これが「完結」を選択した理由なのかなと。
何度も聴いた曲だと、例えストリングスでも最初の2音くらい聴けば何やるか分かりますね。「majority blues」。でも次の曲「ウィークエンドのまぼろし」は全く予想外の選曲。ここ数年やってなかったんじゃないですかね?アレンジもなんとなくXTCの「Apple Venus」を思い出しました。ちなみにストリングスアレンジは世武裕子。客席にいるところ、カメラに抜かれてました。
チャットモンチーのライブは結局4回行ったのかな?毎回MCでの妙な静寂があり、3人時代はそれでもなんとか繋いでたけど、この日のライブは今までに勝る静寂というか緊張感がありました。ただ、アンサンブルのメンバー紹介でようやく緊張感が解けた感じがしました。有吉弘行を彷彿とさせるニックネームをつけた瞬間、爆笑に包まれてました。そのやり取りの最中、いつのまにか後ろにドラムセットが。ゲストドラマー登場。Mステでは OKAMOTO’S のオカモトレイジがサポートで入りましたが、今日は男陣、ハイ・スタンダードの恒岡章登場。意外な選曲が多々ありましたね。「さよならGood bye」とか「どなる でんわ どしゃぶり」とか。意外な選曲はほとんど1stだったのは何かのメッセージなんでしょうかね。1stとラストアルバム、どちらも「ガールズバンド」って感じじゃないんですよね。そして、一旦はけていたアンサンブルが戻ってきて、ゴージャスアレンジの「ハナノユメ」が本編ラスト。
アンコールでは再度チャットモンチーの二人と恒岡章が登場し、「シャングリラ」「風吹けば恋」という二大メジャー曲を披露。やっぱりこの2曲はやらないと終わりません。チャットモンチーの変化を受け入れてきたコアなファンも、大半は元々スリーピースの頃に入ってきた人ですから、ノスタルジー主体の人も一体になって盛り上がれます。そして恒岡氏もステージを後にして二人だけになります。
最後は二人だけで「サラバ青春」。なんとなくですが、この曲ラストに持ってくるかなってのは感じてました。
そして、最後の最後に高橋久美子が少し出てくるんじゃないかと期待してました。これは外れましたね。
明日はいよいよチャットモンチーの武道館。二人のはからいで「いっぴき」も会場に並ぶことになりました。ありがとよ〜!
— 高橋久美子 (@kumikon_drum) July 3, 2018
限定100冊でサインが入っとって、武道館って書いとるの買った人は当たりです。
明日のステージを目と耳に焼き付けて永久保存する自信がある。でも泣く自信もある。頑張れ! pic.twitter.com/WOdnml6THM
前日にツイッターで明日のステージを見る、と書いてたので、まあ9割方無いかもなーとも思ったんですが、やっぱり無かったですね。ただ、アンコールのラスト3曲は全部高橋久美子の作詞なんですよね。ということは3人でやってると言えなくはない。
ライブビューイング終演後、泣いている人もチラホラ。僕の隣にいたサラリーマン風の男性も多分泣いてました。自分はグッとは来たけど泣かなかった。死んだわけじゃないし、多分、二人は一緒ではないにせよこれからも創作活動を続けて行くだろうし、何より、チャットモンチーという名前の足枷が取れたことでさらにすごい曲を書いてしまうかもしれない。ライブが見れなくなるのは残念だけどブルーレイで我慢しよう。ということで、チャットモンチー、おつかれさまでした。